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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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出立の日の親子

天正元年(1573年)十月一日

美濃国 岐阜城前にて


「では、殿。帰蝶様。我々は出立致します」


「うむ。藤四郎よ、やる事は多いが、お主なら出来ると信頼しておるからな」


「藤四郎。私の大事な甥と姪の事、頼みますよ。それと、権六、そなたも何か言いたいのでしょう。今のうちに言っておきなさい」


「そうじゃぞ権六。遠慮は要らぬ」


「では。水野殿!倅が無茶苦茶な事をして困らせる事が多々あるかもしれぬ。その時は、何も遠慮せずに叱ってくだされ。


そして、倅の家臣達も儂以上に鍛えてくだされ」


「柴田殿。吉六郎殿の無茶苦茶は、賢いが故、領民の為、織田家の為ですから」


「そう言っていただけるのは非常にありがたいのですが、こ奴は本当に」


皆さんおはようございます。現在、領地に戻る挨拶をしている時に、親父から「こいつは無茶苦茶をする奴です」とヤバい奴認定をされています柴田吉六郎です


いや、確かに去年の戦では生きている人間に対して簡易的とはいえ爆弾を投げるとかしたけどさ


普通、我が子を他人に預ける場合、「こいつは引っ込み思案だから〜」とかの、


多少は気にかける言葉があると思うのですが?


まあ、親父は子供には甘い顔はしない人だし仕方ないか。


で、そんな事を考えていると


「吉六郎!早く水野殿達を連れて出立せんか!」


親父から急かされました。で、


「儂が見ておらずとも、水野殿を儂と思って、しっかり学んで更に強くなれ!良いな」


「勿論です。父上が古希になる前に、いえ還暦を迎える前には強くなるつもりですので」


「へらず口が叩けるくらいには、分かっておる様じゃな」


「はっはっは。相変わらず権六と吉六郎の言い合いは面白い。なあ帰蝶」


「ええ。これだけで柴田家が普通の家ではない事が分かります。改めて吉六郎。


三吉にとっては勿論、藤四郎の嫡男の松千代が大きくなった時に慕われる兄になるのですよ?」


「は、はい」


「吉六郎殿。そろそろ」


「水野様、申し訳ありませぬ。それでは」


こうしてバタバタしながらも吉六郎達は領地へ帰って行った。岐阜城へ来る時は、


ほんの10人くらいだったのに、帰る時は400人の大所帯になっていた


吉六郎達が見えなくなると、信長は


「権六。よくぞ耐えたな」


「殿」


「久方ぶりに吉六郎に会えたのだから、もう少し側に居て、近況を聞いたりしたかったのではないか?」


「殿はお見通ししておりましたか、その通りです。領民の為に身銭を切って、かと言ってその穴埋めを重税を領民に課すのではなく、


領内の物を創意工夫で銭を産み出す物に変えるなど、拙者は教えておらぬのに」


「権六。あなたの子はあなたが思う以上に賢い子ですよ」


「帰蝶様」


「権六よ。どれだけの時がかかるが分からぬが、一向宗か武田を一日でも早く屈服させたなら、畿内と東国、どちらかは余裕が出来る。その時は吉六郎に会いに行ってやれ」


「ははっ」


相変わらず愛情表現が不器用な柴田親子だった。

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