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日の本初と課題の発表

源太郎達にゆっくり運んでもらって、ウエディングケーキを大広間まで運んだら、


「おお!城の様に聳え立っておる!」


「五色がそれぞれ見事な層になっておる!」


「何と鮮やかな!」


「香りも素晴らしい!」


見た目のインパクトは大きかった様で、皆さん驚いてくれてます。でも、まだまだこれからなので、一旦、膳の上に置きまして


「お待たせいたしました」


俺が挨拶したら、殿が


「六三郎!これが、前日の夜から準備していた物か!見事じゃ!源三郎と勝よ、六三郎がお主達の為に半日以上を使い、作り上げた物じゃ!しっかり食べよ」


いや、殿?このウエディングケーキを全部食べたら、大変な事になります


「殿。よろしいでしょうか?」


「何じゃ?この甘味に何かあるのか?」


「はい。これ程の大きさの甘味は、日の本初だと思うので、どうせなら、日の本初であろう事を、いくつかやっていただきたく」


「ほお。また面白そうな事が思い浮かんだ様じゃな。良かろう!源三郎と勝、日の本初を譲ろう!」


「父上、ありがとうございます」


「義父上、ありがとうございます」


「うむ。それでは六三郎よ、どの様な日の本初を二人がやるのじゃ?」


「はい。その前に、源三郎様と勝姫様。甘味の前に来ていただけますか?」


二人が俺に言われて、ウエディングケーキの前に来ると、


「では、1番上の小さい甘味を皿に取ってください」


「六三郎殿、言われたとおりに取ったが、そこからどうするのじゃ?」


「では、その甘味を食べやすい大きさにして、源三郎様から勝姫様へ食べさせて、勝姫様から源三郎様へ食べさせて、夫婦最初の共同作業としましょう」


「「え?」」


俺の説明に2人揃ったリアクションを見せてくれました。やっぱりお似合いの夫婦だよ。俺の説明を聞いた殿が


「はっはっは!確かに日の本初じゃな!源三郎と勝!子作りの前に夫婦として最初に、お互いに食べさせよ!」


酔っているのか、テンション高めです。そんな殿の圧に負けたのか、諦めたのか、


「では、勝。儂から」


「はい。食べさせてください」


と、勝姫様に食べさせまして、


「では、源三郎様」


「うむ。食べさせてくれ」


と、食べさせたら、2人共顔が真っ赤です。恥ずかしいのは分かるけど、まだ終わりじゃないんですよ


「源三郎様と勝姫様。では、次の日の本初とまいりましょう」


「何をやるのじゃ?」


「そちらの積み重ねられた甘味を切り分けて、御来席の皆様に分けていただく事をしてください」


「はっはっは。六三郎よ、甘味の様な幸せをお裾分けと言う事か」


殿は俺の意図に気づいた様だ


「はい。祝言の新たな形という事です」


「成程、そう言うことならば、源三郎と勝!儂は、現在一番上にのっている物を切り分けてもらおう」


「「は、はい」」


2人は殿に言われて、粒餡入りのパンケーキを食べやすいサイズに切って、皿にのせて、その皿を侍女さんが殿に渡す


「では、いただくとしよう」


殿がそう言いながら粒餡のパンケーキを食べると、


「これは美味い!しかも、儂の好みの粒を残してあるやつじゃ!六三郎、他の場所は味が違うのか?」


「はい。神戸家で出した味もあります」


「そうか!皆、早く食べるべきじゃ!これは間違いなく美味いぞ!源三郎と勝!しっかりと切り分けるのじゃ!」


「「はい」」


「では、三郎殿の次は、儂がいただくとしよう。そのうぐいすの様に鮮やかな色の場所を頼もう」


家康がうぐいす餡のパンケーキを頼んで、それを皿に入れて、渡して、食べると


「美味い!これが大豆になる前の豆とは信じられぬ」


家康も気に入った様で、そこからは、切って渡してを繰り返していって、最期の方は侍女さんや、周囲の皆さんも食べて、あっという間にウエディングケーキは完食された


「六三郎殿!日の本初の事をさせていただき、誠に感謝です!」


「私も、始めての祝言が、これ程の豪華な祝言になって感謝しかありませぬ」


2人が満足している様ですので、半日以上働いて良かったかな。とりあえず、俺の仕事はここまでなので、部屋に帰ります


翌日

近江国 安土城


「さて!源三郎と勝の祝言も終わり、皆も気を新たにしてもらうぞ!そして。前月の末頃に話していた四国の長宗我部に対して、どの様に対処するか、皆の考えを聞かせてもらおう!」


皆さんおはようございます。源三郎様と勝姫様の祝言の翌日に殿からの課題を発表する為に、大広間に来ております柴田六三郎です


昨日、ウエディングケーキが完食されたので、使われた皿を下げて、そのまま部屋で寝ていたのですが、


起きたらビックリしましたら。まさかの鶏か鳴いていたんですから。やっぱり半日働いたら、半日寝てしまいますね


そんな俺の考えを他所に、家臣の皆さんが意見を発表してますが、殆どが「土佐一国だけにすべき」で、他の意見だと「土佐も一国ではなく半国にすべき」


なんて意見もある。皆さん中々に過激な考えです。俺としては


「六三郎!お主の考えを聞かせてみせよ」


指名されました。まあ、遅かれ早かれですから、発表しますか


「拙者の考えとしては、讃岐国を召し上げて、土佐国と阿波国は長宗我部に安堵する事を提案します」


あ、一気に静かになったし、周りの人が「お前何言ってんの?」みたいな視線を送ってます


そんな空気を


「六三郎!四国の半分をくれてやるとは、相応の考えあっての事なのじゃろうな?」


殿が変えてくれました。まあ、俺の考えは、殿の悩みも解決出来る可能性もあるんですから


「はい。地理的な理由として、讃岐国を抑えておけば万が一、長宗我部が毛利と手を組んで謀反を起こす可能性が低い事、他の理由として、殿が頭を悩ませております、


一門の所領問題が解決出来ると思いましたので、提案した次第にございます。それに、二国も与えたら長宗我部に恩を売る事になり、恨まれる事は無いと思うのです」


「殿!拙者も柴田殿と同じ考えです」


「拙者も同じく」


「同じく」


「ふむ。確かに、筋は通っておるか。土佐一国だけの考えと、土佐半国の考えと、六三郎達の提案する二国の考えが同じ割合か。良かろう!その三案を主流として考えておく」


どうやら殿は納得してくれた様です。そんな殿から


「話は変わるが、これより重要な話をする!しっかりと聞くように!」


殿の重要な話とは、何だろ?

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