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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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神童の嫁取り条件はややこしい

削除させていただきましたが、別の話の感想で、「ここで勝家が主人公の名前を出すのは不自然だよ!ちゃんと考えて書いてないだろ!」や

「◯◯年に、この戦いは起きてないよ!歴史を調べる事すらしないの?そんな人が歴史小説を書くなよ」と、感想とは思えない文言を書かれました。


改めてですが、全てが完璧な歴史小説をご希望ならば、私の様なエンジョイ勢として楽しんでいる者ではなく、既にコミックか小説として出版社より発売されている作家の作品をお勧めします。

天正二年(1574年)八月二十日

美濃国 岐阜城内にて


「織田弾正忠様におかれましては」


「固い挨拶は良い。目的の話し合いをしようではないか。使者の本多殿と、二郎三郎の小姓の井伊殿」


「「忝のうございます」」


吉六郎の報・連・相から数日後、岐阜城に家康の代理の使者として本多重次と井伊直政が来ていた


家康から事前に「武田対策の為、自分は動けないので、代理を送ります。申し訳ない」


と、文が送られていたが、信長は家康の状況を知っているからこそ、咎めるつもりは無い。


そんな比較的穏やかな空気の中、話し合いは始まった。参加者は、織田家側は信長と勝家、徳川家側は代理の2人である


「さて、改めてじゃが、本多殿と井伊殿。二人から見て、吉六郎はどの様な童に見えたか、教えてくれぬか?」


「では、拙者から。拙者のこれまで見て来た武士の嫡男で、あれ程の若者は初めてにございます」


「どの様な事があったのじゃ?」


「はっ。先ず、柴田殿の領地に滞在の挨拶に行った際、門まで来て出迎えて、大広間に案内したと思ったら於大様を即座に上座に行かせた事、そして、我々家臣にも侍女達にも丁寧に挨拶をした事。他には」


「作左様。それだけではありませぬ。古茶様のお手を取って、「あなたの産んだ双子は徳川家の宝なのです」と言った事を含めて、古茶様が安心して過ごせる様に、色々と差配した事、とにかく全ての事で、


誠に元服前の童か?と疑う程にございます」


2人の話を聞いた信長は


(相変わらず働いて働きまくった結果、人に好かれる様じゃな吉六郎は。まあ、権六が四十半ばで出来た事を考えたら、甘やかされて我儘に育っていても仕方ないのにも関わらず、あの出来じゃからな)


そんな事を考えていたが、勝家から


「殿。宜しいでしょうか?」


「何じゃ権六?倅が褒められておるのだから、変な事は無かろう?」


「いえ。あ奴の事なので、褒められる事をすると同時に余計な事までして、徳川家の皆様にご迷惑をおかけしているだろうと思いまして。お二人とも、倅は余計な事をしておりませんでしたか?正直に話してくだされ」


「いえいえ。柴田殿の心配なさる事は一切ありませなんだ」


「ま、誠でござるか?」


「ええ。だからこそ、於大様も孫娘の於古都様を吉六郎殿の嫁に。との古茶様の希望を吉六郎殿に伝えたのです」


「その事じゃが、本多殿と井伊殿。訳ありとは言え、於古都殿は徳川家の姫君じゃ。もしこれで、吉六郎に嫁がせた場合、徳川家中は紛糾するのではないか?」


「弾正忠様の仰る通り、殿はその可能性を危惧しております。ですが、殿曰く「元服前の子に武功を挙げてから娘を貰いに来いと言うわけにもいかない。


だからこそ、吉六郎殿が戦以外で徳川家の為に働いてもらって、その働きへの褒美で於古都様を嫁に出せば、家臣も納得するだろう」との考えでございます」


「確かにそれも良い考えではあるか。だがな、その吉六郎はもう元服をさせろ!と儂や親父の権六に伝えておるのだが、徳川家にその話は伝わっておらぬのか?」


「今、知りました」


「同じく」


「殿。やはり倅が元服を急ぐのは、この事も関係あるのでは?」


「ううむ。その可能性は高い。領地に滞在していた二人共知らないとなると、吉六郎なりにこのままでは良くないと考えたのじゃろうな」


「殿。如何なさいますか?」


「確かにこのままだと、徳川家中で一悶着起こるのは必定。かと言って織田家だけの戦で武功を挙げても、そもそも歳のせいで元服している訳が無いと信じてもらえぬ。ううむ。権六!お主の倅の事じゃ!お主も何か思いついたなら申してみよ」


「拙者の提案で役立つなら。殿、倅からの「元服させろ」とあった文の中に倅の予想ではありますが、


「今年か来年に起きるであろう武田との戦」と有りました。その戦を織田家と徳川家の連合軍で戦って、徳川家の方々の目の前で武功を挙げさせたら、納得していただけるかと」


「ふむ。確かに目の前の武功にとやかく言う者は居らぬはず。しかし権六よ。その案だと、吉六郎を前線に行かせる事になるぞ?良いのか?」


「確かに親としては不安ですが、あ奴は悪知恵が働きます。きっと戦場でも上手く動いてくれるでしょう」


「権六。戦になったらお主の側に配置しておく。何かあったら助けてやれ」


「ははっ」


「と、言う事で本多殿、井伊殿。二郎三郎には「吉六郎は武田との戦が起きた時に、徳川家家臣の目の前で武功を挙げさせるから、その時にはよろしく頼む」と伝えてくだされ」


「「ははっ!!」」


こうして、お互いの反対派を黙らせる為の案が出て、家康に報告する形で話し合いは終了した。

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― 新着の感想 ―
前書き部分に関して 「葬送のフリーレン」というファンタジー作品で「ハンバーグが出てきたが、異世界にハンブルグ地方があるわけないやろ」というトンチキな感想が出たことを思い出しました こんな面白い作品につ…
我々は無料で読まさせていただいているわけです。 まさかそのような感想を書く輩がいるとは…。 あまりにも面白く、数日でここまで読み進めてしまいました。 続きも楽しみです!
削除させていただきましたが、別の話の感想で、「ここで勝家が主人公の名前を出すのは不自然だよ!ちゃんと考えて書いてないだろ!」や 「◯◯年に、この戦いは起きてないよ!歴史を調べる事すらしないの?そんな…
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