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白昼夢の戯れ

作者: 紗羅

こんなに人を愛するなんて初めてです。もう会えないけど、もしこの小説を読んだら私の事思い出してくれるかな?

⒍月 出逢い



昔  昔の物語

ミツルさんという少年とタカちゃんという少女が出逢いました。

2人はずっと前から、多分人間に生まれ変わる前からずっと離れたりくっついたり輪廻転生を繰り返していました。

いつも変なタイミングで出逢い、ミツルさんを守り抜いてきたけど、現世までは一番最後にミツルさんの仕掛けスイッチが発動し、二人は離れ離れになってしまうというのがいつものパターンだった。このお話は自らの身を滅ぼしながらもミツルさんを愛し抜いた女の記録です。


タカちゃんは、いつも輪廻転生する度にミツルさんを見つけていた。大人のかくれんぼみたいにね。前世のことは思い出せないけど、タカちゃんは一昨年SNSでミツルさんを見つけた。ミツルさんは20年前に有名なバンドをやっていた。話をすると、家もずっと近所だし、通っていた病院もほぼ同じで近くですれ違っていたかもね。再会したような気がした。


7月 東京へ旅行 



ユキヤが探したものは必ず実行しなければ、親失格だ。タカちゃんはずっと大切にしていた。

小学校2年生まで単語でお話ししていた子が自己主張をするようになった。タカちゃんは大喜びした|!ユキヤが探したものはお菓子の某大手会社の大袋の裏の隅にそのお菓子のキャラクターグッズがたくさんある部屋が記載されており、ここに泊まりたいと教えてくれた。実行だ。

予約の電話をしたら、花火大会の日だったらしく少し高いけどそんなの関係ない!窓からスカイツリーと花火が見れる!ラッキー!

ユキヤは耳が過敏だから、花火の音で不安になってしまうかもしれない。電話でホテルの従業員さんに「音は聞こえますか?」と聞くと、「聞こえませんよ。」言われ、タカちゃんは安堵した。

その後ミツルさんにユキヤが懐いていたので、「ご一緒にいかがですか?」と誘ってみると快諾してくれた。2泊3日の旅行だった。ミツルさんの泊まる部屋は別に予約した。だって、キャラクターの部屋は2人部屋なので丁度良かった。だって一緒に隣で眠ると触りたくなって、お互い眠れなくなるから。

三人で東京へ向かう新幹線の中で、ユキヤは携帯型ゲームをして、ミツルさんとタカちゃんは、イヤホンを半分にして、ずっと浜崎あゆみを聞いていた。普段無口なミツルさんがこの曲がいいとか好きな曲を教えてくれて、嬉しかった。隣りにいてくれるだけでも幸せなのに、イヤホンを半分にしてお互い好きなアーティストを聞けるなんて!台風が来るらしいけど、そんなの関係ない。因みにミツルさんは、雨男らしく、学校で行うイベントが全部雨が降っていたみたい。タカちゃんは、ミツルさんに「雨男が台風連れてきた。」と笑った。

1日目はユキヤを赤ちゃんの頃から可愛がってくれた友達と喫茶店に入り、色々と昔話や現状で困っていることを2時間話し続けた。相変わらずユキヤはスマホをいじりだし、ミツルさんは最近ハマっている電子書籍で漫画を読んでいた。2時間話しまくって、その後で東京駅を散策し、ホテルに帰ってお互いに荷物を置き、適当に待ち合わせしたら、ホテルの中に食事をする所がなかった。なので、探検ごっこをしたら、近くに駅ビルがあってそこで食事をすることにした。

食事を終えた後にイチゴミルクの自販機をユキヤが発見してほしがった。ミツルさんも好きな紙パックがあったらしく、ミツルさんは飲まないのと聞くと、ミツルさんは「飲む。」って教えてくれた。

2日目は、ユキヤ初の某テーマパークへ3人で行った。最初は昔からあるミツルさんが好きな曲で、船に乗ってお人形の前を通り、その後到着して、次は何にしようかとミニ会議したら、ジェットコースターに乗りたいとユキヤとミツルさんは言った。タカちゃんは、高所恐怖症なので、ミツルさんに事情を説明して、2人で行ってもらうことにした。そして、2人で2回もジェットコースターに乗ってもらい、ミツルさんとユキヤは大喜びでタカちゃんに怖かったけど、楽しかったと言ってくれた。3日目はミツルさんの体調が悪く、定時の新幹線で帰途に着いた。

それから、ミサヲの店でおちあい、ミサヲの爆弾トークで色々聞かれた。ミツルさんは沈黙してしまった。



8月 破滅の始まり



あれは、そうね。忘れもしない8月18日。タカちゃんは大好きなバンドのLiveに参戦しに行った。Liveが終わり、ミツルさんに「これから帰るね。」とメッセージを送信した。ミサヲから「お店においで」と変なタイミングでメールが来た。いつもミツルさんは、5分以内に返信が来るのに来ない。ミツルさんから連絡が来たのは、ミサオの店に行って、ガソリンと称するビール呑んでいたら、ミツルさんから電話が来たの。電話に出たら、ミツルさんは「タカちゃんごめん。ネタ買って炙ってしまった。」って言われた。ショックだったけど、「私には謝らないで。私に対しては悪いことしていないから。」と伝えた。その後ミサヲの店で落ち合うことになった。

ミツルさんが到着して、「タカちゃんの家に泊まりに行っても良い?」と聞かれて、タカちゃんは「いいよ。」と快諾した。

たかちゃんの家に着くとユキヤがまだ起きていた。3人で話をした。ミツルさんは「しばらく家には帰れないからタカちゃんの家に泊めて。」と言った。ユキヤはずっとお父さんが欲しかったから、大喜びしている様に見えた。

その後いつものお泊りの時の様にユキヤとミツルさんが一緒に入浴し、その後タカちゃんも入浴し、「おやすみ」とユキヤに言った後、悲劇が始まった。

ミツルさんが白く透明なキラキラした粒を一緒に使用してくれとタカちゃんに言ったのだ。

タカちゃんは5回位断ったが、ミツルさんに「俺の気持ちを分かってほしい。」と言われて、落ちた。惚れた弱みを握られた。タカちゃんはミツルさんに「キラキラした粒を使って何がしたいの?」と聞くと、「決めセクがしたい。」と言われた。ミツルさんから誘われたのは初めてだったので、嬉しかった。ミツルさんの抱擁は優しくて、温かくて、それだけで良かった。遅咲きだけれど、タカちゃんは今まで生きてきた中で、一番愛している人と触れ合う幸せを知った。それからずっとお互いの歩んできた人生を話し続けたり、愛し合ったり、タカちゃんは仕事にも行けなくなった。いつまで一緒にいられるか不安だった。今迄お互いが読んだ本や漫画が好きなものがパズルみたいにぴったり合ったのも奇跡だった。

2人はキラキラした粒を常用し、タカちゃんは幻か現実か分からない世界に行った。



9月 もう元には戻れない



一緒に暮らして1か月。白い粒の常用者になってしまったミツルさんとタカちゃん。もう戻れなくなっていた。

タカちゃんは仕事へ行ったり行けなかったり、犯罪者になってしまったから、社長に合わせる顔もない。退職することにした。まだ預貯金があったので、それを粒を買うお金に当てた。タカちゃんは昔吸っていた薬物の方が効くので、粒を吸引してもなかなか決まらなかった。

ユキヤが学校へ行っている間に粒で遊び、夜もほとんど寝ない日もあった。

粒で繋がっている淋しさ。見返りを欲する事はタカちゃんが嫌いな行為だ。初めて会った日からずっと一緒にいられるだけで良いと思っていた。

タカちゃんとミツルさんは

・押し付けない

・束縛しない

等いくつかのルールを作った。タカちゃんはミツルさんの前の彼女の話を聞かされて、もうその話止めて!!と泣いた事もあった。それでもミツルさんは止めてくれない。腹が立って、リビングでタオルケットを巻いて寝たこともあった。

ミツルさんは先の見通しを立てられない人。こんな話聞かされるの嫌と言ったのに、受け入れてくれない。元彼女の話をされる度に2人でいるのに感じる孤独感。タカちゃんは常に1番でいたかった。

タカちゃんは見返りに元彼氏の話を一切しなかった。一緒にいられるのにそんな無駄な話はしたくない。だから、いつもよりいつもより強めにミツルさんの体に身体に手を巻き付けて、お願いだからその話止めてと心の中で訴えた。ミツルさんは何を言っても聞いてくれなかった。タカちゃんの心の中のブロックが壊れ、泣いた。

タカちゃんは年に一回の振り返りをする。来年は元気でいられる様にやりたいことを考える。ミツルさんは目の前のことしか考えられない。先を見据えることができない。人間ってさ、周りにいてくれる人に染まるよね。タカちゃんは常にポジティブでいる振りをしていた。ミツルさんは思い込みが激しく、ネガティブ。でも、話し合いは少しできていたから「まっ、いいか。」でいつも終わる。




  



10月 お互いを確かめ合う


粒で繋がっていてもいい。本当はお互い思いあっていられたらいいな。そんな日が来るといいな。一緒にいられるだけでいい。とタカちゃんは色々我慢していた。

一緒に住んで2か月が経過した頃、ミツルさんが変わった。

ミツルさんからちゅうしてくれたり、腕枕をしてくれたり、本当のカップルがすることをしてくれた。この頃から終幕まで、お互い処方された薬を飲み、浅い眠りについた後、夜中の2時半に同時に目が覚めることがあった。

お互いに「今一緒に目が覚めた?」と確認して、「何回目だろうね?」と笑いあった。これこそ運命だってタカちゃんは思った。

ユキヤもミツルさんに懐いて、2人で男同士の会話をお風呂場でしている。

ユキヤは声が大きい。ミツルさんも難聴で片耳しか聞こえないものだから、会話がリビングにいるタカちゃんに丸聞こえで、ミツルさんは粗相した話、ユキヤは彼女の話をして、2人で「母ちゃんには内緒だよ」って言っているのが笑えた。本物の家族に着実に近づいている。タカちゃんは嬉しかった。そして、嬉しくて泣いた。

一緒に住み始めた2日目お互いの育った家庭環境がどうだったか話をした。タカちゃんはミツルさんに「わたしね、ずっと本物の家庭に憧れていたの。お父さんとお母さんが仲良しで、今日はどうだったとか、こんな面白い事があったんだよ。って3人で会話して3人で笑うの。お金じゃ買えない物をミツルさんは沢山くれているの。凄く感謝している。ありがとう。」と素直に言った。ミツルさんは何と返事をしたのかは覚えていないけどね。

ミツルさんはずっと何かに怯えてる。「大丈夫。私が守るから。」と言っても終幕まで怯えていた。解る。タカちゃんは濃い雲が心の中を占領して、不安で仕方がない事がある。

ミツルさんが、一回バットに入った時タカちゃんは「ミツルさんどうしたの?」と声を掛けた。ミツルさんは「何か解らないモンスターが来て不安で仕方がない。」と言った。頓服と眠剤を介助し、ミツルさんが眠りに着くまで、「大丈夫。わたしがついているから安心して。」と言い続け、浅い眠りに着くまで、くっついて逆にタカちゃんが腕枕をして、右肩をトントンと優しくたたき続けたら、眠りに入った。ミツルさんは覚えていなくて、井戸の奥底にいたらタカちゃんの大丈夫という声が聞こえたらしい。そんなこともあった。たくなかった。だから、いつもより強めにミツルさんの体に腕を巻き付けて、お願いだからその話を止めてと心の中で訴えた。ミツルさんはその後も元彼女の話を止めてくれなかった。タカちゃんの心のブロックが壊れて泣いた。

ミツルさんは覚えていなくて、井戸の奥底にいたらタカちゃんの大丈夫という声が聞こえたらしい。そんなこともあった。だから、いつもより強めにミツルさんの体に腕を巻き付けて、お願いだからその話を止めてと心の中で訴えた。ミツルさんはその後も元彼女の話を止めてくれなかった。タカちゃんの心のブロックが壊れて泣いた。


ミツルさんは覚えていなくて、井戸の奥底にいたらタカちゃんの大丈夫という声が聞こえたらしい。そんなこともあった。だから、いつもより強めにミツルさんの体に腕を巻き付けて、お願いだからその話を止めてと心の中で訴えた。ミツルさんはその後も元彼女の話を止めてくれなかった。タカちゃんの心のブロックが壊れて泣いた。

タカちゃんは年に1回の振り替えを11月にする。来年は元気でいられる様にやりたい事を考える。ミツルさんは目のまえの物しか考えず、先にある事が考えられない。人間って周りにいる人に染まるよね。タカちゃんは常にポジティブでいる振りをしていた。ミツルさんは、思い込みが激しくネガティブ。でも少しは話し合いが出来ていたから、「まっ、いいか」でいつも終わっていた。


11月  何もできない


家族ごっこを開始してから3ヶ月目。

ミツルさんが良い父親役をしてくれたおかげで、だいぶ家族らしくなってきたと思う。

何がなんでもこの状態を維持したくて、タカちゃんは給料の良い派遣での仕事をしていた。まだ

白みがかった粒の塊にミツルさんとタカちゃんは翻弄された。粒が煙を生み出すマジック。Sマジックでミツルさんと繋がれているのではないかとタカちゃんはずっと不安だった。粒がなくなるとミツルさんがいなくなるかもしれないと思うと怖くて仕方がなかった。

粒を購入する代金を捻出するのも厳しくなってきた。

毎日粒で遊んで、過去の話をミツルさんは聞かせてくれた。タカちゃんはミツルさんの話を聞きながら、腕枕してもらいながら、ミツルさんの体に届く範囲にすべてちゅうした。

不安が募り、前みたいに却下されるかもしれないけど、ミツルさんにペアリングが欲しいから一緒に買いに行こうと言うと「良いよ。」と言ってもらえた。嬉しかった。こんな感情は生まれて初めてだった。一方通行でも良いと思える事が、一秒でもくっついていたい、隣にいてくれることが幸せとか、これが本物の愛と思った。初めて触れた。愛おしくて手放したくない。でも、終わりは悲しいかな着実に近づいている。


12月  堕落



相変わらず仕事に行ったり、行けなかったり。ミツルさんとタカちゃんは粒から抜け出せなかった。タカちゃんは時給の良い派遣会社で営業の仕事を始めた。意外と向いていた様で、1日5件から8件案件が取れた。ミツルさんは色々と仕事ができない負い目とかがあるから、仕事の話はあまりできなかった。預貯金もほとんど底を着き、でも仕事はやるしかなかった。

タカちゃんが大黒柱、ユキヤが第二の大黒柱と言い、ミツルさんはお父さん。お金はないけれど本物の家族に負けない。チームワークを組んでいた。タカちゃんは先日購入したペアリングをなでながら、何があってもミツルさんがいると思い、どんな試練も乗り越えられる気がした。そうこうしているうちにクリスマスが来た。毎年恒例のユキヤが好きなローストビーフとフライドポテト等複数のおかずが乗った盛り合わせ、フルーツの盛り合わせとケーキ。3人で食べきれるかな?と思いつつ購入したけど大丈夫だった。タカちゃんは普通の温かい家庭を作ることができた事に感謝の気持ちをユキヤとミツルさんに伝えた。そして、ミツルさんと折半で購入したNゲージをユキヤに渡すと、ユキヤは大喜びだった。



1月  最悪な新年



相変わらずタカちゃんは新年から仕事。毎年恒例のタカちゃんお節もお雑煮も作れなかった。元旦に9時45分から22時半までの無茶苦茶なシフトで、事前に何も聞かされなかったので、休憩時間に帰った。それから1週間と少し休んで就労開始した。相変わらず粒で遊び、仕事へ行き、ミツルさんと昔のアニメを見て、と心労が重なっていた。


2月   ユキヤの誕生日

今月はユキヤの誕生日なのだ。最近はプラレールから値段の高いNゲージにハマっている。またミツルさんとまた折半してレール付きのNゲージをプレゼントした。

ユキヤは大喜びしてくれた。

ふと横を向くとミツルさんもお父さんの顔で愛しさ全開の表情でユキヤを見ていた。そして嬉しい時にする「ユキヤダンス」を見ながら笑っていた。とにかく幸せだった。

3月  タカちゃんの誕生日


一緒に住み始めて7ヶ月。特別なことはせず、ミツルさんも覚えていないみたいだから、タカちゃんから「今日私誕生日だよ。」ってミツルさんに言ったの。そしたらミツルさんは

「お金がないから買ってあげられないけど、いつかバイブを買ってあげるよ。」って言ってくれた。

タカちゃんは「残る物は要らない。ずっと隣にいてくれるだけでいい」と言ってミツルさんに抱き着いた。また、何度目か分からない抱擁とお互いの唇を触れ合いを沢山して、部屋中に愛をばらまいた。


3月  タカちゃんの誕生日


一緒に住み始めて7ヶ月。特別なことはせず、ミツルさんも覚えていないみたいだから、タカちゃんから「今日私誕生日だよ。」ってミツルさんに言ったの。そしたらミツルさんは

「お金がないから買ってあげられないけど、いつかバイブを買ってあげるよ。」って言ってくれた。

タカちゃんは「残る物は要らない。ずっと隣にいてくれるだけでいい」と言ってミツルさんに抱き着いた。また、何度目か分からない抱擁とお互いの唇を触れ合いを沢山して、部屋中に愛をばらまいた。


4月  Last Days 終幕へ


ミツルさんは粒が少なくなるとイライラするようになった。タカちゃんは今までの疲れがたまり、ODをしてしまった。救急車で運ばれ、退院して、帰宅後部屋がゴミ屋敷になっていた。ミツルさんに隣りに来てと言われた。断った。何故か粒を隠すとどんな方法でも探し出すのだ。隠した粒を全てミツルさんが炙り、よれていた。遅かった。「出ていけ。」とタカちゃんは怒鳴った。何日か前にミツルさんの誕生日があって、朝からスポンジを焼いて、今迄で一番良い誕生日にするって楽しかったのに、ミツルさんんは一から焼くケーキを次の日の朝もたべてくれる位喜んでくれたのに。それからミツルさんは、「ナイフを持った女の人が僕のこと刺そうとしているんです。お巡りさん助けてください。」と119に通報していた。その後、ガチのタイマンをはり、駆け付けた警官に暴行罪で現行犯逮捕をされた。タカちゃんも病院に連れて行ってもらい、肋骨を3本折れていた。

その後の取り調べでは入手先のこと、タカちゃんも一緒に炙った事を喋ったらしい。

タカちゃんは、次の日暴行罪の被害届を出しに行くと、検査を受けて逮捕された。

本物の家族になれたと思っていたのは砂の城だったみたい。最後にさらさらと崩れ落ちて風が吹いて全て失ってしまった。

その後忘れもしない6月24日にタカちゃんは釈放された。挨拶をしてスマホを開けると

“あなたとミツルさんは去年の6月24日に友達になりました。”とSNSの通知が来ていた。何となく無意識の中に空を見てみた。雲の上で私とミツルさんが繋がっているような気がして、泣けてきた。これからは現世で関わることはないだろう。来世はあるかどうか分からないけど、また大人のかくれんぼするのかな?

次は何もなくユキヤと3人で本物の家族になりたいね。

ミツルさん。










  










1年弱続いた記録。本物って生きている内に1回しかないと思うの。ミツルさんの事は冷めてしまった。でも本物を体験できると思わなかった。

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