ダンジョン探索、レイドボスと戦ってみた
お昼に鯖のみりん干しを食べてから、夕飯は広島焼きの仕度だけ済ませた。
「あっ、そうだった」
メールで油かすと天かすを買ってくるよう両親に送ったら。直ぐに了解の返信が来た。
「じゃ、キャベツも刻んだしゆっくりゲームでも楽しむかな」
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何時もの宿屋で目を覚ました僕は、ミズリーと鼠仙人泊宅を連れて、『越後&三河屋』のお見世に向かった。
クリス『お待たせ』
セリシア『私たちもつい今さっき来たばかりよ』
サミエル『そうそう、クリス君から貰った水辺セット使ったら。レア相棒が進化したわよ~。あれはなかなか面白そうなシステムよね』
にこやかにチャットを打ち込む。ドワーフ幼女のサミエル姐さんは、よっぽど嬉しかったようだ。
クリス『それは良かったですね。それはそうと午後からどうしますか?』
サミエル『そうね………、宝箱探しも飽きてきたし、せっかく仙人もいるんだから、レイドボスいっとく?』
クリス『僕は構いませんよ』
セリシア『私も構わないわ、私としてもレイドとフィールドダンジョン位は見ときたいしね』
そう意見も決まりイベント12日は、レイドボスに挑む毎になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
沼地のフィールドダンジョンに到着した。
サミエル『へえ~、ダンジョンの中にフィールドダンジョンがあるのはどうかと思ったけど、違和感は無いわね』
セリシア『確かにそうね。それよりも………、これは無いわね』
二人の言いたいことも分かる。何せ見渡す沼地のあっちこっちに、レイドボスが徘徊してるのと。プレイヤーがレイド組んで討伐してるのが見えた。
「おっ、嬢ちゃん達もレイド討伐かい」
クリス達と同じく様子見していたプレイヤーパーティが側にいた。
「俺は翡翠の剣士団団長カガリだ」
「どうも私たちは臨時パーティを組んでるサミエル、セリシア、クリスです」
僕に話しかけていたカガリさんに、幼女なドワーフサミエル姐さんが挨拶した。
「おっ、わりいなお嬢ちゃんじゃないのか」
サミエル姐さんの口調と表情で、年相応ではないと感じたようだ。
「ええ、私とセリシアは単なる趣味と実益のロールなの、そっちのクリス君は見た目とは違い未成年なの」
「なるほど、ゲームならではだな」
無精髭を撫でながらニヤリと愉しげに笑ったカガリさん、
「こうして話したのもなんだ。良かったら一緒にレイド組んでやってみないか?」
「ええ助かるわ」
トントン拍子に話は纏まり、クラン翡翠の剣士団と幾つかの野良パーティでレイドを組むことが決まった。
「じゃ簡単に言うが、沼地に徘徊してるレイドボスはギガントクロコダイルだな」
うわぁ~いまんまかい。
確かに遠く見えるのは、四つ足の巨大なワニであった。
「まだ討伐はされてないが」
特殊攻撃
・ウォーターウェーブ
※範囲魔法、大量の水で押し流す
・デスクローウ
※ある一定のダメージを受けると転がり回る。
基本攻撃である。
・噛みつき
・尻尾の一撃
・踏みつけ
等の攻撃を受けたプレイヤーは、殆どが一撃で瀕死にされてしまうとのこと。
「そっちのクリス君は前衛で構わないかな?」
「あっ、私たちパーティは、仙人がいるからその能力も話もしとくわね」
「ほほ~、セットを集めるとそんな相棒がいるんだな」