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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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帰還と新しい家臣の紹介

天正二年(1574年)十二月二十日

美濃国 某所にて


「さて。屋敷まであと少しじゃ。皆、歩けるか?」


「「「「はい!」」」」


皆さんこんにちは。家臣希望の子供とその家族と、柴田家に就職希望の未亡人を連れて屋敷に帰宅中の柴田吉六郎です。行きより日数が多いのは、人数が増えたからという事にしましょう。


ただ、このペースなので共の脳筋トリオはかなり気を遣っているんでしょう。流石に行きのペースではねえ。


で、歩いていると屋敷に着きました


「皆!戻ったぞ!」


「若様!お帰りなさいませ!源次郎!銀次郎!新左衛門!若様に怪我などさせておらぬよな!?」


「若様を見たら分かるではないか!」


「若様の何処が怪我をしておる?」


「お主こそ怠けていたのではないのか?」


「何を!」


うちの赤備え達のいつものやり取りなので俺は慣れてるけど、後ろの4人のうち、智さん家族は軽くびびってますね。まあ、初見の人の正しい反応です。


ただ、伊都さんは笑っていました


「伊都殿?」


「すいません。昔、夜叉丸と市松が同じ様なやり取りをしていたのを思い出しまして。おもわず」


そんな伊都さんを見た後に智さん家族に気づいた様で


「若様。こちらの方々は」


「うむ。儂の家臣になりたいと希望した子供と、その家族。そして、柴田家でどうしても働きたいと希望してきた、ある織田家重臣に仕える家臣の母君じゃ。詳しい説明はおいおいする」


で、屋敷に入りました。そして、利兵衛に事情を説明すると


「若様は拙者も含めて、事情のある人間を拾ってきますな。まあ、小吉とその父の弥助が文官として働ける様になれば将来的に、領地が大きくなった時の負担は減るでしょうし、人を育てていけるでしょうな」


「利兵衛。小吉は勿論じゃが、弥助も鍛えてやってくれ。弥助は料理も作れるが文官としても働ける様になれば、「元々百姓のくせに」と馬鹿にする者よりも働いているから、実績で黙らせる事が出来るしな」


「それは構いませんが、伊都殿に関しては」


「つる殿と同じく台所で働きながら、古茶殿の相手をしてもらう。現状、うちで子育て経験のある数少ない者だからな」


「それならば、周囲からの反感も無いでしょうな。では、そろそろ皆にお披露目としますか」


「一応、水野様と古茶殿にもお披露目に来ていただこう。新しい顔は知ってもらいたいしな」


と、いうことで、大広間に呼べる人全員集合です


「皆、集まった様じゃな。水野様と古茶殿も来ていただき忝い。今日は新たに儂の家臣になりたいと希望した者達を紹介する。先ず、先頭に居る子が小吉、そして小吉の後ろに控えておるのが、弥助と智殿。小吉の両親じゃ。その小吉家族の後ろに控えるのが加藤伊都殿じゃ。


さて、改めて話すが。先ず小吉家族じゃが、母の智殿は、父上と同じく織田家の重臣である羽柴様の姉じゃ。皆も知っていると思うが、羽柴様は百姓から武士になり、出世に出世を重ねて今の地位まで登ったお人。


本来なら小吉は、叔父の羽柴様に仕えたら良いはずなのじゃが、智殿。儂に仕えた方が良いと思った理由を教えてくれぬか?小吉の希望だけではあるまい」


「はい。と言っても、吉六郎様に出会った中村の地で言った「長男の治兵衛を藤吉郎の出世の為に奪われた」が発端です。次男の小吉まで奪われてしまうかもしれないと思うと、吉六郎様の家臣にしていただけたら、そんな事は起きないと思ったからこそです」


「それが理由でも儂みたいな小童に仕える事を決めてくれた事、感謝する。さて、赤備えの皆に言っておくが、小吉は儂より4歳も下じゃ。先ずは文字の読み書きから始めて、やがて水野様の教えを受けられる様にする。


お主達と同じ訓練が出来る様になるのは、早くても10年後じゃ。今は身体よりも頭を鍛える。お主達もうかうかしていると、頭の良さで小吉に抜かれてしまうぞ」


「若様。我々二人を見据えて言うのはやめてくだされ」


「我々も少しずつですが、水野様の教えは理解しております。多分」


「と、言っておりますが水野様?」



「銀次郎と新左衛門は、当初よりマシになったとはいえ」


「「み、水野様?」」


「「「わっはっはっ!」」」


二人が軽くいじられた事で、少し空気が和んだ。さあ、仕切り直しだ


「さて、話を戻すが。小吉家族で父の弥助は基本的に文官として働いてもらう、戦場以外の部分での働きを期待しておるから、少しずつ出来る事を増やしてくれ」


「はい」


「うむ。では、加藤伊都殿を紹介しよう。こちらの伊都殿は、先程話していた羽柴様に仕える加藤夜叉丸殿、今は元服して加藤虎之助殿か。その虎之助殿の母君じゃ。夫、つまり虎之助殿の父君が亡くなられて以降、羽柴様に虎之助殿を小姓として託してからは一人で暮らしていたそうじゃが、


昨年、羽柴様が近江国に領地を持ち、新しい城を作って、虎之助殿がそこに城詰めをしていても、何も立場か無い状態では息子と言えど簡単に会えないと思い、


智殿家族が儂に仕える事を聞いて、同じく儂に仕えたら虎之助殿に会える可能性があると思い、儂に頼みこんできたのじゃ」


「私の無理難題を聞いていただき、ありがとうございます」


「ふっふっふ。父上が尾張国で領地を持っていた時に虎之助殿に会って共に猪退治をしたことがあるが、伊都殿に負けず劣らず、こうと決めたら一直線な人であったな。羽柴様に託す前から、伊都殿の養育が良いからなのだろうな」


「勿体なきお言葉にございます」


「とりあえず、伊都殿は智殿と同じ様に、台所で料理を作ったり、屋敷内の清掃だったりをしてくれ。そして、こちらにいる古茶殿に子育ての先達として、色々話をしてくれ」


「「はい」」


「よし!紹介はこれまで!これからは、四人を歓迎する宴じゃ!酒もいつもより多く出そうではないか」


「「「うおおお!」」」


酒を飲める年齢の家臣達がテンション爆上げで喜んでおります。まあ、少しずつ仲良くなってくれ。


親父や殿にこの事を伝える文を書くのは明日だ。

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