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純愛を見た後は

「成程。松殿。貴女はこれから、どうしたい?」


「私は、織田様がお許しくださるならば、虎次郎を育てていきたいです。それこそ、私達を助けてくれた六三郎殿は、そちらの柴田殿の嫡男という、


それなりの立場なのに、尊大な態度を取らずに、私達に接してくれました。きっと、虎次郎の良い手本になると思います。なので」


松姫様がそこまで言うと、


「松殿」


勘九郎様が話しだしたら、


「松殿。拙者は織田と武田が同盟関係だった時に、貴女と文のやり取りをしているうちに、その内面に惚れました。両家が手切れになった後も貴女の事を心配しておりました。


松殿さえ良ければ、拙者の嫁になってくださらぬか?それこそ、虎次郎の事も、拙者が父上を説得しましょう」


まさかの公開プロポーズだった。それに対して松姫様は、


「私の様な、敵対していただけでなく、最早破滅への道を進んでいる家の娘でも、嫁にしたいのですか?」


と聞いてきたが、勘九郎様は


「松殿。拙者は家がどうこうではなく、松殿を嫁にしたいのです」


と、アピールを続ける。そして、


「分かりました。勘九郎様の申し出を、お受けします。不束者ですが宜しくお願いします」


松姫様はプロポーズを受け入れた。この様子に


「何とめでたい日か!」


と、親父は大声で泣くし、


「良かった!本当に良かった!」


と、山県兄妹も泣きまくりだし、


「こんな素敵な場面に立ち会えるなんて」


と、岸さん夫婦も泣いていたし、


「美濃屋の女将をやって十年。こんなに儲けが出た上に、高い身分の人同士の婚姻が見られるなんて、初めてだよ」


と、嬉し泣きしてた。こんな状況なんですが、どうやって収めましょうか?


とりあえず今日は夜も遅いので、勘九郎様と松姫様と虎次郎、もう虎次郎様か。は、開いてる部屋に泊まって、親父と勘九郎様の護衛の人達も、勘九郎様達の部屋の周囲の部屋に泊まりまして、


松姫様の女中として、かえでと三姉妹と花も、近くの部屋に泊まりまして


俺達男共は、近くの物置きで眠って、勘九郎様と親父の家臣の皆さんは、美濃屋をがっちり守ってます


とりあえず、今日は疲れたから寝て、明日以降に備えよう


天正七年(1579年)四月八日

美濃国 美濃屋にて


「それでは、女将!世話になった!騒がしくしてしまった上に、急遽泊めてもらった分の銭は、足りておるか?」


「充分過ぎる程、いただきました。それに、三日前の織田様と姫様のやり取りを見て、「縁結びの旅籠」なんて呼ばれだしておりますし、お二人のおかげで、良い宣伝にもなります。なので、銭は足りております」


「ちゃっかりしておるな。だが、色々と無理を聞いてくれた事、感謝する。ここを通る時が来たら、寄らせてもらうぞ」


「その時が来るのをお待ちしております」


「うむ。では、出立じゃ」


「「「ははっ」」」


皆さんおはようございます。現在、3000人超えの大行列のやや後方に居ます柴田六三郎です


あの、もうパニックなんですが?俺は最初、三河国に俺含めて5人で行って、そこで岸さん夫婦を召し抱えて、7人になって、帰り道の途中の美濃国で松姫様達を助けてから保護して、14名になって、


路銀と食糧が尽きたから、それらを稼ぐ為に働いていたら、帰り道は3000人超えとか


しかも、この後、親父は山県三姉妹を連れて勘九郎様と一緒に岐阜城に行くと行っているけど、


俺に対しては


「市や娘達が寂しがっておるから、お主は佐兵衛と三郎右衛門と三之丞とかえでを連れて、儂が連れて来た一千人の半分の五百人と共に、越前国へ行け!」


と、なりました。まあ、休めるならそれでも良いか。


で、馬に乗って、数日かけて、遂に到着しました!

親父の新しい領地の越前国です。地名を聞いたら


敦賀つるがです」と教えてもらいましたが、敦賀って、未来だと高校野球で有名な、あの高校のある場所だし、


今の時代だと、日本海の交易の重要拠点のひとつじゃないか!しかも、「敦賀を中心とした領地」と言ってたから、


親父の領地は俺の想像を超える大きさの様です。で、ようやく屋敷に入りました。風呂に入って、身綺麗にして、岸さん夫婦と源四郎の弟達は、別の部屋で待機してもらって


親父が「寂しがっているから」と言っていたお袋と妹達に顔を見せに行きましょう


「母上。六三郎です。今日、戻ってまいりました」


俺が呼ぶと、「スパーン!」と襖が勢いよく開いて


「六三郎!遅いではありませぬか!」


と声が聞こえてきたので、お袋を見ると、


「は、母上。腹が大きいという事は」


「ふふふ。六三郎。やはり、あなたもこれには驚いてますね。そうです、文の下の子を授かりました。


来月か再来月には産まれてくる予定です。六三郎が間に合って良かったですが、三河国での話や、此処までの道中の話を聞かせてもらいますよ」


やっと静かに休めると思ったのに、まだ休めない様です。

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