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土木工事の開始

天正十年(1582年)六月十五日

近江国 長浜城


「小一郎様!殿からの文でございます!」


「来たか!紀之介、六三郎殿も連れてまいれ!」


「ははっ!」


皆さんおはようございます。朝からテンション高い大谷吉継に大広間に連れて来られました柴田六三郎です


どうやら秀吉から土木工事の了承か否かの文が届いた様です。秀長さんも佇まいを正して座っています


「六三郎殿。兄上からの文が届いたので確認を共にお願いいたす」


「はい。見ましょう」


「では。「小一郎!六三郎殿が見つけた銭の種になりそうな物が長浜城の側にあるそうじゃな!


そこで穴を掘りたいとの事じゃが、許可する!六三郎殿達と共に穴を掘り、北近江発展のきっかけにせよ!」との事です。


六三郎殿、兄上は六三郎殿の直感を信頼しておる様です。早速ですが」


「ええ!準備に取り掛かりましょう!」


秀吉かめっちゃ乗り気で「穴掘っていいよ!頑張って銭の種を見つけてね!」と言っております


じゃあ、俺の未来の為に琵琶湖を広げる事も含めて、土木工事をやろうじゃないか!とりあえず赤備え全員集合させて


「皆!暇で暇で仕方ないであろう!鍛えあげたその身体を使う時が来たぞ!」


「若様!既に源太郎殿から聞いております!長浜城の側の土地を掘るのですな?」


「話が早いな!小一郎殿や紀之介殿や佐吉殿と話し合いながらの作業になる!しかしじゃ!現状、土地を掘るのは確認の為じゃ!しかし、儂は確信しておる!


北近江に人が大量に来たら、越前国に寄ってみようと考える人も出てくるじゃろう!この作業は、言わば先の世の為の作業じゃ!我々の子孫の為に頑張ろう!」


「「「「ははっ!」」」」


こうして土木工事がスタートしました。もっとも、最初は場所の確認、俺達や羽柴家家臣の皆さんと一緒に働く職人の必要な数の確認を含めた準備に数日を要しまして


天正十年(1582年)六月二十五日

近江国 長浜城近く


「六三郎殿!今日から作業開始ですな!これから掘る穴に羽柴家の銭を増やす何かが見つかれば」


皆さんおはようございます。作業開始の朝に大谷吉継のハイテンションに少し引いています柴田六三郎です。そんな俺と近いテンションの石田三成は


「紀之介、落ち着け!六三郎殿も博打だと言っていたではないか。過度な期待は」


「佐吉!お主は六三郎殿が寝っ転がった場所を触っていないから疑うのじゃ!儂も小一郎様も触ったから分かる!この下には温かい何かがあるのじゃ!疑うならば、触ってからにせよ!」


「わ、分かった。それでは」


三成が疑いながら地面を触ると


「うおっ!?こ、この温かさは。まるで風呂ではないか!六三郎殿!これは」


「佐吉!だから言ったではないか!儂が六三郎殿の直感に興奮する理由も分かったじゃろう。さあ、作業に取り掛かろうではないか!」


「うむ!これは楽しみじゃ!六三郎殿!我々以外の羽柴家家臣にも遠慮なく色々言ってくだされ!」


「その時は世話になります。それでは、作業を開始しましょう」


こんな感じで穴掘りが始まりました。赤備え200人の半分の100人、羽柴家家臣のうち100人、木製浴槽の製作を手伝ってくれた職人20人と弟子50人、


そして周辺から集めたアルバイトの人達100人の合計370人で、穴掘り作業開始です。区画を決めて、穴を掘っては土を掻き出してを毎日繰り返す事3週間、


その間に秀吉の側室の香那さんと彩月さんの出産も挟んで、ちなみに香那さんが男児を、沙月さんが女児を産んだので秀吉へ知らせる文を送ったら、まさかの展開が起きまして


天正十年(1582年)七月十六日

近江国 長浜城近く


「六三郎!何やら面白い博打をやっておるそうじゃな!」


まさかの殿が長浜城に来ました。本能寺の変が起きる六月になったのかと不安になったので質問したら


「今は文月じゃ!暦を忘れる程に働いておったのか?」


「ええ。食べ物以外の銭の種になる物があると思うと、暦を忘れていました」


「はっはっは!あまり働き過ぎたら権六や筑前の様に、最初の子をもうけるのが遅くなるぞ。」


「そこは気をつけます」


上手く誤魔化せたはずだけど、史実の本能寺の変が起きた六月を過ぎたぞー!これなら、この世界線では本能寺の変が起きない事が確定したも同然じゃないか!


あとは親父に「戦に出陣しないで何をしておる!」みたいな説教を受けても、親父の長生きが確定しているから素直に怒られる心の余裕も出来るよ


俺がそんな事を考えていると、殿が


「して、六三郎!お主の予想として、この穴を掘り進めたら何が出る?ただの大穴ではあるまい?」


質問してきましたので


「はい。拙者の予想としましては穴を掘り進めたら、湯が大量に出ると予想しております。天然の風呂が出来て、それを建物で囲って、


安い銭で領民も他国の民も使える様にしたならば、近江国は勿論、父上の領国である越前国にも人が流れて、最終的に銭と人と物が日の本を動き回ると思っております!」


「成程!薪を使わない風呂か!確かに、それならば周辺の民も来る可能性はあるな!そして、同じ様な物が他国にあったならば、我々がその国に行くこともあると」


「はい。最初は近江国だけかもしれませぬが、少しずつ日の本中に広がっていけばと」


「まったく、視野が広いと言うか、視座が高いと言うか、だが、これは羽柴家とお主達だけに任せていては終わりが遅くなる!織田家からも人を届ける!


筑前に新たな子の命名を頼まれたから来てみたら、これ程の面白い事をやっていたとは!六三郎!お主や赤備え達ばかり働かせて済まぬ」


おや?殿がごめんなさい的な言葉を言うなんて、何か俺によくない事が起きそうなんですが?

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― 新着の感想 ―
フラグ立てることを忘れない、作者思いの主人公であった!(笑)
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