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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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水野家は訓練に、柴田家は教養に

天正元年(1573年)十月二日

美濃国 柴田家領内にて


「うおおお!」


「次!」


「うおおお!」


「次!」


「若様!我々赤備え全員、走り終えました」


「うむ。本来なら次は四種の動きだが、水野家の方々が苦しみながらも走っておる。


走り終えるまでは、軽くで良いから身体を動かしておけ。休むと後々が辛いからな」


「「ははっ」」


皆さんおはようございます。水野家と柴田家の合同訓練を実施しております柴田吉六郎です


柴田家の面々、まあ赤備えの皆なんですが、やっぱり慣れ親しんだ訓練なだけあって坂道ダッシュをしても平気な様で、


現在ではウォーミングアップにしかならない様です。


一方で水野家の皆さんですが、訓練初日なので、坂道ダッシュは一往復でも良いと俺は思っていたのですが、水野様から


「最初から辛い状況を経験しておけば、後から辛い状況になっても耐えられる。だからこそ、柴田家の面々と同じ内容で構わない」


との事だったのですが


「脚を止めるな!!下り坂では遅くとも、歩いてはならんと事前に言っていたではないか!」


「上り坂で出来る限り全力で走れと言われているのに、何故遅い!」


「柴田家の面々は甲冑を着て走っておったぞ!それでもお主達より早かったではないか!何をしておる」


と、家臣の皆さんが青い顔で死にかけていても関係なしに叱咤激励なのか罵倒なのか、声をかけ続けてます


で、何とか3往復やり終えたのですが、


「ちゃんと両脚で立たんか!まだ最初の一つ目が終わったばかりじゃ!休んでおる暇は無いのだぞ!」


「まあまあ水野様。この訓練は徳川家重臣の本多平八郎様と榊原小平太様も最初は苦しんでおりましたから」


「徳川家の侍大将の二人と、儂の家臣達では戦場における立場が違うから一概には言えぬが、家臣達がこの訓練を簡単に達成出来る様になれば」


そう言う水野様の顔は、何か思い浮かべている様だった。でも、


「さて、全員が坂道を走り終えたが吉六郎殿。次は何をやるのかな?」


直ぐに元に戻りました。なので、


「では、次はいつもやっている動きをやりますが、今日は拙者の家臣達は休みすぎたので、2倍の40回やりますので、水野様の家臣の皆様は我々の半分の20回、動きを真似してください」


「若様。あれを四十回やるんですか?」


「それはあんまりです」


「せめて三十にしてください」


おい、お前らは肉体的に40回くらいなら平気だろ!文句を言うな!


「同じ回数をやるだけでは身体の逞しさを保持するだけになる。回数を増やしてこそ更に逞しくなれるものじゃ!


ずっと同じでは何も変わらぬからこそ、変える為に増やす!さあ、始めよ」


で、始まりましたよ。赤備え達は腕立て伏せ、背筋、腹筋、スクワットを30回までは軽々とやってのけたけど、


「残り10回」


「うおお!う、腕が!」


「久方ぶりに辛い!」


腕立て伏せではこんな感じで、腹筋も


「は、腹が!!」


「千切れる!」


「ぬおお!」


やっぱり辛そうでしたし、背筋も


「ぎゃああ!」


「せ、背中が!」


「た、体勢が保持出来ぬ!」


叫び声だらけでした。最期のスクワットも


「あ、脚に力が入らぬ!」


「う、動かせぬ!」


「こ、これで四十!」


赤備えの皆、40回やり終えたらぶっ倒れました。で、それを見ていた水野様は


「お主達。あの動きを半分だけやるのだから、当然達成出来ると信じておるぞ?」


家臣の皆さんにかなりの圧をかけていました。


で、坂道ダッシュの後なので当然


「う、腕が震える!」


「腹に力が入らん」


「背中が!」


「あ、脚が言う事を聞かぬ!」


うん、皆さんズタボロになりながら、何人か吐きながらも何とか達成しましたね


ただ、今日から午後から水野様の教養の指導が待っているから、皆さん耐えられますかね?これだけ身体が辛いと、絶対寝ると思うんだよねー。


で、その午後からの教養がまさかの座学でした。水野様の家臣の皆さんは多少なりとも心得があるのか、しっかり対応してます


だけど、柴田家の赤備えの皆は全員頭の上に、?マークが見える程、理解出来ない様です。


俺は微妙に親父や利兵衛から教えられていたけど、赤備えの皆は甲斐国では全く教えられてなかったんだろうな


で、今日の座学が終わりまして、


「お、終わった」


「これなら訓練の方がましじゃ」


「教養を学ぶとは、これ程辛いのか」


訓練の時以上に辛い顔してました。


どうやら俺は脳筋軍団を気づかない内に作っていた様です。


文武両道の軍団を作る道はまだまだ遠いです。

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