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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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美味いものは大勢で食えば更に美味い

元亀四年(1573年)六月二十七日

美濃国 柴田家領地某所


「若様!頼まれていた「水車」ってやつ、持って来ました」


「済まないな。ちゃんと礼はするからな」


皆さんおはようございます。柴田家の財政改善の為の道具が届いた事に喜びが出ている柴田吉六郎です


三週間ほど前に、水車を使って小麦粉を作って、その小麦粉を使って色々な食品を作って売り込んで、財政改善の武器にする決断をしたのですが


どうせなら木曽三川のうち、領内を流れる川の水を有効活用しようと思い、水車を複数作らせたんです


勿論、水車を設置する場所には小屋と中に石臼を準備済みです。水車を設置後、各小屋へ麦を投入してから回収です


なので今日は設置だけで終了です


元亀四年(1573年)六月三十日

美濃国 柴田家領地某所


「よし、回収じゃ」


皆さんおはようございます。設置した水車が問題なく動いていると報告を受けて、現場へ到着しました、柴田吉六郎です


到着して直ぐに回収して、また次の水車へ行って回収してを繰り返していって


「これで一通りの量が取れたな。利兵衛、例の物は?」


「こちらに有りますが、これは一体?」


「これは今から作る物のうちの一品専用の道具じゃ」


で、村の広場的な場所で今から料理です。源蔵さんの呼びかけで全員集合させて、


「さて、今から柴田家が織田家を通して、京や堺で売りたい物の試食会を行なう。村の皆の意見を聞きたいから、遠慮せずに食べてくれ。


では、始めるぞ。先ずは麦を石臼でひいた麦粉を水で溶く。そして、山から掘り出した自然薯をすりおろし、水で溶いた麦粉に混ぜ合わせる。


そして、混ぜ合わせた物へ火の通りやすい野菜を入れて混ぜる。


そして、混ぜ合わせ物を熱した鍋の中へ投入する。


ここに蓋をして暫く待つ。


良い頃合いかのう。蓋を取って確認する」


俺が蓋を取ると


「おお!見事な形で膨らみながら焼かれておるな」


「あのままじっくり火をとおしても美味いだろうな」


等の声が聞こえてきますが、


「利兵衛。例の物を」


「どうぞ」


俺は利兵衛から例の物を受け取った。そして


「若様?」


利兵衛の質問と同時に


「そーれ!」


一気に焼いていた物をひっくり返した。分かっている読者の人も居ると思うけど、


俺が作っているのはお好み焼きで、利兵衛から受け取った「例の物」とは、木製のコテだ。


本来なら金属製の方が使いやすいけど、財政改善の為にここは我慢だ。


で、俺がお好み焼きを上手くひっくり返すと


「おあおお!」


「綺麗に回転したぞ」


「形が崩れてない!凄い」


と、皆さん盛り上がってくれました。

焼き上がりに醤油の元になった説のある味噌の上澄みをお好み焼きの上からかけると


ジュ〜


と香ばしい匂いがして食欲を刺激すると


「若様、この匂いは我慢するのが辛いです」


「は、早く食べさせてください」


我慢の限界の声が聞こえてきたので、先ずは先頭に居る子供達へ切り分けましょう


「食べてみてくれ。熱いから気をつけてな」


「はい」


子供達がフーフーしながら口に入れました。どうだ?


「若様!美味しい」


「もっと食べたい」


良いリアクションをしてくれてるけど、大人達はどうかな?


「こんな美味い物、初めて食べました」


「難しい事はなんもしてないはずなのに、とても美味い」


どちらも反応は上々ですね。もっとこだわるなら、生地に出汁とか入れたいけど、鯖節も鰹節も簡単に作れないし届かないこの時代の岐阜県なら、


これでも上出来だろう。もっとも、お好み焼き以外も作るけど、とりあえず今日はここまでだな。


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