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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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国の土台は人。人の土台は食。

この作品はフィクションです。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください。

村の名前は適当につけた名前ですので、史実と違うぞ!と思う人も居るかもしれませんが、ご了承ください。

元亀二年(1571年)一月二十日

美濃国 柴田家所領の美濃加茂村


皆様どうも吉六郎です。五日程かけて村の人達に挨拶も兼ねて周辺の状況を確認に行ったら土下座付きで


「もう米は有りませぬ。お許しを」と命乞いと同時に挨拶をされました。何とか落ち着かせて話を聞いたら、


織田家と前の美濃国の国主だった斎藤家の戦で負けた斎藤家の残党で信濃国や遠江国に逃げた奴らや、甲斐国の武田家を頼った奴ら、


更には山賊の奴らが時々襲撃しては、この村の食糧を奪っていった様です。その事を親父に話したら、「お主ならどうする?」とまさかの逆質問です。


まあ単純に考えるなら「余っている米を分け与える」なんだけど、それをしたら我が家の人間が食糧不足に陥るしなー、かと言って何もしない無策のままだと、領民が一揆を起こすかもしれない。何かあるかなぁ?


俺が悩んでいると親父は「儂は二日後に殿の居城の岐阜城へ行く。それまでに出来る限り領民を救う方法を考えよ」と言って大広間から出て行った。おい親父よ、俺はまだ実質六歳なんだからヒントくらいくれても良いのでは?どうしよう。先ずは家臣の皆に聞いてみるか。


と言う事で、最初は親父に長く仕えている吉田のおっちゃんに聞いてみたら「分かりませぬ」と即答されたよ。おっちゃん曰く「米を微量ずつ分け与える以外思い浮かびませぬ」との事だ。他の家臣の皆さんも同じ答えばっかり。これは台所を見てるつるさん達にも聞いてみよう。


で、つるさん達に聞いてみたら、「美濃でも尾張に居た時の様に猪や鹿を退治して、半分ずつにしたら良いのでは?」と言われました。


これは良い考え!と思ったけど、それは尾張が平和になってある程度年月が経過していたから出来た事なんだよなあ。どうしようか本気で悩む。「織田家と柴田家の評判を落とさないで領民を助ける」事は出来ない筈は無いんだよ!考えろ!!


その日の夜、吉六郎が眠りについた後、勝家は吉田から話を聞いていた


「ほう。吉六郎は皆に意見を聞きながら、どうするかを考えておると」


「はっ。ですが若様は領民には戦以外で苦しい思いをして欲しくない様で、その点で苦慮しておりました」


「あ奴には、少々無理を言ったかもしれぬが、来年か再来年には岐阜城に小姓として入るのだから、これを解決する策を出して欲しいものよ」


「殿。失礼ながら、発言の割にお顔が嬉しそうですぞ?まるで若様がこの事を絶対解決出来ると思っている様なお顔に見えますが」


「これ!まあ良い。あ奴は儂と違って正道なやり方以外も考える。それで領民の心を掴んでくれたなら、と考えると少しばかり顔も綻ぶものよ。


それがひいては織田家の天下統一に近づくのだからな。あ奴が策を考えたなら、補佐を頼むぞ?」


「若様は大変かもしれませぬが、我々家臣一同、補佐に励む所存にございます」


「うむ」


こうして吉六郎の知らぬところで父親と譜代の家臣達は盛り上がっていき、無駄に期待値が上がっていた。

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