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家督相続の発表と動き出す長宗我部

「出来れば、主だった者達が多くいる場でやりたかったが、この機会を逃せば次はいつになるか分からぬからな。この場で宣言する!家督を勘九郎に譲る!」


「「「「「「ええ?」」」」」」


皆さん大声で驚いております。まあ、俺も岐阜城で聞かされてなかったら、同じリアクションをしていたと思う。だけど殿の事だから、全ての権限を渡して


楽隠居なんてしないと思っております。とりあえず、殿の話を聞こうか


「勿論、今すぐに全ての事を勘九郎に任せるわけではない!これから勘九郎には、儂がやっていた朝廷に顔を出して主上に覚えてもらう等の事をやってもらう


その為に、儂は内府の官位を返上する。あくまで織田家当主は勘九郎であり、儂は一人の武将として戦場に立つ!最終的に儂が戦場に立つ必要が無くなった時こそ、


日の本が統一された時であり、新しい日の本が始まる時でもある。これから許可を得たい時は勘九郎に伺いを立てよ!先ずは内政の部分で、勘九郎に権限を委譲していく!皆もその旨、周囲に伝えておけ!」


「「「「「「ははっ!」」」」」」


「二郎三郎!いきなりで済まぬな。だが、この機会を逃したくなかったのじゃ」


「いえいえ三郎殿。家督継承に関しては、拙者も少なからず頭の中にあったので、三郎殿が勘九郎殿への家督継承を行なった事、納得出来ます」


「そう言ってくれると助かる」


「それでなのですが、三郎殿と勘九郎殿。拙者も倅に経験を積ませたいと思っておるので、六三郎殿が参加予定の北陸方面軍に、拙者の名代として、倅達を参加させて欲しいのですが、よろしいですかな?」


「だ、そうじゃが勘九郎?お主が決めよ!」


「あの、徳川様?北陸方面軍に参加したいお気持ちはありがたいのですが、北陸で分ける事の出来る領地はあったとしても微々たるものになります。それでもよろしいのですか?」


「それで構いませぬ。倅に経験を積ませる事が最優先なので、先ずは戦場に「徳川家当主名代」として出陣させたいのです」


「そう言う事なら、分かりました」


「忝い!師走には信濃国に行かせて、そこから六三郎殿達と合流する形で出陣させますので!」


「いえ。それでは父上」


「勘九郎。これはお主の当主としての最初の命令じゃ。儂に聞かずとも分かるじゃろう」


「分かりました。では」


信忠はそう言うと一呼吸置いて


「皆!父上と比べるとまだまだ物足りないであろうが、日の本を統一する為には、皆の力が必要じゃ!これからも働く事を期待しておるぞ!」


「「「「「「ははっ!」」」」」」


「うむ!それでは、本来の役目に戻り励んでくれ!そして、領地にも戻って良い!」


「「「「「ははっ!」」」」」


こうして、信長から信忠への家督継承は終わった。その様子を見ていた六三郎は


(俺もそろそろ、親父から家督継承をしないとダメだよなあ。親父還暦超えてるし、少しずつでも権限を渡す様に言うか)


勝家からの家督継承を真剣に考えだしていた。織田家がそんな状況の頃、土佐国の長宗我部家は


「それでは行ってくる!弥五郎と弥七郎!儂が居ない間の事、頼んだぞ!」


「お任せくだされ」


「睨みをきかせておきますので、一日も早く帰って来る事を願ってあります」


「うむ!織田内府に早く目通りして、この条件での臣従を認めてもらおう!それでは行ってくる」


当主である元親が、信長に会って二国を領有する事と臣従を認めてもらう為に、安土城を目指して出発するところだった


天正十二年(1584年)八月一日

近江国 安土城下


「弥三郎!遅くなって済まぬな!」


「父上!此方に来たと言う事は」


「お主が書いた文の条件で、織田家に臣従を認めてもらう為に来たのじゃ!」


「誠ですか!父上は、四国全土を征圧するつもりだと」


「儂も最初はそう考えていた。だが弥五郎と弥七郎かな、亡き弟の弥九郎の遺言を改めて言ってくれた事が、儂を思い止まらせてくれた」


「弥九郎叔父上の遺言ですか」


「まあ、近いうちに弥三郎にも伝えよう。それよりも安土城へ行き、条件と臣従を認めてもらおう」


「はい!」


こうして、長宗我部親子は信長に会いに安土城へ向かう。最初は門番に止められるが、事情説明をして、城内に通され、大広間で平伏して待たされると


「長宗我部土佐守!待たせたな」


上座から声が聞こえてきたので元親は


「織田内府様におかれましては」


と挨拶をしようとすると、


「待て待て長宗我部土佐守!とりあえず、面を上げよ!色々と間違えておるぞ!」


と、顔を上げさせると、


「織田内府様は随分とお若いのですな」


と言葉がもれたが、


「だから、それが違うのじゃ!儂は、織田内府の嫡男の織田左中将じゃ!」


「ええ!?」


そう、元親が信長だと思っていたのは、信忠だった。軽くパニックになっている元親に信忠は


「長宗我部土佐守。一応、儂が織田家の家督継承をしたが、長宗我部家をどうするかは父上と共に決めかねておる。父上の居場所は知っておるから、今から父上の元に共に行くか?」


「ぜ、是非ともお願いします」


こうして、信忠一行と共に長宗我部親子が入って信長の元に行く事になったが、信長の居場所とは?

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