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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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命令は好機か否か

天正三年(1575年)三月十日

近江国 長浜城内にて


「よし!!これで、北近江の復興の差配は終わりじゃあ!!長かった!これからは儂の差配で浅井が治めていた頃以上の豊かな領地にして、


ゆくゆくは近江一国を領地として頂戴しようぞ!わっはっはっはっ!」


岐阜城で六三郎が元服をし終えて数日後、秀吉は2ヶ月前に信長から叱責された事を挽回するかの様に、秀長以外の者は近づかない程の気迫で政務に励んでいた


それがやっと形として、北近江十二万石の復興が完了した事で秀吉はいつもの秀吉に戻った。そんな秀吉に、秀長が声をかける


「兄上。復興の差配を終えた事、おめでとうございます」


「おお、小一郎か。皆にいらぬ気を使わせたが、これからは気が楽な状態で役目に励む事になるぞ!ある程度の指針は出来たのじゃ!


しばらくはゆっくりさせてもらう!小一郎、余程の事が無い限り儂への報告は、お主がまとめておけ!」


秀吉はそう言うと、畳に大の字で寝転んだ。その顔には疲労が見えていたが、達成感も滲み出ていた。


そんな秀吉に秀長から


「兄上。残念ながらゆっくりする暇は無さそうですぞ?大殿からの文が届いております」


「なんじゃと!!早くお役目を果たさなければならぬではないか!寄越せ!」


秀長から文を引ったくる様に受け取った秀吉は、1人で読み出した。しばらくして読み終えると、


「小一郎!久方ぶりに多くの人を使う様に殿からの命令じゃ!」


「一体どの様な命令が?」


「それは皆を集めてからじゃ!大広間に集まる様に伝えよ!」


こうして、秀吉は家臣に集合命令を出した


同日夜

長浜城 大広間にて


「殿。集められる全員は揃いました。そろそろ」


「うむ。さて、皆。この約二年、北近江の復興の為に尽力してくれた事、誠に大義である。復興を終えて、しばらく休めると思ったかもしれぬが、そうは行かぬ。


岐阜城の殿から命令を書いた文が届けられた。その内容を今から読み上げる。よく聞け


「復興の差配が順調であるそうじゃな。誠に働き者なお主には頭が下がる。そんなお主や家臣達に二つの命令じゃ。


この二つは同時にこなす事は難しいであろうから、一つ目をこなしてから二つ目に取り組んでも構わない。


それでは一つ目じゃが、お主の領地である北近江において浅井の残党を探せ!そして、浅井の残党が居ないと分かった時点で、儂に報告の文を届けよ!


北近江が問題無いと判明したら、お主の軍勢には、ある所へ与力として出陣してもらう。先ずは、北近江の安全を確認せよ。与力として出陣した戦の結果次第では、領地も増やしてやる」


これが、殿からの命令じゃ」


「殿。これは中々に過酷な命令ですな。北近江十二万石で浅井の残党探しを終えたら出陣とは」


「確かに過酷じゃ。だがな、浅井の残党探しを終えたらすぐ出陣じゃ。しかし戦の結果次第では領地を増やすお墨付きも有る。それならば、やる気も出るというものじゃ!


皆!明日より浅井の残党探しじゃ!一日でも早く終えて、戦に出陣じゃあ!!」


「「「「おお」」」」


こうして、信長から2段階仕立ての命令を受けた秀吉は、更なる領地獲得の為に疲れた身体ながら、やる気を漲らせていた

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― 新着の感想 ―
一週間程で最新エピソード167まで読ませて頂きました。六三郎の今後が凄く気になります、また柴田家そして織田家がこの先どうなっていくかも楽しみです。 作者様寒の内ですので暖かくしてお過ごしください。
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