表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
332/609

主従の再会

「殿!佐吉達を連れて来ました!」


助作さんが全員連れて来ました。5人全員、顔が逞しくなっております。全員現れてしばらくは変な空気が流れたけど、こんな時に空気も読まずに自分の役割に徹してくれるのが石田三成という男でして、


「殿!遅くなりましたが若君の御誕生、祝着至極にございます!そして、虎之助達を連れて来ました!」


と、言葉を言ったら、再び静かになりました。耐えきれなくなったのか殿から、


「筑前!言いたい事は早く言わぬか!」


と、尻を叩かれる言葉を言われた秀吉は


「かしこまりました。では、虎之助、市兵衛、孫六、紀之介!そして佐吉!すまなかった!」


そう言いながら5人に頭を下げた。いきなりの光景に全員驚きながらも、清正は


「殿!お止めくだされ!我々は」


秀吉を止めようとしたが、


「いや!殿と小一郎から全て教えてもらった。三年前の儂は、お主達から見たら色狂いの権力で全てを思い通りにしようとする愚か者であった。そんな儂を見限ったから、


お主達が出奔したのじゃ!全ては儂が、儂の欲しいもの持つ者を恨む未熟者であったがため!じゃが、子が産まれた今なら分かる!実の親子を離れ離れにするなど、


あってはならぬ!孫六、すまなかった!そして、儂を止める為に我が子を遠くへ行かせた小一郎もすまぬ!」


秀吉の言葉に5人どころか秀長さんも泣いていた。そして秀吉は、


「虎之助、市兵衛、孫六、紀之介!こんな儂じゃが、再びお主達を召し抱えたい!儂の元に戻って来てくれぬか?」


と4人に問いかけると


「勿論です」


「昔の殿に、いえ、昔以上に明るい殿に仕えさせてくだされ」


「我々が憧れた殿以上の殿に仕えとうございます!」


「是非とも殿に仕えさせていただきたく!」


4人共、頭を下げてお願いしていた。それに秀吉も


「これから再びよろしく頼む」


と了承していたので、一件落着と言っていいかな?


でも秀吉は秀長さんの子達も気にしている様で、


「紀之介!母のひなはどうした?」


「小一郎様のお子の世話をしておりますが」


「子達と共に連れて来てくれ」


「ははっ」


秀吉に言われ紀之介はひなさんと子供達を連れて来まして、秀吉は再び頭を下げる


「ひな!儂が未熟者であったがために、苦しい暮らしをさせた事、誠にすまぬ!そして、小一郎の子達の世話をしてくれた事、感謝の言葉をどれ程述べても足りぬ程、感謝しておる」


「筑前様。そのお言葉だけでも充分、嬉しゅうございます。それに、小一郎様のお子達の方が寂しい暮らしをしていたでしょう。なので」


「うむ。誠にすまなかった。それでは改めてじゃが、隣に座っている子達が小一郎の子か」


「はい。小一郎様から託された文に、男児の名は小竹、女児の名はきく。と既に決めておられましたので、私もその様に呼んでおりました」


「うむ。小一郎。お主の子達じゃ。呼んでやれ」


「ははっ。小竹、きく」


2人が不思議そうな顔でひなさんを見ると、ひなさんは


「お二人共、父様がお呼びですよ」


「「とと様?」」


2人に秀長さんの事を教えると、


「「とと様!」」


と小さい体で秀長さんの元に走って来た。そして無邪気な笑顔で


「何で、とと様は今まで側に居なかったのですか?」とか、


「何で泣いているのですか?」


と質問攻めにした。2人が自分を父親だと言ってくれたのが、余程嬉しかったんだろうか秀長さんは号泣していた


その様子に秀吉どころか、殿まで軽く泣いていた。そんな状況でも殿は


「筑前!とりあえず丸く収まった様じゃから、儂は帰る!出陣の日取りはお主に任せるが、出来るかぎり早めに出陣せよ!それから、数日のうちに儂からの文を持った者が、此処に来るから、しっかり相手をせよ」


「ははっ!何から何まで申し訳ありませぬ!」


「うむ!これからは気をつけよ!」


そう言って殿や蘭丸君達は帰って行った。そして、秀吉が


「さて、五人も聞いていたであろうが改めて説明する。儂は殿から山陰地方を攻める方面軍の総大将の役目に就いた。出陣に関しては今すぐにでも出陣したいが、孫六の件が解消する迄、出陣はせぬ」


「殿。孫六の件とは」


「儂が権力を使い、孫六を両親から離れ離れにした事じゃ。その事で儂はやってはならぬ事をやってしまった。だからこそ、罪滅ぼしになるとは思わぬが、孫六の両親の三之丞とかえでを六三郎殿が殿経由で、


越前国に文を出して長浜城へ呼んでおる。二人が来て、孫六を二人の子に戻したら出陣する!つまり、三之丞とかえでが早く着いたら、早く出陣出来るという事じゃ。孫六、改めてすまなかった」


「殿。そのお言葉だけでも、殿が以前よりも明るく強い殿に変わられたのだと実感しております。ですが、拙者の両親が早く来る事は、神頼みするしかありませぬので申し訳ありませぬ」


「そう言ってもらえてありがたい!それでは、五人が大和国でどの様な経験をしたか、飯でも食べながら聞こうか!宴じゃあ!準備に取り掛かれ!」


「「「ははっ!」」」


一件落着したと思ったら、一気に空気を変えて宴会にもっていった。やっぱり凄いね秀吉。まあ、平和的に解決出来てよかった。俺の出張は長引くけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
筆者さんの評価を考えて下さい。良い作品にはそれなりの評価があるはずです。悪い作品、興味のない作品は消えていきますよ。筆者さんが300以上も話を続けていらしゃる理由はただ単に面白い、続きが見たいと思って…
言いたい人間は言わせて無視で良いですよ。そういうのは何言ってもケチつけるので。 自分は何時も楽しく読ませてもらってます、気にせずこれからも書きたいよう頑張って下さい。
もう無視無視無視ですよ。 前にも書きましたが、楽しみに待っている読者が多いので、気になるかもしれませんが、相手にしないようにして下さい。ガンバです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ