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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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刀禰坂の追撃戦〜終戦後〜

この作品はフィクションです。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください、

〜信長本陣〜


「殿!朝倉義景の首を取れず申し訳ありませぬ」


「拙者も申し訳ありませぬ」


朝倉軍への追撃から本陣に戻った信長の前で勝家と秀政が頭を下げていた


「権六も久太郎も良く働いた。配下の足軽達を叱咤激励し、自らも首を取った。此度は義景に幾許かの運があっただけの事。まあ、朝倉の軍勢をかなり削った事で良しとしよう。二人は気にするな。しかし!!」


勝家と秀政を労っていた信長が突然語気を強めた


「犬、猿、十兵衛(明智光秀の事)、他の者達は儂らが朝倉を追いかけた後に追いついたが、お主らは何をしておった?儂は「いつでも出陣出来る様に準備しておけ」と言っておったぞ」


「「「申し訳次第もありませぬ」」」


呼ばれた三人は頭を下げたままの状態で固まっていた


「三人共此度の失態は次の戦で挽回せよ。出来なければ、織田家から放逐される事も覚悟しておけ」


「「「ははっ!!!」」」


「撤退して尾張に戻る!三人は殿を務めよ」


「「「はは」」」


こうして織田•徳川軍は近江からそれぞれの本拠地へ帰って行った。しかし、勝家だけは信長の屋敷に残る様に言われた


「権六よ、吉六郎にすぐに会いたいであろう所、済まぬ」


「いえ、その様な事は」


「そうか。では、本題に入るが。此度の朝倉を追撃した戦じゃが、お主一人の考えでは有るまい。いつもなら戦は常道を行くお主が。誰ぞ家臣と意見でも交わしたか?」


「その事ですが殿。お恥ずかしながら、ご明察のとおり拙者一人の考えでは有りませぬ。その、倅が、吉六郎が拙者に進言して来たのです」


「ほう。吉六郎が。何と進言したのじゃ?」


「はい。倅が夢を見たのですが、その夢の中で織田家が雨の中で敵を追いかけていたそうですが、その中に拙者が居ない事で殿に叱責を受けているから、戦の前後に雨が降った場合、いつでも出陣出来る様に気をつけてくれ!と進言していたのです」


「ほう。見事なまでに此度の戦を予見しておるな。それだけでなく権六の失態も回避しておるな」


「拙者もあの場に雨が降らなければ、童の戯言と捨てていたでしょう。しかし、殿が浅井朝倉をどうするかの軍議を開いた際、雨が降っていたので、倅を信じて朝倉追撃を提案しました」


「権六よ。やはりお主は吉六郎の事を話す時は嬉しそうな顔をしておる。吉六郎が生まれる前、いや、嫁をもらう前の恐ろしい顔をしておった八年前とは別人の様じゃ」


「家臣にも同じ事を言われました。ですが、拙者はこの事を倅に感謝はしていても、伝える事はしませぬ」


「そこは権六の好きにせよ。それと儂から犬達の事で権六に任せたい事がある」


「又左達の事とは?」


「うむ。犬と猿と十兵衛を次の戦までに気持ちを回復させよ。やり方は任せる。あ奴らも大事な家臣。落ち込んだままでは士気に関わる。任せたぞ」


「はは」


「それと最後に権六よ。吉六郎は良い童に育っておるが、嫁の話は未だせぬのか?」


「その事ですが殿、倅はまだ五歳でございます。それに顔が亡き嫁に似ており、一部の者達からは女子に間違えられておりますので、嫁の話は倅が逞しくなってからと考えております」


「そうか。吉六郎が成長して身の丈が権六程大きくなった時が楽しみじゃのう」


「倅の成長を気にしていただいて、有り難き」


「さあ、話は終いじゃ。吉六郎の元へ行ってやれ」


「ははっ。失礼します」


こうして勝家は屋敷に戻っていった


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― 新着の感想 ―
家臣どころか家臣の5歳児の嫁さんまで考えるノッブw 秀頼ができた時の秀吉や家康とはまた違って微笑ましい
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