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祝言と秘事の報告に大殿は

一昨日と昨日、投稿できず申し訳ありません。

天正十二年(1584年)八月二十一日

越前国 柴田家屋敷


「六三郎!立派な姿じゃ!」


「道乃!とても綺麗ですよ!」


「若様と道乃の祝言を生きて見る事が出来るとは」


「道乃!しっかり若様を支えるのですよ」


皆さんおはようございます。推定で朝10時から道乃との祝言を行なっております柴田六三郎です。大殿、帰蝶様、利兵衛、紫乃さんが大きな声で盛り上げてくれております


源三郎様と勝姫様の祝言の時は、甘味製作に没頭していたので分からなかったのですが、こんな朝早くから色々とやっていたとは驚きです。短縮版みたいな祝言ですので1日で終わらせる為に、


大体5時くらいから準備を開始しまして、着る物やら作法とかの指導等を受けたりしていたら、あっという間に祝言が始まったのですが、眠い!


三三九度の酒の味は、吐くんじゃないかと思う様な味でした。北陸方面軍としての戦が終わったら、甲斐国の土地改善と同時進行で、美味い酒を作る為に、色々とやりたいなと考えておりますと、


「六三郎様」


道乃に呼ばれました


「なんじゃ?」


「幼い頃に命を救っていただいた時から、六三郎様をお支えする事だけを考えて生きて来ました。不束者ですが、命尽きる時まで六三郎様のお側に居ます」


「儂みたいな彼方此方に行って働いておる男の側に居るのは大変じゃが、それでも道乃、お主も側室の皆も大切な存在じゃ。これからよろしく頼む」


「はい」


こんな会話が出来るくらいには落ち着いて、そこから赤備えの皆を筆頭に、俺が召し抱えた面々が、大泣きしながら祝ってくれて、祝言は無事に終わりました


そして、通例どおりなら祝言が終わったら、その日に初夜を迎えて子作りを行なうそうです。道乃も覚悟を決めて、俺の布団に入って来ました。ちなみにですが、この布団、大殿からのプレゼントです


数年前に秀吉に買ってあげた時、自分の分も買っていたそうで、使ったらとても気に入った様で、これから子作りを頑張る人にプレゼントしているそうです


話かそれましたね。本筋に戻しますが、道乃は覚悟を決めているので、


「六三郎様。これから」


と言っているのですが、


「道乃。待て、儂の話を聞いてくれ」


一旦落ち着かせます


「何かありましたか?」


「道乃。儂を産んでくれた母の話は聞いておるよな?」


「はい。六三郎様が三歳の時にお亡くなりになられたと」


「そうじゃ。その母上が亡くなった歳は二十一歳だった。母上が亡くなった時、父上は母上の後を追うのではないかと思う程、落ち込んでおった。


その時、儂は、「母上は儂を産んだ事で身体を悪くしてしまったのではないか?」と考えてしまってな」


「六三郎様!その様な事は」


「道乃。元服した今なら、その様な事は無いと分かっておる。だがな、今だから分かる事として、女子が若い内に子を産む事は、身体の辛さが増すという事じゃ


道乃は、母上や妹達と共に長刀を振ったり、屋敷中を掃除したりして、健康な身体を作っておるが、それでもまだ十六歳じゃ。それに、これから甲斐国に行くのじゃ


もしも甲斐国に到着した時に、やや子をもうけていたら、甲斐国の尋常ならざる暑さ寒さで体調を崩して、やや子が流れてしまうかもしれぬ


そうならない為に、甲斐国に到着するまでは、子作りは控えておきたい」


「六三郎様。分かりました。ですが、私は正室として、六三郎様の子を、嫡男を産みたいのです。甲斐国に到着したら、お願いします」


「勿論じゃ。約束しよう。さ、明日から色々準備をしないといかぬから、今日はもう寝るとしよう」


「はい」


こうして、初夜は何もせずに睡眠を取るだけで終わりました


翌日

越前国 柴田家屋敷


「六三郎!前日の祝言はご苦労であった!改めてじゃが、これからしっかりと子作りに励み、権六と市に孫を見せてやれ!」


「ははっ!」


「それから、甲斐国への出立じゃが、連れて行く人選も兼ねて、遅くとも来月の初頭には出立せよ」


「ははっ!」


「それでは、儂は帰るとしよう!」


と、大殿が立とうとした時、


「兄上!お待ちください!」


お袋が止めた。いよいよ、虎夜叉丸の事を話す様だ


「市?何かあるのか?」


「兄上に見ていただきたい、六三郎が近江国で召し抱えた親子が居るのです。せめて挨拶をさせていただきたく」


「ほう。まあ、良かろう」


「兄上。少しばかり趣向を凝らして、その親子が来るまで、目を閉じていただきたいのですが」


「何やら考えておる様じゃな。まあ良い、利兵衛!その親子を連れてまいれ!」


大殿は特に気にかける事もなく、承諾して、利兵衛に連れて来る命令を出した。そして、4人か大殿の前に来ると平伏した


そして、お袋から


「兄上。目を開けてください」


合図が出ると、


「どの様な親子じゃ?件の者達、儂に顔を見せよ」


大殿が目を開けて4人に顔を上げる様、命令する。4人が命令どおり、顔を上げると、


「はっ!?」


大殿は気づいたのかもしれないが、確信が持てない為、質問する


「父親のお主、名は何と申す?」


「浅尾勘十郎義勝と申します」


「嫁のお主の名は?」


「雪乃と申します」


「娘のそなたの名は?」


「伊吹と申します」


「嫡男のお主、名は何と申す?」


「虎夜叉丸と申します!」


「今年で何歳じゃ?」


「十二歳です」


「そうか。虎夜叉丸と伊吹よ。儂は、お主達の両親と話がしたい。席を外してくれぬか?」


「「はい」」


「良い返事じゃ。六三郎!二人を連れて行ったら、直ぐに戻って来い」


「ははっ!」


で、2人を赤備えの皆が居る、訓練用の坂道に行かせて、直ぐに戻って来ましたら


「市!!これはどう言う事じゃ!何故、義弟の、浅井備前守の子が居る!?しかも、男児じゃと!これはどう言う事か説明せよ!事と次第によっては」


大殿がブチギレていました。これは、俺も叱責される事、間違いないか。だけど、これもある意味で戦だ。気合いを入れないとな

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