閑話・自分は、普通だとおもってる栗栖のお仕事7
★阿倍野奈都視点
「『モデル事務所リーアン・フレシアのCEOに頼んだけれども・・・、色々心配だわ・・・』」
娘達が可愛いのは理解するけれど、夫は些か娘達を甘やかせ過ぎたせいで、我が儘に育ってしまったことに、些か頭をいためていた。
元々阿倍野家はゼネコン会社だったバブルの頃祖父が、いち速くバブル中に会社を売買して、重機のリース会社を立ち上げたことで、他の大手がバブルが弾けた余波で経営が傾く中。様々な事業を吸収するこが出来たことで、自社を大きくしてきた後を継いだ阿倍野奈都は三代目を立派に経営手腕を見せる女傑である。
夫は婿養子であり、阿倍野奈都が見つけ出した中々の人物で、ややワンマン気質がありながら個人で会社を経営している。
それが当時は、画期的なIT起業家の先駆けであった。
今でこそ珍しくないが、ここまで夫の会社が大きくなるとは思ってもいなかったので驚きであった。
ちょっと娘達に甘い所はあるが、奈都は夫を愛してはいるが、この先を考えると、娘達が嫁いだら大変なことになるのが見えていた。
だから今回は無理を言って、芸能界である噂のある超一流マネージャー栗栖にお願いしたのもその為であった。
(噂ではどんなに問題があったアイドル、モデル、俳優を変えたとか・・・、うちの子達はどうなるかしら)
それが楽しみであり、不安であった。
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栗栖はいつも通り、セレナ姉さんや、知り合いの一流モデルに対するように。モデルを大切に、宝石を磨くように世話をしていた。
まずは、三人の新人モデルが寛げる場所の確保してから僅かな時間を作り、商品として心理的不安、緊張を少しも感じさせないようにして、なおかつやる気を継続させ、さらには闘争神を持たせる炎を心に灯らせる魔法の言葉をゆっくりとかける。
「皆様、早速ですが、足の浮腫をとるため足湯に浸かって下さいね。一応それぞれの好みのアロマを使わせて頂いておりますので」
「ほへ~、流石ですわね」
「ほんと~、凄いねマネージャー」
「気が利くわね~」
これは商品のストレスを多少でも軽減させるため。母や姉のセレナから学んだジャブである。
芸人なら掴み、ちょっとしたギャク程度の気遣いであるが、
栗栖ほどの経験値がない新人モデルにとって大事にされてる感が凄かったりするのだが、姉のセレナ基準が平均な栗栖にとって平常運転なため。
自分の異常性に気が付かない栗栖であった。
母が死に、26年の介護が終わりました~。
昨日、火葬してずっとバタバタしてますし、
高血圧の薬を飲んでるためか、うまく記憶を繋いだり、イメージ力が低下してるため。上手く書けてるかも、少しじしんがありません。