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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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小麦粉を使うならこれでしょ

天正元年(1573年)七月五日

美濃国 柴田家屋敷内にて


パチパチパチパチ!!


「わ、若様!何やら大きな音が出ておりますが大丈夫ですか?」


「大丈夫じゃ」


皆さんおはようございます。殿が京都から足利義昭を追放した結果、元号が変わった事を最近知りました柴田吉六郎です


俺というイレギュラーのせいで多少の変化は起こっているけど、基本的に史実どおりに進んでるな


このまま何もせずに進んだら、親父は10年後に越前国の北ノ庄城を枕に自害する未来が待っている。その時、嫡男の俺が生きていたら18歳で元服済みだろう。


そんな俺を秀吉が逃すとは思えない。予想出来るのは親父と一緒に自害か、秀吉が恩着せがましく俺だけを生かして、


数年後に史実の佐々成政みたいに統治が難しい土地を与えて「統治に失敗したから切腹しろ!」みたいな難癖をつけて来るかもしれない


そんな事は勘弁願いたいので、秀吉が天下を握らない様にするには、やっぱり織田家の天下が一番良い。その次に何とか生き延びて家康の天下が良い


まあ、これは今すぐにはどうにも出来ないので動向を見ていきましょう


で、今作っている料理ですが、小麦粉があるので天ぷらを作ってます。


もっとも、天ぷらのナンバーワンと言っても過言ではないエビはここにはありません。


なので、源次郎達に回収させた山菜と、今までは素揚げで出してた野鳥の鳥肉をとり天として作っております


いや、家中の皆さんを分からせる為に、猪の肉を味噌漬けのまま焼いた物と、味噌漬けにして更に小麦粉を適量つけてから焼いた物を食べ比べしてもらったんですが


「に、肉汁が溢れてくる!」とか


「いつもより多く食べている様だ」とかの声をもらって


「これで違いが分かったなら、楽しみにしてくれ」


と強引に納得させました


そして、


「出来たぞ!!熱いうちに落ち着いて食え!」


と、山菜の天ぷらととり天を大広間で待ち構えている試食に立候補した赤備えの面々に分けまして


「「「「いただきます!!!!」」」」


の声の後に


サクッ!や


パリッ!の


音が続々と聞こえてきます


「こ、これは美味い!山菜がまったくの別物じゃ!」


「この鳥肉も以前食べた物以上に美味い!」


「若様!これは米と共に食えば箸が止まらないですな」


うん。皆さん素晴らしいリアクションですよ。やっぱり山菜がパリっとしてるなんて、採れたて新鮮でも有り得ないから、


インパクトは抜群だろうし、とり天も調味料次第では味を細かく分けられるし、酒飲みのつまみにももってこいだから


売り上げは期待していいだろう。


「若様。これは主菜として出しても良いですな」


利兵衛が気に入った様だ。でも、今日はあと一品あるんだよ


「うむ。だがな、これだと鳥肉や山菜が取れなかった場合、麦粉だけになってしまうだろ?


だから、麦粉が主役になれる物を、尾張国に居た頃に見た焼物職人を手本にして作ってみた。つる殿!皆、持ってきてくれ!」


俺の指示でつるさん達が汁椀ととろろを乗せた小皿とメイン食材を乗せた御膳を持って来た


「若様。これはどの様な物で、どうやって食すのですか?」


「利兵衛。それは「麺」というものらしい。父上が昔、殿と一緒に京と堺に行った時の話をしていた事を思い出してな。


なんでも、その麺とやらを最初から汁物に浸していたり、自らが食べたい量を浸す等の色々な食べ方があるらしいが、


今回は皆が先程食べた鳥の骨から出た汁を食べやすい味付けにして、麺を自ら浸す形にした。横にある擦った自然薯は好きな時に入れて味を変える物として置いてある


さあ、食べてみてくれ」


「「「「いただきます!!!!」」」」


の声の後


ずるっ!ずるっ!


ずずずずー!


と、現代でもラーメン屋や蕎麦屋で流れる音が聞こえてきます


「おおお!先程食べた物とは違い、あっさりしているが食べ応えがある。それに食べやすい」


「これは、体調が悪い時でも食べられるな」


そんな声が聞こえる中、源次郎が


「若様!擦った自然薯を、この麺とやらに載せて食したら、口の中に新たな味が」


「同じ味ばかりでは飽きるからな。しかし、自然薯以外にも味を変える物を持って来たぞ。


皆、例の物を」


「「はい!!」」


で、つるさん達が「例の物」を持ってきて、座っている源次郎達の前で作業しだしたら


「若様。これは生姜ですか?」


「そうじゃ。擦った生姜を適量、汁椀に入れてから食してみよ。更に味が変わるぞ」


で、皆の元に擦りおろし生姜が届いたので、一人一人汁物で生姜を溶いて、実食です


「おおお!更に美味い!この汁物だけでも美味いのに、この麺と食べると止まらぬ」


「これは冬の寒い時に食べると、とてつもなく美味いじゃろうな」


皆さん満足している様ですね。このうどんに。うどん県。じゃなかった、香川県の皆さんからしたら、「これはうどんじゃない」と言われるかもしれないけど


ここに現在有る食材だと、出汁を取るのは猪か鹿か野鳥の三択になるけど、


猪と鹿は野性味が強すぎて、臭み抜きの為に使う野菜が増えるから経済的な事を考えて


野鳥にしたけど、野鳥の中でも身体の大きい雉とかじゃないとそれなりの量の出汁は取れないから、


皆に頑張って捕獲してもらいましたよ。


だけど、皆の反応を見ると金を稼げそうだな。


でも、まだ小麦粉を使った料理は有るから、後日だな。


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