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戦国のプレゼンは大変

さて、次は玉露作りだけど、前世の記憶だと乾煎りした熱々の茶葉を手揉みしてたっぽいんだよね


初期の玉露作りは確か、そんな感じだったはず。機械化された後々の時代だと機械の手で揉む大企業もあるよな


でも、この時代だと人の手でやるしかない!じゃあ、乾煎りを始めまして、熱い状態で平場に置いて、


手で揉んで掻き混ぜるを繰り返して、茶葉か丸くなったら完成!だったよな?


とりあえず、皆に飲んでもらおう!香りはさっきの焙じ茶とは違うから、大丈夫だよな


「さあ、皆々様。此度のお茶は、見た目はいつもの緑茶ですが、味とか香りは違いますぞ」


で、飲んでもらうと、


「これ!同じお茶の葉かい?全然違う物じゃないの?美味しい!」


「香りもいつも飲むお茶より良いね!」


「これは、味も香りも素晴らしい!それに、人の手揉みを入れないいけないから、少々高値でも売れるでしょうな」


「六三郎殿!これは、早く三七様と甚五郎殿にお伝えしないと!」


皆さんの反応を見て、これはやって良かったし、売れると確信しました。やっぱり鈴鹿山脈からの綺麗な水が豊富だから、農作物の質が良いんだろうな


じゃあ、これを三七様にプレゼンしますか!最終決定権は三七様だしね。甚五郎殿からしたら、金の成る木が領地に生えていたんだから、


簡単なプレゼンでも納得するだろう!まだまだ、やる事は多いけど。少しだけ形は見えてきたぞ


で、場所を神戸家と関一党の中間地点に移しまして、


「六三郎殿!銭になりそうな物は茶の葉とは誠か?見せてくれ!」


「六三郎殿!儂の領地の茶の葉大量の銭になりそうなのは誠か」


三七様も甚五郎殿もテンションが高い。まあ、幸田殿と大沼殿がしっかりと説明したんだろう


「お二人共。先ずは、その茶の葉は、そのままで出せば何処にでもある茶にしかなりませぬ。


少しばかり、手を加えないと駄目ですので、その手の加え方を目の前で見せますので、お待ちください」


で、乾煎りから始めて焙じ茶を出すと、


「美味い!これが、普段飲む茶と同じ茶の葉から出来ているとは」


「手の加え方も難しくないのに、これ程美味いとは」


2人共、焙じ茶を気に入った様ですね。では、次は玉露を出しましょう


「おお!これは、まろやかな旨みが絶妙な!」


「これもまた、見事な味じゃ!」


玉露も気に入った様ですね。それじゃあ、プレゼン開始しますか


「三七様、甚五郎殿。味と作り方を理解していただいた上で、拙者からの提案としては、


それぞれの領地に茶畑を作る事と、京、堺、熱田において目の前で茶の葉に手を加えるところを見せる販売方法をするべきかと存じます」


「ほう。茶の葉を商人に渡すのではなく、自分達で作り方を見せて売り込むという事か」


「それは良い。商人達に渡す手間賃も抑えられる!三七殿!これは、やった方が良いでしょう」


「甚五郎殿も乗り気ですな。勿論、拙者もそれで行こうと思いますが、肝心の茶の葉か多くないので、


直ぐに出来ない事がもどかしいのです。六三郎殿、その提案は、茶畑が出来てからが良いか?」


「三七様。茶畑を作りながら、売り込めば良いのです。良く考えてくださいませ。茶を売る事は勿論ですが、茶の葉だけが売れても良いのです


あれもこれもと一度に多くの儲けを出そうとしては、人も銭も足りなくなり、最期は負債を抱えてしまいます。だからこそ、最初は少しずつの儲けで良しとすべきかと」


「ふむ。ならば今は、儂の領地と甚五郎殿の領地領地て茶葉を増やす事、そして、現在手元にある茶の葉で


新しい茶を売るしか出来ぬか。甚五郎殿。茶畑を増やす事、了承してくださらぬか?」


「勿論じゃ!三七殿の領地と儂の領地、それぞれで茶畑が増えたら、間違いなく北畠と同じくらいの儲けが出るであろう!


ただ、儂達だけでは心許ない。北畠は領地が広く、人も多い。儂達が頑張って北畠と並ぶくらいかもしれぬ。これに北畠が南伊勢の家を巻き込もうものならば、


更に北伊勢の家を巻き込まないといかぬぞ。しかし、儂が言うのもなんじゃが、北に行けば行く程、


まとまりが無いからのう。利を示しても時がかかるかもしれぬ」


2人が茶畑を増やす事に同意したけど、「うちらだけで北畠に並ぶくらいだからなあ。北畠に協力する家が出たら間違いなく負けるけど」みたいな空気に


なってますね。もう、これは地道にやっていくしかないから


「三七様、甚五郎殿。その事に関しまして、拙者から提案がございます」


「何か妙案でもあるのか?」


「はい。北伊勢の方々を巻き込む事は当然ですが、それに加えて、伊賀国も巻き込みましょう」


「「はあ!?」」


うん。2人共驚くのは予想してましたが、ここ迄驚くのは予想外だけど、続けよう


「三七様。あくまで殿の了承が得られたら!という前提の話です。伊賀国の方々に茶の葉の育成と販売を教えて、その儲けも神戸家のものと数えたら、


北畠の領地が南伊勢でどれだけ大きくとも、伊賀国を巻き込んだ我々には勝てないでしょう」


俺が説明すると、三七様も甚五郎殿も


「まったく、これが柴田の鬼若子の内政における鬼手か。儂の様な凡庸な人間には思い浮かばぬ。儂は良いと思うが、甚五郎殿はどうですかな?」


「三七殿。儂も三七殿と同じ意見じゃ。常人では思い浮かばぬ事が頭の中にある。改めて柴田の鬼若子と呼ばれる理由か分かりましたぞ」


「六三郎の父の権六が儂の元服の時に、「拙者の倅は常識外れな事ばかりしているので、三七様の様に落ち着きある男になれは良いのですが」と言っていたが、


今ならば権六の言っていた意味が分かる。だが六三郎よ。時には常識外れな事もやらないとな。


良かろう!茶畑を増やしながら、北伊勢の家と伊賀国の東側の家に交渉をしていく。そして、父上への了承を得る大役に関しては、


六三郎殿。儂と一緒に行なうぞ!現状、六三郎殿しか新しい茶を作れぬ。重い大役ではあるが、よろしく頼むぞ」


と、いう事で三七様と岐阜城へ行く事が決まりました。

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