水ダンジョン無双はイカの香りで5
今回、初めて僕からレイドを引いて、知り合いにお願いしたが、ここまでめちゃくちゃ順調じゃないかな~。何故かみんな頑張ってくれるし、不思議そうにクリスは首を内心傾げていた。
『クリス君、多分ここは中ボスエリアね』
5階にまであがったらすぐさまサミエルさんからチャットが届く。カガリさんいわく安定の中ボスエリアらしいですよ。
『おし!、イカホモンスターパレードを消せ』
『了解だイカ!』
『前衛は世紀末、鋼、中衛はクリスタル商会、トラトラトラ、後衛イカホ、うちは遊撃にでる。生産クランは後衛に入ってくれ』
『了解でーす』
『ラジャー』
『了解だ~、ヒデブ!』
だいたい問題なく初期の行動が決まって行く、この辺りの振り分けは、流石は新人プレイヤーの互助会だな~と、クリスは変な所を感心していた。
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『クリスタル商会他レイドメンバーが、中ボスエリアに入りました。迎撃を開始します』
ワールドアナウンスじゃなく、レイドパーティーに向けてのもののようなアナウンスが流れた。
「いきなり来る可能性が高い。防御陣形!」
ズザー、ザザ~ン、ズザー。
いきなりフィールドが海に変化されていた。
「ちっ、海系のモンスターだ。海から上がれ」
カガリの叫びは少し遅く。
運良く防御していたメンバーがいたので、プレイヤー側に中ボスの攻撃による。ワンキルは起きなかったが、
「オルカタイプかしかも二匹とか、かなり厄介だな」
そう言いながら煙草に火をつけ紫煙を吐き出す。
こうしたどっしりとした指揮官だと、一時期のレイドパーティーとは言え安心するものである。
「イカホ、あの色物召喚しとけ、娘達には得意な相手だろ、ここの中ボスのエースアタッカーを任せるぜ」
「了解ノシ」
『『『了解イカ!?』』』
『りょ、了解イカ?』
『【召喚】』
何とか前衛がイカホさんの所まで下がって来ていて、生産プレイヤーに回復、武器、防具破損の応急処置をしてもらっていた。
「回復薬のゴールドは誰からもろたらええんや?」
「あっ、こっちに僕はクリスです。こちらが今回のレイドの予算です先渡ししときますので、『余った』『足りない』はイベント後で」
『ブフオオオオオ!?、1500万ゴールドいっ、一括払いとか!、あんた凄いな~』
思わずリーヤが呟いてしまったため、プレイヤー全員に聞こえてしまっていた。
「たとえゲームでもなーんも気にせず精一杯遊べたら楽しいでしょ、こんなゲームの金を惜しむくらいなら使いきっても構いません、違いますか?」
にっこりと楽しげに笑うクリスを見てて
(やば・・・、めっちゃカッコいい過ぎひんか)
生産クランララフルのマスター・リーヤの顔が赤くなっていたりした。
『そっ、そうか~、ならうちとしても利益度外視で頑張らせてもらいます~。みんなええか!』
『『『おうよ!』』』
『ほな、あんじょう頼んだで』
『『『やるぞ!』』』
『『『おおお!?』』』
生産クランの職人は、男気ある人間が大好きであった。
またポンと大金を渡して任せた。任せると言う言葉を聞くと江戸の火事場のように、へんなパワーがわくようなシステムがあるんでないかい?、
疑問を感じるカガリであった。