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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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避難生活の終了

元亀四年(1573年)五月十五日

美濃国 柴田家屋敷内大広間にて


「岡崎へ戻れるのか?」


「はい。殿の命令により三河国に居る武田の動きを注視していたところ、西へ進まず遠江国との国境に留まっております。


そして、数も減っておりました。その事を殿へ報告すると、岡崎へ若君達を戻して、一ヶ月後をめどに武田を浜松と岡崎の両方から攻撃し殲滅するとの事にございます。


また、その戦にて若君の初陣とする!と、殿は仰っておりました。なので、明後日にはこちらを出立する様にとの事です」


「ついに、ついに!この時が来たか!待ちに待った初陣じゃ!うおおお!!」


皆さんおはようございます。朝から徳川家の使者の服部半蔵さんが来て、信康さんの合戦デビューが決まってからのテンションに軽くひいております柴田吉六郎です


しかし、この時期に岡崎への帰還が決定したという事の理由が「三河国に居る武田が動いてないから」


という事は、家康は「信玄が死んだと見て間違いない」と決断したんだろうな


流石、本来の歴史なら最終的に天下を取る人だよ。情報網が広いし、得た情報の取捨選択も早い。


そんな家康に史実で切腹に追い込まれた信康さんの切腹理由って、推察の1つの「家中の内紛を防ぐ為」が本命っぽいよな。


殿が「勘九郎様と比較してカリスマ性があり過ぎて危険視したから家康に処分させた」は、今では江戸幕府が流した織田信長を悪者に仕立てる説だと、当の本人を見て分かるけど


お坊ちゃん気質なところのせいでカリスマ性が皆無なんだよな。


「吉六郎殿」


考え事をしてたら呼ばれました


「この四ヶ月!誠に世話になった!感謝しかない」


信康さんが頭を下げた


「三郎様!誠にありがたいお言葉です」


「うむ。それとな、儂の初陣と同じくめでたい事が分かった。徳がやや子を授かった!」


「誠でございますか!殿!」


「おめでとうございます!」


「若君!おめでとうございます!これは浜松の殿にも急いでお伝えしないと」


「三郎、徳。間違いないのですね?」


「ひ孫を生きているうちに見られるとは」


うん。信康さんのいきなりの発表に、家臣の皆さんも、服部半蔵も、築山様も、於大様もテンション爆上げだな


「三郎様、徳姫様。おめでとうございます。しかし、その様な大変めでたき事を浜松城の徳川様の前でなく、ここで発表して良いのですか?」


「徳の妊娠はな、吉六郎殿。お主が頑張って開催してくれた集団での見合いの行われた夜の時の子なのじゃ!あの時、家臣達の幸せな雰囲気に当てられて儂と徳も。な。


だから、吉六郎殿にも知って欲しいと思ってな」


「それはお心遣い感謝致します」


なるほど、あの日に盛り上がった結果ですか。おめでたい事なんだけど、祝いの品どうしよっか?とりあえず


「三郎様。徳姫様。誠におめでとうございます。祝いの品を見繕ってお渡ししたいのですが、岡崎への帰還の際に、荷物が増えては到着が遅くなると思われるので、


日を見て、殿を通じて後日お届けしてもよろしいでしょうか?」


「何から何まで済まぬな。吉六郎殿には感謝しかない。儂と家臣達だけでなく、父上の家臣の中でも前線で戦う本多殿と榊原殿まで見事な身体に鍛えあげる訓練を教えてくれるだけでなく


つる殿という年齢を疑う程の美しい女性の美容法を徳と母上だけでなく侍女達にも教えてくれて、その結果、家臣達が幸せになり、儂と徳も子を授かった。誠に感謝しかない!」


そう言って信康さんは俺に頭を下げて、つられる様に他の皆さんも下げました。築山様も於大様も


「三郎様。そして皆様。この様な童に勿体ないお言葉。誠にありがとうございます。


徳姫様のお身体の事を考えたら、一日も早く岡崎へ戻った方が良いと思われますので、出立の御準備を」


「それもそうじゃな。皆、今日と明日の二日で荷物は全てまとめておくように」


「「「ははっ!!!」」」


こうして今日はお開きになった。そして


「吉六郎殿!誠に世話になった!お主やお父上が岡崎に来た時は、ワシ達が世話をするからな」


「吉六郎殿。岐阜城に居る父にもこれから会いますが、何か伝えて欲しい事はありますか?」


え?徳姫様、いきなりそんな事を言われても。そうだな


「では失礼ながら、「武田からの攻撃は半年以上無いのでこちらに残ってくださっている佐久間様と森様の軍勢は、殿の元に戻して良いですか?」と、


「家臣の利兵衛が寂しがっているから、紫乃殿親子をこちらで引き取りに行ってもよいですか?」と、殿にお伝えしていただいてもよろしいでしょうか?」


「分かりました。父に伝えておきます」


「徳。そろそろ」


「はい」


「では吉六郎殿。誠に世話になった!」


そう言って信康さんを先頭に、松平家の皆さんは出発していった。


そして


「では。私達も浜松へ戻りますよ。準備は出来ておりますね?」


「「「ははっ!!!」


「吉六郎殿。世話になりました」


於大様達も帰っていった


「利兵衛。父上が戻るまでに、新たな銭の種を作らねばならないな」


「難しいとは思いますが、何とかなりましょう」


さて、しばらくは平凡な日々・・・だよな?

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