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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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157/622

事前連絡の文を出したら

天正三年(1575年)二月十日

美濃国 岐阜城内にて


「ふむ。権六と十兵衛の両者共、半助からの出陣要請が無い為に、京の警護をするだけと。それだけでなく物見から受けた報告によると「凡戦だらけ」との事じゃ。


半助め。儂を舐めておるとしか思えぬ!せっかく三方ヶ原で挙げられなかった武功を挙げる機会を与えたというのに!これは、儂が自ら動かねばならぬか」


信長は呆れながら勝家からの文を読むと、側にいた森蘭丸に渡した


「のう。お蘭」


「なんでしょうか?」


「半助かこのままだと、各地の一向一揆は調子づいてしまうだろうと儂は思うのじゃが、やはり大将を佐久間以外の者に変えてから攻撃した方が良いか?


東には武田もいる。どちらかに全軍をぶつけた場合、もう一方から攻められる可能性を考えると直ぐには決断出来ぬ。浅井と朝倉を滅ぼしたから少しばかり余裕が出来たとはいえ、石山を陥せぬとなると」


「殿。大将を変えるにしても、控えている柴田様と明智様の両方の軍勢を足しても佐久間様の軍勢と大差ありませぬし、他の人を行かせるにしても」


「この状況を打破出来る知恵者か、精強な兵を従えている武辺者で尚且つ多くの兵を従えてないと。か。


前者では猿が当てはまるが、あ奴は動かせぬ。後者だと死んでしまったが三左が当てはまっておる。


しかし、まだ経験の少ない勝蔵に親父の三左の様な働きは求められぬ。う〜む」


「殿。拙者の亡き父上や、兄上の事を考えていただきありがたいのですが、このままでは堂々巡りになります。しばし、別の事を考えてみてはどうでしょうか?」


「そうか。何か良い策が生まれるかもしれぬなら、それも良いな」


信長が少し気が楽になったタイミングで


「失礼します。柴田家嫡男の吉六郎殿からの文でございます」


「ほう。吉六郎め、今度は何を権六に伝えて欲しいのじゃ?お蘭、読め!」


「は、ははっ。では「殿へ。前年に拙者が希望した元服の儀を行なう日付が近づいているので、文が届いてから二十日後を目処に岐阜城に到着出来る様に出立したいと思い、文を出しました


元服の儀に関しまして、殿にお願いがございます。父上が元服の場に居るのは当然として、拙者の最初の家臣であり、道乃と三吉の祖父でもある利兵衛を同席させる事をお許しいただけないでしょうか?


三吉と道乃を保護した時から、拙者の知らない事を教えたり、新しく召し抱えた者達の面倒を見たりと、拙者が出来ない事をやっており、その感謝として元服の姿を見せてやりたいと思った次第にございます。なので、どうかお許しを」との内容です」


「吉六郎め。利兵衛が傅役を担っていると思っておらぬ様じゃが、利兵衛の働きの褒美に元服の姿を見せてやりたいとは。中々に殊勝な心構えじゃな。よかろう!利兵衛の同席を許可する!お蘭、吉六郎へ書く文にその旨をしっかりと書いておけ!」


「ははっ。では、早速」


「いや、待て」


「殿?」


「お蘭!追加で先程まで儂が悩んでおった事、そうじゃな、明確に書かずに「東西を挟まれている時、お主ならどうするか考えて来い」と書いておけ。


神童がどの様な答えを出すかのう。楽しみじゃ」

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