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妹のターゲットを見て複雑な気持ちになる

天正十二年(1584年)八月二十日

越前国 柴田家屋敷


「市!久しぶりじゃのう!利兵衛、権六も六三郎も居ない中、家中の取りまとめ、ご苦労である!初陣を終えた新三郎は、少しばかり逞しくなったぞ!」


「兄上。思ったより遅くないですか?何かあったのか心配しましたよ?」


「織田様。有り難いお言葉にございます、新三郎が、少しでもお役に立てたのなら、嬉しいかぎりです。失礼ながら、その新三郎はどちらに居るのでしょうか?」


「六三郎と共に、道乃に会いに行っておる。少しは成長した自分を見せたいのじゃろう。まあ、祝言を行なう明日は、慌ただしい一日になるのじゃから、今日のうちに話せる事は話しておけばよい」


「お気遣いありがとうございます」


信長が市と利兵衛と話をしていた頃、六三郎はと言うと、


皆さんこんにちは。近江国の長浜城を出立して、2週間ほどかけて実家に到着しました柴田六三郎です。


到着したら大殿が、「祝言は明日行なう!今日一日、しっかり休んでおけ!」と言ってくれたので、とりあえず道乃に新三郎の顔を見せに来ましたら、


茶々達も全員居ましたので。弥三郎の事も紹介する為に同行させまして、


「六三郎殿の奥方殿。拙者、土佐国と阿波国を治める長宗我部土佐守の嫡男の長宗我部弥三郎信親と申します。


これから六三郎殿に内政を教わる事になりましたので、しばらく世話になりまする!」


「ご丁寧にありがとうございます。六三郎様の横に居ます斎藤新三郎の姉の道乃です」


「道乃殿ですか!これからよろしくお願いします!」


と、ここまでは何処の家でもある普通の挨拶ですが、ちょっと、いや、大分対応に困る事が起きました。それは、


「弥三郎様!身の丈が高いだけでなく、とても鍛えられておられるのですね。赤備えの皆が走っている坂道を共に走りませんか?」


と、初が弥三郎にアプローチしているのです。それだけなら、まあ良いか。ぐらいで終わるのですが、


「ふふっ。新三郎、元服しただけでなく、初陣も経験した事により、男子として成長しましたね。とても喜ばしい事です」


と、茶々が新三郎の頭をナデナデしながら、褒めているのです。姉が弟を可愛がる感情から来る行動なら何も思わないのですが、


茶々の顔が、獲物を狙うハンターの様な顔なので、まさか、茶々がショタに目覚めたのか?と疑っております。姉さん女房がダメとは思いませんが、


まだ新三郎は14歳ですし、義弟でもあるので、少し気になるところです。


一応、お袋に伝えておくか。あ、でも、今は大殿も居るから、直ぐに大殿に伝わるか。なら、2人が話している時に伝えた方が早いか。そこに利兵衛と紫乃さんも、


居たら、尚の事ありがたいんだがなあ。でも、不思議なのが江と文が静かな事なんだけど、まだ恋愛事は分からないのか?だとしたら、安心ではあるが


まあ、江と文の嫁入りに関しては、まだ先という事にしておこう。それじゃあ、夕食にしましょうか


六三郎がそう考えていると、


「六三郎!」


信長に呼ばれたので、大広間に行くと、


「六三郎!越後国に居る権六から文が届いたぞ!お主か市へ宛てた文のはずじゃ!読め!」


勝家からの文が届いた様で、信長から読む様に命令された


「は、ははっ。では、「六三郎!この文が届いている頃には、既に祝言を終えていると思う。お主の大事な日に出られずに済まぬ。


だが、越後国からちゃんと祝っておるからな!道乃は勿論、十兵衛の娘も、勝蔵の妹も、これから迎える側室の娘も、大切な存在じゃ。それを忘れるな


儂に代わり、殿が祝言に参加してくださるのじゃから、粗相の無い様にな!そして、これは市と利兵衛に伝えておいて欲しいのじゃが、儂の与力として北陸方面軍に参加しておる又左の娘の摩阿姫を知っておるな?


その摩阿姫を柴田家で鍛えて欲しいとの事じゃ。又左曰く、このままの摩阿姫では、我儘過ぎて嫁ぎ先が無いと不安になっておる。そこで、何故か、柴田家が


織田家中で一番、躾に厳しいと又左が言っておるから、とりあえず摩阿姫を柴田家に行かせる事にした


そこで、市、利兵衛、なんなら、つるも含めて、摩阿姫を鍛えてくれ。六三郎は摩阿姫の事を少しは知っておるから、市や利兵衛へ摩阿姫の説明を頼むぞ


改めてじゃが六三郎!お主も嫁を貰うのじゃ!今までの様な自由奔放な行動を慎む様に!そして、出来るだけ早く、儂と市に孫を見せよ!以上じゃ!」


と、書いてあります。父上らしい内容の文ですが、嬉しい内容です」


「ふっ。六三郎よ。今、流れているのは嬉し涙じゃな」


「は、はい」


親父からの文を読んでいたら、いつの間にか泣いていた様だ。殿に言われるまで気づかなかった


「失礼しました。母上、利兵衛。父上の文の後ろの方に書いてありました、前田様の娘の摩阿姫ですが、


江と同い年で、思った事を直ぐ口に出す様で、佐々様の継室になった源四郎の妹とも、少しばかり言い争いしておりました」


「まあ!それは、かなりのじゃじゃ馬娘ですね!利兵衛、さの摩阿姫が柴田家に来た場合、私が色々と鍛えます。よろしいですね?」


「奥方様がそうお決めになられたなら、拙者は何も言いませぬ」


「兄上もよろしいですね?」


「程々にな」


「それは勿論」


あ、お袋の顔が久しぶりに、怖い顔になってる。これは摩阿姫、大変な事になる事確定だけど、頑張ってください

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摩阿姫も まぁ怖い方に 目をつけられ 日々の作法と 日々の長刀 良きおなごへの道は 一日にして成らずじゃの。
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