嫡男様を守れ!
この作品はフィクションです。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください。
「◯◯◯と言うやり方で猪を退治します。お分かりいただけましたか?」
「成程。猪を村へ追い立てて、柵をぶつけて網を投げて脚を止めたところを刀槍や模擬槍でとどめを刺すのか」
「そうです。通常は拙者と村の子供と大人数名で追い立てて、残りの大人がとどめを刺すのです。ですが、今回は子供が拙者、犬千代殿、市松殿、夜叉丸殿しか居ませぬ。なので、奇妙様の共の方々をお借りします」
「拙者は何処を手伝えば宜しいですかな吉六郎殿?」
「小一郎様は、柵を押さえる役割をお願いいたします。猪が身体をぶつけて柵が倒れたら猪に逃げられてしまうので
「儂は追い立てなくて良いのか?柵を押さえる役割か?」
「奇妙様は大人の皆様と共に、とどめを刺してくださいませ」
「分かった」
説明を終えると俺達追い立て組は山の中に入って行った。じっくり探していると、早速見つけた。けど、何かバカでかい•••
まあ、大人もいるから大丈夫、だよな?人数も15人居るし
「皆様、あの猪を追い立てます。模擬槍と鏑矢の準備は宜しいですか?」
「準備万端じゃ」
「ならば、拙者が先陣を切ります。続いてくだされ。では•••突撃!!!」
「うおおお!!!!」
こうして猪退治がスタートした俺を先頭に犬千代殿、市松、夜叉丸が続く
猪は子供だけの俺達に反撃しようと突撃して来た
「今です」
俺の合図で鏑矢が飛んでくると、猪が怯む。鏑矢の中には猪に当たるやつもあるから、完全に逃げる猪を追う形になった
「うおおお!!!」
初の猪退治で手応えを感じているのか、他の面々の声が大きくなる。猪が山を下りて村に現れると、無事に柵が見える位置まで誘導出来た。第一段階は完璧だろう。
「ここからが重要ですぞ!気張ってくだされ」
「おおおお!!!!」
俺の激に更に声が強くなる。猪は逃げる速度を上げるが、上がれば上がる程、急なストップやターンが出来なくなるから、こっちの思うつぼだ
「柵、動かして!」
「おおおお!!!!」
柵には車輪がついているから移動可能なんだけど、通常の植え込み式の柵と比べて、踏ん張る時は人の力が必要なんだよね。
いつもは不安だけど、今回は大丈夫だ。
「猪がぶつかります。踏ん張って!」
「おおおお」
ドン!!
直進した猪が柵にタックルしたけど今回は大人多めだから、柵がびくともしない踏ん張りを見せている。頭からぶつかった猪はふらついている
「好機じゃ!網を投げてくだされ」
バサ!バサ!バサ!
合図の後、猪に網が3枚かかる
ドス!バキ!ブスッ!
猪は網の上から模擬槍で叩かれ、本物の刀槍で刺される。
「奇妙様、猪は虫の息でございます。とどめを」
「うむ。初めて見たが、この様に猪退治は大変であると分かった。皆の働き、感謝する」
そう言って奇妙丸様は刀を抜いた。一気に振りかぶったその時だった
「ブオオ!」
最後の悪足掻きなのか猪が暴れだした。倒れた状態とは言えあの巨体だ、奇妙様が危ない
「うおおお!!」
山を全力疾走した後でキツイけど、少しで良いからもってくれ。俺の身体!
「バキッ!」
全力疾走しながらジャンプして模擬槍を猪の頭に叩きつけたら、折れました。と、同時に猪も完全に失神した様です。
「吉六郎。大丈夫か?」
「奇妙様、拙者は大丈夫です。さ、猪にとどめを。脳天を刺して息の根を止めてくださいませ」
「分かった」
ドスッ!
奇妙様が返事後すぐに刀を刺して、猪退治は終了した