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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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目的地に到着

天正二年(1574年)十一月二十七日

尾張国 上社村にて


「此処が若様が生まれ育った土地ですか!」


「現在の領地と雰囲気が似ておりますな」


「百姓の身体つきが甲斐国と明らかに違いますな」


皆様おはようございます。美濃国の屋敷を出発して、半月程で目的地の織田三十郎様の領地に入りました柴田吉六郎です


まあ、元は柴田家の領地だったんだけど、殿の政治的判断で三十郎様に任せたのが、3年前か。あっという間に感じるよ


で、三十郎様の屋敷に向かう道中、


「あの〜、そこのお侍様」


後ろから声が聞こえた。振り返ると


「やっぱり!若様だ!皆、柴田家の若様が、吉六郎様だよ!」


「本当じゃ!」


「若様じゃ!」


「この土地を離れて三年、ご立派になられましたな」


「若様の成長を見られるとは。生きていて良かった」


知ってる人があっという間に集まった。そして、


「若様。お久しぶりにございます」


「吾作爺!歳を重ねた事以外は昔と変わらない様じゃな」


「はっはっは。若様の仰る通り、歳以外、腰も曲がらず生きております。これもひとえに、領主様が柴田家から織田家の三十郎様に変わっても鹿や猪を食べる事を


お許しいただいているからこそ、儂みたいな年寄りも、幼子や乳飲子も、腹が減って苦しく動けない。


という事が無いのです。それに、若様が教えてくださった、「米が大量に実る為には土に滋養が無いといかん」も、村のそれぞれの家で実践しております


それを三十郎様もお許ししてくださっているからこそ、今も無事に生きております」


「そうか。三十郎様は、お優しい方の様じゃな」


俺が吾作爺と話していると、


「若様は昔から、領民の事を最優先に考えて生きていたのですね」


「まさに神童と呼ばれるに相応しい」


「儂の生まれ故郷も若様やお話に出た三十郎様の様な方が領主だったら、人並みな暮らしを出来たかもしれぬのに」


3人がそれぞれ泣いていました。確かにこの時代、甲斐国から東の地域は、治水工事を上手くやれる領主じゃないと、


水不足から米が不作になって、不作を補う為に他の作物やなけなしの銭も取られて、最期は人身売買か間引きか、一家離散の未来しかないか


「源次郎、銀次郎、新左衛門!思うところはあると思うが、儂が父上からそれなりの大きさの領地を貰い受けたら、お主達に多少の差配を任せるだろうから、


そうなった時に、何も出来ない領主にならない様に、水野様や利兵衛から、より多くの事を学べ!勿論、儂も共に学ぶ!」


「「「ははっ」」」


「それでは吾作爺。儂らは三十郎様に用事があって来たのじゃ。そろそろ参る」


「それはそれは、お時間を取らせて申し訳ありませぬ。それでは、お気をつけて」


そこで、俺達は再び歩きだした。そして、しばらくすると


「ここじゃろう」


田んぼの多い地域には不相応な大きい屋敷の前に到着しました。門番も居るので確定でしょう。で、その門番さんから


「何用じゃ!?」


と、止められました。なので


「家臣の嫁が、織田三十郎様より路銀を借りたとの事なので、お返しに参りました。織田家家臣柴田家嫡男の柴田吉六郎と、その家臣達です」


「誠か?しばし待たれよ!」


で、しばらく待たされていると、


「おお!思ったより早く到着したな!来るのを楽しみにしておったぞ!柴田の神童よ」


なんだかテンション高めのイケオジが出てきた。確定なんだろうけど、一応聞いてみよう


「あの、すいませんが。お名前は」


「儂が織田三十郎信包じゃ!お主とは三年前に一度会ったきりじゃから、忘れているのも仕方ない!


さあ、まずは屋敷に入って、お主のこれまでの話を聞かせてくれ」


と、いう事で、このイケオジが三十郎様でした。お言葉に甘えて屋敷内に入らせてもらうけど、簡単に帰してくれなさそうだな。遅くても十二月の頭に此処を出発する予定でいこう。

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― 新着の感想 ―
変な人ですねえ 行間も字の大きさも自由にブラウザー側でいじれますのに。 あまりお気になさらず、自由にお書きくださいませ。
いつも楽しませていただいています。ありがとうございます。 なぜか時々、平の文章の途中で改行が入っているのですが、何か意味があるのでしょうか?
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