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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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忍びには忍びを。裏切者には天誅を。

「貴様ら!まさか裏切るつもりか?」


「そうじゃが?そもそも、足軽風情が伝令の使い走りをしただけで、武功を挙げたつもりか?笑わせるな」


「儂の事はどう思おうとも構わないが、何故、出奔先が武田なのじゃ!!」


「ふっ!そんな事は決まっておるではないか!」


「何がじゃ!」


「岡崎城から援軍が来たとしても、武田には間違いなく負ける!それならば、徳川に仕えるよりも、武田に仕えた方が生き長らえるものよ」


「殿から受けた恩を忘れた裏切者ともめ!」


「何とでも喚け!それに、こちらは武芸に覚えのある六人に対し、御主一人で何が出来る?走る事と泳ぐ事しか出来ぬ半端者が!」


「おのれ〜!」


強右衛門が近くにあった木の枝を構える!


「はっはっは!刀や槍ではなく、木の枝で戦うとは。やはりお主は武士として半端者よ。今から叩き切ってくれる!皆、一気に行くぞ!」


「「「「「そりゃあ!!!!!」」」」」


5人かわ強右衛門に向かって来た、その時


「殺させはせん!」


何処からともなく声が聞こえて、強右衛門が驚いた一瞬の出来事だった。


裏切者達は5人中4人が死んでいた。残り1人になると、武田の忍びが加勢に走ろうとしたが、


「行かせはせんぞ!久しぶりじゃな!武田の忍びよ!」


「貴様!徳川の忍びの服部半蔵か!」


声の主は徳川家の忍び達の頭領の服部半蔵だった。正体に気づいた強右衛門は


「は、服部様?徳川家の重臣が、何故長篠城へ既に居るのですか?」


「話は後じゃ!武田の忍びは儂が抑える!鳥居殿は、裏切者に天誅を!」


そう思って半蔵は、武田の忍びに向き合う。すると、武田の忍びは


「最早、その裏切者に用は無い。好きにしろ」


そう言いながら、その場から姿を消した


それを見ていた裏切者は、


「そ、そんな!おのれ〜!こうなったら、貴様だけでも殺してやる!」


強右衛門に向かって来た。強右衛門は一太刀目を避ける。勢いあまって裏切者は篝火を切りつける


「おのれ〜!ちょこまかと!」


裏切者は火の粉が着物にかかったが、気にせず強右衛門に突っ込む!避けられる場所が無い強右衛門は万事休すと思ったが、


「させぬ!」


半蔵が裏切者を転ばせる。


「おのれ〜!」


それでも裏切者は立ち上がろとした。その瞬間


ドーン!!!


着物の中の簡易ダイナマイトに着火し、大きな爆発音と共に、裏切者の身体が爆発四散した。


強右衛門と半蔵は家臣達に守られて、爆破から逃れていた


呆気に取られていた強右衛門だったが、正気に戻り


「は、服部様。助かりました。誠にありがとうございます」


「礼には及ばぬ。殿からの命令で裏切者が出るかもしれぬから鳥居殿の後を追って、城内に潜んでいたら、この様な場に出くわしたら、戦うだけじゃからな」


「大殿が」


「殿だけでなく、織田様も同じ事を仰っていたぞ?立場が下の者が大手柄を挙げた時、裏切者は出るとな」


「織田様まで」


「うむ。しかし、「柴田の神童」改め、「柴田の鬼若子」殿は、凄まじい武器を作り出したな」


「服部様。やはり、この武器は」


「うむ。敵の手に渡っては、徳川家と織田家の双方に甚大な被害が出る!これは秘匿しておかねばな」


半蔵がそこまで言うと、


「強右衛門!無事か!!?」


「今の爆発音は何じゃ?」


「武田が攻めて来たのか!?」


定能や家臣達が集まりだした。全員が到着すると


「こ、これは?強右衛門、何があった?」


定能に聞かれた強右衛門は


「殿。この者達は、例の武器を手土産として、武田に寝返るつもりだったのです。拙者がそれを見つけると、五人が拙者に切り掛かって来たのですが、


大殿の命令で、岡崎城から戻る拙者の後を追ってきた、服部様が裏切者達を討ち取ってくれたのです」


「ま、誠か服部殿?」


「誠ですぞ。奥平美作殿。殿も織田様も、立場が下の者が大手柄を挙げたら、妬みや嫉みで謀反を起こす場合もあれば、裏切る場合もある。その時は鳥居殿の命が真っ先に狙われる可能性が高いと仰っておりましたからな」


「何と」


「とりあえず、我々は姿を隠しながら長篠城を守ります。殿と織田様率いる援軍は、長篠の近くでは大軍を


動かすのに適している設楽原を目指しております。

恐らく、そこが武田との決戦の地になるでしょう」


「確かに。あそこならば、大軍同士が野戦て戦える」


「美作殿。参戦したい気持ちは理解出来ますが、此処は抑えて城の守りに徹してくだされ」


「むう。見透かされておりますな。分かり申した。殿達の勝利を祈って、城の守りに徹しまする」


「忝い!それでは、我々は隠れるので。御免!」


挨拶と同時に半蔵達は姿を消した。残った面々の中で定能は


「皆!殿達の勝利を願って、設楽原へ手を合わせるぞ!」


定能の命令で全員、設楽原の方角へ手を合わせた


一大決戦の時が、刻一刻と近づいて来ていた。

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