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見つけた物は自然の恵み

秀長と三成から社畜精神を褒められていた六三郎は吉継や源太郎達と一緒に琵琶湖の側に佇んでいた


「ささ。六三郎殿!淡海乃海の周りを歩いて気分転換でもしましょう!一度、難しい事を考えずにのんびりとした気分になるのも良い事ですぞ!」


「紀之介殿。忝い」


吉継にそう言われた六三郎だったが、歩きながらも頭の中では


(確か史実の賤ヶ岳の合戦は、ここからそう遠くない距離で行なわれたんだよな。親戚の鬼玄蕃さんが秀吉の策略にハマって、


囲まれた所を親父達が助けに行ったけど、前田利家が裏切って、丹羽長秀が琵琶湖を横切って秀吉に加勢した結果、親父達が負けて北ノ庄城へ逃げたけど、


囲まれて、茶々達を逃して親父とお袋は自刃したのが来年の今月なんだよな。もう1年しか猶予が無い!


本能寺の変が起きなければ単なる杞憂で終わるけど、この世界線で起きない可能性は無い!


賤ヶ岳が潰れたら、合戦自体無くなるかなあ?それこそ、琵琶湖を広げる工事をやって、賤ヶ岳を沈没させるか?う〜ん)


史実通りに進んだ場合の未来を想像して、絶望感に覆われていた。そんな六三郎の様子を見ていた源太郎は


「若様?もしや、何か戦の事で気になる事でも?」


声をかけてみる。六三郎は誤魔化して


「あ、ああ。そうじゃな。父上が総大将の北陸方面軍がどれだけ進軍しているか、気になってな」


「若様。大殿は完全に征圧してから進軍する手堅いお方と聞いております。越前国から進軍して一年ですから、加賀国は間違いなく征圧しているでしょうし、


与力として若様が名将と仰っていた明智様も居りますから、加賀国の先の能登国も越中国も少しずつ確実に征圧していくでしょう」


「うむ。そうじゃな。源太郎、少し気が楽になった。感謝する」


「若様の負担ならば我々も請け負います。1人で背負わないでくだされ」


「うむ。これからは少しずつ伝えていこう」


「ははっ」


少し頭の中がスッキリした六三郎は、


「紀之介殿!少し目線を変えたいので、寝っ転がっても大丈夫ですかな?」


「は、はあ。ここら辺は大丈夫ですので、六三郎殿が気にならなければ」


「忝い!」


波が来ない場所で大の字になって寝っ転がった。しばらく何も考えずに空を見上げていたら、


(何か背中が温かい?いや、背中どころか腕や足も温かいぞ?これって土地の下に熱を出している何かがあるのか?」


何かに気づいた様で、急に起き上がると吉継に


「紀之介殿!」


「な、何でしょうか?」


「ここ周辺を掘ってみたい!」


「え、ええ!?」


「今しがた拙者が寝ていた場所周辺と、違う場所を触ってみてくだされ!拙者が掘ってみたい理由が分かります!源太郎達も触ってみよ!」


六三郎に促されて吉継と源太郎達は触ってみると


「温かい!」


「若様!これは?」


「もしかしたら、銭の種になる物かもしれませぬぞ!急ぎ、小一郎殿へ許可を得たいのです!」


「わ、分かりました。小一郎様に伝えて、いえ見てもらった方が早いので連れて来ます」


吉継は馬を走らせて長浜城に戻り、秀長と三成を連れて来た


「六三郎殿!何やら銭の種になるかもしれぬ物を見つけたと紀之介が言っていましたが、どの様な物が?」


「小一郎殿!足元の土を触ってみてくだされ!」


「は、はあ。では、おや?何やら温かいですが。六三郎殿?これが一体?」


「小一郎殿!これは深く掘ってみないと分からない博打ですが、拙者の予想が当たっていたら、1人が払う銭が安くとも、大量の銭を集められる物になりますぞ!」


「それ程の可能性がある物が、この下に」


「そうです!だからこそ、掘る許可をお願いしたく!」


「わ、分かりました。ですが、一応兄上に文を送ってからにさせてくだされ!その間に必要な資材等は手配しておきますので」


「お願いします」


さて、俺の予想が当たっていたら温泉が出てくるはずだ!でも、出陣から1ヶ月経過してるけど、秀吉達は何処に居るんだ?


天正十年(1582年)五月二十日

丹波国 某所


三月中旬に出陣した秀吉率いる山陰方面軍は丹波国の征圧まであと少しの所まで来ていた。そんな状況に秀吉は


「丹波国は思ったより抵抗が少ないのう。市兵衛!お主はこれをどう見る?」


「拙者としては、戦力を分散させたくないと同時に丹波国はそれほど重要ではないと毛利が判断したのだと思いますが」


「ふむ。その線もあるな。虎之助!お主はどう見る?」


「拙者も市兵衛と同じです。丹波国を取られても他の場所を取られたくないのだと思います」


「やはりそう見るか。孫六はどうじゃ?」


「拙者も市兵衛殿、虎之助殿と同じく。ただ、毛利にとっての重要な場所が本拠地以外に有る可能性を考えると、金山や銀山を奪われない為に戦力を割いている可能性もあるかと」


「ふむ。毛利が佐久間殿の軍勢にどれだけの数をぶつけているかにもよるが、孫六の予想も有り得るな


よし!当面は、少しずつ攻めて征圧する!無理をせずに行こう!次の場所に移動じゃ!


「「「ははっ!」」」


秀吉か方針を決めて本陣を移動させる命令を出した時、


「殿!城代の小一郎様からの文でございます!」


且元が文持って走って来た


「小一郎からじゃと?長浜城で何か起きたのか?見せよ!」


秀吉が且元から文を取り読み出すと


「はっはっはっは!何と!」


大笑いしたので清正達は不思議に思い、秀吉に聞いてみた


「殿?文の内容はどの様な内容なのですか?」


「ああ済まぬ!いやな、儂が小一郎と佐吉と紀之介に伝えていた六三郎殿と共に、領内で銭の種を見つけておく様に言っていた件なのじゃが、流石六三郎殿じゃ!


もう見つけたとの報告じゃ!しかも、長浜城の側にあったそうじゃ!」


「「「「誠ですか?」」」」


「うむ。だが、まだ確定とは言い難いから、その土地に穴を掘らせてくれとの事じゃ。小一郎はその事の了承を得る為に文を送って来たのじゃ!


これは直ぐにでも穴を掘ってもらおう!六三郎殿の事じゃ!儂達が長浜城に戻る頃には、銭の山が出来ているかもしれぬ!許可の文を書く!急ぎ小一郎に渡して来い!」


こうして、六三郎達は久々に土木工事をやる事か決定した。

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