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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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現在と未来を考えていると

天正十一年(1583年)八月十五日

因幡国 某所


「殿!毛利勢が撤退して行きます!追いますか?」


「いや!そのままで良い!それよりも先ずは、因幡国の完全征圧を優先する!伯耆国への進軍はそれが終わってからと行こうではないか!」


「「「ははっ!」」」


秀吉率いる山陰方面軍は、三月中頃に出陣し、丹波、丹後、但馬を征圧しながら進み、1年5ヶ月後の現在では


因幡国と伯耆国の国境まで進軍していた。史実では秀吉率いる軍勢が山陽と山陰の全てを征圧しながら進軍していた為にかなりの時を要していたが、


この世界線では、山陽を佐久間が、山陰を秀吉が進軍していた事で、毛利が軍勢を分けて対応した事もあって史実よりも早く征圧が進んでいた


その中で秀吉は、


「しかし、六三郎殿が作り方を書いてくれたこの武器は、ここぞという時の効果が高いのう!火を付けて投げつけたら、敵が籠城している城の城壁が、鎧袖一触かの如く壊れているのじゃからなあ!」


上機嫌な秀吉だったが、且元が提案する


「殿。六三郎殿が教えてくださいました武器ですが、ひとつ使う際の銭が高いので、少し改良を提案したいのですが」


「ほう。助作よ、どの様な提案か聞かせてみせよ」


「はい。今は使わなくなった種子島の一部に硝石と油を入れておりますが、それを竹筒に入れたら多く作れると思います」


「ふむ。確かに助作の提案は理解出来る。竹筒の方が安く済むのは間違いない」


「では殿」


「だが、六三郎殿が教えてくれた種子島の一部を使った物も使う。これより先は毛利の抵抗が強くなってくるじゃろう!その時に使う為に残しておく!


それまでは助作の提案した竹筒の物を作り、種子島と併用しながら使っていこう!」


「「「ははっ!」」」


「よし。各自持ち場に戻り、少しばかり休め!」


「「「ははっ!」」」


秀吉は本陣から主だった面々を持ち場に戻し、一部の者だけを残した。残した者の中に山内一豊も居て、たわいもない与太話を始めていた


「伊右衛門!前年の神無月に嫡男が産まれたと知らされて以降、お主やお主の家臣の働きは鬼気迫るものがあるのう!」


「はい。やはり嫡男が産まれたのですから、少しでも所領を大きくして、拙者が死んだ後に千代も子達も苦労せずに生きていける様にしたいですからな」


「はっはっは!そうじゃな!儂も伊右衛門と同じ考えじゃ!儂が死んだ後に、我が子と嫁達が苦労せずに生きていける様に、出来るかぎり所領を大きくしたい!


それに、儂の場合は六三郎殿の指導で身体を鍛えて食事に気をつけた結果、九人も子が出来た。男児はそのうち五人じゃ。所領の割合も気をつけないと、


儂か死んだ後に領地争いが起きてしまう。このまま山陰を征圧していけば、推定ではあるが六十万石の領地が手に入る!その為にも、気合を入れようではなかいか伊右衛門!」


「はい!拙者と千代も、殿と奥方様が取り組んでいた身体を鍛える事と食事に気をつける事を徹底した結果、嫡男の伊千丸が産まれたのですから、


気合も入ると同時に、柴田六三郎殿へ感謝しております。それこそ、感謝の証として与弥を嫁にしていただきたい程に!」


「おいおい。与弥はまだ四歳ではないか。まあ、将来的にという事であれば、儂も娘の一人は勘九郎様の若君に、もう一人は六三郎殿か六三郎殿の弟に嫁入りさせたい」


「殿。織田家中では一応、柴田様より山陽を攻めている佐久間様の方が序列が高いと聞いておりますが、佐久間様の嫡男には姫君を嫁入りさせたいとは思わないのですか?」


「それは現状無いな!佐久間殿は、茶好きを超えて茶狂いなところはあるが、ちゃんと戦場に出て働く!


しかも!「退き佐久間」と呼ばれる程、撤退戦が上手い!じゃが、撤退戦が上手いという事は、自らの軍勢と共に殿軍を務めているという事でもある


危険な場所を受け持っているのじゃから、その様な武将には敬意を持つが、佐久間殿の嫡男の甚九郎じんくろうは、良い評判を聞かないどころか、


父である佐久間殿の威光を傘に戦にほとんど出ない!殿が考える日の本の統一の為は勿論、その後の事も考えると、どれだけ親が織田家の為に働いたとしても、


その子が何もしない者であれば、殿も勘九郎様も容赦なく織田家から追放する可能性が高い。件の甚九郎などは、その筆頭よ!」


「それ程ですか。やはり、最初の子供、それも嫡男となると甘くなるのでしょうな」


「恐らくそれが最大の理由であろうな。そう思ったら、親父殿がとても素晴らしい父親に思えて来た。


いくら自身が殿から色々なお役目を承っているとはいえ、十歳に満たない子に内政を含めた色々をやらせるだけでなく、


諸事情があったとはいえ、武田相手の戦に総大将として初陣を経験させるとは。儂の長望丸にも同じ事をさせたい。と思う反面、やはり我が子可愛さにそんな事はさせたくない!と言う思いもある」


「殿。それが普通の親心だと思います。それに、我々が毛利との戦で西に出陣していて、柴田様達は北陸で上杉相手に出陣しております


あとは大殿達が武田相手に出陣して、それらが終われば四国と九州と奥州になりますから、長望丸様が元服なされる時には、戦が日の本全土から無くなっている可能性が高いでしょうし、


お子達が無事に大人になった時、何も出来ない大人にしない為に、内政を含めた色々な事を教えていく事が優先されるでしょうな。拙者の様な戦しか知らない武士も色々と覚えないといけない時代になるはずでしょう」


「はっはっは。そうじゃな、じゃが、戦の無い日の本にする為に、儂達の代で戦を終わらせてしまおうではないか!儂もそうじゃが、孫を抱くまでは見苦しくとも生き抜こうぞ!伊右衛門!」


「ははっ!」


「よし!それでは本陣を移動させようではないか!」


秀吉が一豊との会話を終えて、本陣を移動させようとした時、


「殿!小一郎様とお袋様からの文でございます!」


且元が文を持って本陣に駆け込んできた


「小一郎からは何かあったと分かるが、寧々からとは?まあ良い!先ずは小一郎の文から読んでみるか」

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