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最終結果発表の前に

天正八年(1580年)九月二十五日

山城国 洛中


「それでは六三郎!この石田佐吉とやら、しばらく預かる!四人の事も筑前には手出し無用とも伝えておるから安心せい!」


皆さんおはようございます。安土城から来た殿一行に石田三成の身柄を引き渡して安堵しております、柴田六三郎です


殿一行が来る事は分かっていたんですが、今日から3日前に「明後日着くから、店を貸切にしてウナギを食わせろ!」と、文でリクエストされましたので、


三七様が居ない中では、俺が一応責任者ポジションなので、店前に「明後日は貸切」の貼紙をして、当日に、まさかの殿一行が周辺の魚屋からウナギを買い占めるという力技に出て、


全員フル稼働で働いて、殿一行30名にウナギを振る舞って、翌日に三成を連れて行ってもらったのです


ウナギを食べている間に、数日前に俺が思った秀吉以外の人の下で期間限定で働かせる事も提案しまして


殿一行は安土城に戻って行ったのですが、帰り際に「年末も来るぞ!何なら来年以降も営んでも良いかもしれぬな!」と言っていたので、今年限定の神戸家が、


来年以降も営業する事になりそうで、怖いです。営業する事が決まったら、俺の越前国へ戻る事が更に先延ばしになりそうなのですが?


しかも、ここは京都ですよ?本能寺と二条城の中間地点と言ってもいい立地なので、本能寺の変が起きたら間違いなく巻き込まれるんですから、


そうならない為に、本能寺の変が起きない様に動かないといけませんね、すいません、話が逸れましたね。


3週間前くらいに三七様が北伊勢に一時帰宅したのですが、恐らく米とかの収穫物を売り捌いて、帳簿にまとめてから来る事が出来るのは、早くて2ヶ月以内で、


殿が催促しなければ、師走の頭ぐらいじゃないかなあ?と思うのですが、こればかりは何とも言えませんので、流れに任せましょう。それに、俺達も神戸家の帳簿をまとめないといけないので、やる事多いですが、頑張りますか


六三郎が気持ちも新たに仕事に励みながら働く事、2ヶ月、信孝が戻って来た


天正八年(1580年)十一月二十五日

山城国 洛中


「六三郎殿!長い間、店を任せたままで済まない!父上から文で知らせてもらったが、四人の追手が来ていたそうじゃな?怪我などはしておらぬか?」


「全員無傷です。源太郎達に至っては、暴れ足りないと言う程に」


「若様。暴れ足りないと言っていたのは、銀次郎だけですぞ。なんなら、暴れていたのは銀次郎だけなのですから」


「いやいや源太郎殿。拙者は暴れていたのではなく、一番槍を掴み取っただけじゃ」


「その割には、敵の三人を倒しても物足りない顔をしておったではないか」


「あ、あれは、口は偉そうなくせに実力が伴っておらなさ過ぎるあ奴らが悪いのじゃ」


「これこれ皆、三七様が戻って来て、いよいよ伊勢国の統治者を決める争いの最終結果が分かるのだから、


最期の最期まで油断してはならぬぞ。追手の者達を撃退した事は、儂から皆に感謝する」


「六三郎殿、儂からも感謝する。皆の働きのおかげもあり、北畠家相手にも現状、勝っておる。だが、北畠家は強大な家じゃ。最期まで油断禁物じゃ


さあ、父上から招集の文が来るまでは、目一杯稼いでおこう」


「「「ははっ!」」」


こうして三七様が戻って来て、最期の一稼ぎを頑張って、霜月の最終日の営業が終わる時に、


「父上から文か届いた。恐らく、最終結果の確認で安土に来いと言う内容だと思うが」


そう言って三七様は文を開くと


「三七へ。伊勢国の統治者を決める争い最終結果の確認を行なうから、安土城へ来る様に。そして、六三郎と共に店で働いた全員も連れて来い!


最終結果の確認は勿論ではあるが、色々伝えたい事もあるから、安土に来てから説明する」


「皆、そう言う事じゃ。明日には安土に出立するから、準備しておいてくれ!」


「「「ははっ!」」」


三七様が安土城へ行く事は当然だけど、俺達全員呼ばれるとか、何故?何か無茶振りの予感がするなあ。

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