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本来の役目の続き

朝から激重な仕官希望理由の岸さん夫婦を召し抱えて、現在は自宅待機してもらって、越前国へ行く時に連れて行く事になりましたが、


岸さん夫婦の願いを叶える為には、最低でも岡崎城の財政改善を達成しないといけないので、


昨日、石川殿に言ってた、木綿を着る物以外で銭になる可能性を見せるのですが


木綿を大量に使うなら、やっぱりあれですよね!そう、布団!敷き布団と掛け布団があれば、


その良さを分かってもらえるはず!と、いう事で、今日の土木工事が終わった様ですので


「石川殿。昨日話していた件ですが」


「準備万端ですぞ。夕食の後にお見せ願います」


「はい。楽しみにお待ちください」


で、夕飯食いおわりまして、


「六三郎殿。木綿が大量の銭になる可能性のある物を見せるそうじゃな。見せてくれぬか?」


「はい。しばらくお待ちください」


で、俺が源次郎と花に持って来てもらいまして、


「三郎様!こちらが木綿が大量の銭になる可能性のある、布団と名付けた物です」


「ほう。布団とな。どの様な物か説明を頼む」


「はい。こちら、上下一組で、下の大きい布団が、身体の下に敷く物、敷き布団とでも仮名しておきましよう。


そして、敷き布団に寝た身体の上に、大体の人間の肩から下まで覆われる、掛け布団と仮名した物をかけまして、


そのまま眠りにつく為の物でございます」


「ほう。眠りの為の物と。六三郎殿。この布団とやら、木綿が何処に使われておるのじゃ?」


「敷き布団と掛け布団の両方でございます」


「な、なんと。量は大丈夫だったのか?」


「そこは、石川殿と話し合いました。それこそ、縦五尺、横三尺くらいの大きさの布に収まる木綿を、頼みまして、そこから石川殿を通じて、岡崎城の女中の方々に


具体的な形に布を縫い合わせながら、中に木綿を詰めました。使い心地が分からぬと値もどれくらい付けて良いか分からないと思いますので、


使っていただけないでしょうか?三郎様以外の方でも構いませぬ」


「儂が。と言いたいところじゃが、石川。試してくれぬか?」


「かしこまりました」


大広間の真ん中に敷かれた布団に石川殿が恐る恐る入る


「おお。思ったよりも暑苦しくないですな」


「此度、試しで作った物は、木綿が少ない夏用ですので。冬用は木綿を増やせば寝る時も寒さに震えず安眠出来るかと」


俺がそこまで言うと、


ぐおー。ぐおー。と石川殿がいびきをかいて深い眠りについていた


それを見た三郎様は、


「六三郎殿。この布団とやら、確かに寝る為の物として素晴らしい事は、石川の様子を見て理解した。


とりあえず石川を起こすから、待ってくれ」


で、三郎丸が石川殿の近くに行き、


「起きんか!!」


と大声で起こす


「は!申し訳ありませぬ。朝の務めが」


石川殿は寝ぼけているから、軽いパニックになっている。でも三郎様から


「石川!まだ夜じゃ!お主が布団を試してから半刻も過ぎておらぬ」


「え!た、確かに。空は暗いですな。眠りに落ちてしまい、申し訳ありませぬ」


「気にするな!むしろ、寝心地がとても良いのだろうと、分かりやすい!。とりあえず、寝る前の場所に戻れ」


「ははっ」


で、石川殿が家臣の列に戻って、プレゼン再開なのですが、


「六三郎殿。この布団を例えば、儂と徳と竹千代と母上の4人分の夏用と冬用を作る場合、どれ程の銭がかかるのじゃ?」


「三郎様。申し訳ありませぬが、現在三河国では、木綿の元である綿花の田畑の面積が小さい為、


4人分を2つずつ作るとなると、一年以上かかります。そうなると、銭がかかり過ぎると思いますので、


今は綿花の田畑を増やす事から始めて、綿花を大量に回収出来てから、布団製作に取り掛かっても良いかと」


「確かに。今は綿花を育てておる者達は少ない。石川!綿花も育てるように、百姓達に触れを出しておけ」


「殿。今は綿花の為の田畑に適した土を作ることも含めて六三郎殿と治水工事をやっております。それが終わってからでないと」


「そうか。中々、良き頃合いに巡り会わないものじゃな。仕方ない。治水工事が終わったらか。六三郎殿。


色々無理を言ってしまう形になるが、治水工事を進ませながら、綿花の田畑を増やすにはどうしたら良いかのう」


いや、三郎様?年内には、乙川の下流も治水工事が終わるんだから、少し待っても。と思ったけど、


三郎様が財政改善したい理由のひとつが、自分の子供の竹千代様だけでなく、家臣の皆さんの子供にも貧しい思いをさせたくない。だったから、


急いでいるんだろうな。それなら、提案してみるか


「三郎様。綿花の田畑を増やす事に関しまして、あくまで提案なのですが」


「なにかきっかけになるくらいでも良い。話してくれ」


「はい。思い切って、松平家の皆様でも綿花を育て、回収しては如何でしょうか?」


「「「「え!?」」」」


いや、皆さん。そんな驚く事ですか?人にやらせるより、自分達で栽培と育成と回収をやった方が早いと思いますよ?


俺の発言後、皆さん色々考えてますが、徳姫様が、


「三郎様。六三郎殿の領地を思い返してくださいませ。雨の日の訓練用で屋内鍛錬場を作ったり、


訓練用の坂道を整えたりと、自らも家臣と共に色々やっているからこそ、領地の開拓も早いのだと思います」


「徳。うむ、確かに徳の言うとおりじゃ。よし、決めたぞ!石川!」


「ははっ!」


「我々松平家も、綿花を育てよう!岡崎城から近い土地で、大量の綿花を育てられる広さがあれば、そこで


綿花を育てて、百姓達の分と合わせて布団を作り、畿内を中心に売り込む事としよう」


「ははっ!」


「石川だけではない!皆の力も必要じゃ!」


「「「ははっ!」」」


案外早く決まったな。後は、冬の節約方法も教えてみるか


「あの、三郎様」


「六三郎殿。何か良き案でもあるのか?」


「案は案でも、拙者が領地でやっております節約方法なのですが」


「銭を抑える方法か!是非とも聞きたい!」


「では、これから来る冬の暖を取る為の薪の節約として、拙者の領地では、竹を薪の代わりに竹炭として使っております。竹は成長も早いので、山肌か見えるくらい、


乱獲しなければ、山崩れも起きないでしょうし、その竹炭を自分達で作れば、職人への手間賃も抑えられるかと」


「おおお!確かに!薪の使用量もこれから増える!それを抑えなければ、税収が増えても儲けが少ない!


六三郎殿!感謝致す!銭を増やす事を最優先に考えておったが、抑える事もやらなければならぬ。


うむ!まだまだやる事は多い!だが、百姓達に重税を課さずに銭を増やせば、竹千代が将来家督を継いだ時、


苦しむ事も無いはずじゃ!ふっふっふ。明日からやる事が増えたが、とても楽しみじゃ!」


三郎様の目が悪だくみを一切考えてない、真っ直ぐな目だったので、ホッとしたと同時に、更に働かされるんだろうな。

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