閑話・ネットアイドル契約しました
『イカの香り』
アイドルを夢見る妹達とそんな双子が二組もいるお兄ちゃんである。
検証クランでは、イカホこと板盧 中21歳である。
長女板盧 凜々花イカミ14
次女板盧 鈴花スミカ14
三女板盧 紙撚13ヨウミ
四女板盧 折紙13リリイカ
父板盧 堂安52
母板盧 穂炎32
しかし実は、妹達はまだまだいて、下に四つ子と、三つ子が控えてたりする。
因みに板盧家は由緒正しい〇〇県にある神社の宮司の家系である。
お兄ちゃんはとても大変なのですよ・・・・
「お兄ちゃん!、髪の毛結って」
「はいよ」
「あっ、キミだけズルい私も!」
「おっと、危ないからいきなり抱きつくなよ~」
「「ハア~い」」
「兄ちゃん抱っこ・・・」
一番ての掛かる年少組は最年少の四歳の三つ子を構いながら、保育園の支度を手伝う、さらにテーブルでパン派の小学生組はチラチラ構って欲しそうにしながら、仕方なく朝食を食べてた。
ある意味、エンドアースのクリスレベルで器用になんでもこなす優しいお兄ちゃん、それがイカホの本当の姿であった。
「中、おはよう~、今日もご苦労様ね~」
「あっ、母さんおはよう、昨日遅かったようだけど今日は在宅ワークって聞いてたから、一応お弁当作って冷蔵庫に入れてあるから、テレワークの合間にでも父さんがお勤め終わったら一緒に食べてね」
「あら、お兄ちゃんの手料理は久しぶりね~♪、何時も有り難うね」
母の穂炎は、アプリを作る会社を経営するやり手の若手美人社長として有名である。
それでいて11人もの子どもを生んだ父の後妻であるが、中も母として慕っている。
女性として母として尊敬出来る人物であった。
「「「お兄ちゃんバス来るよ~」」」
「はいよ~、今行く~」
県内の大学で経済学部の三年である。
まあ~、一年、二年で頑張ったので三年は比較的暇であった。
元々、アイドルオタクだった中ではあるが、
お兄ちゃん大好きな妹達の中でも特にアイドル好きに染まったのが、すぐ下の双子と双子の上四姉妹達である。妹達は母さんに似たのか行動派である。すぐに相談した結果。
なかなか高価なVR機器を五台も買って貰えてくれたのには驚きを越してビビった中であった。
そこでなんやかんや楽しみながら、中達五人は、様々なゲームの中から厳選していき、まだまだ新しくリリースされたゲームの中でも可能性があった。
ワールド・イン・エンドアースを選んだのだった。
『エンドアース日本支社チーフマネージャー』の書いてある名刺を受け取り、ややビビってる兄中を他所に、母の穂炎、双子姉妹二組の四姉妹は、
「やった~」
「やったね~」
「私達の時代」
「来たかも?」
まるでコントのようでありながら、ワイワイはしゃぐ四姉妹に頭を抱える中であるが、ゲーム内では沈着冷静なパーティーリーダーをやっている。
「それではゲーム内とネット配信でのアイドル活動を、うちの娘達との弊社で契約したいそうですわね」
「はい、それにつきましては」
「なるほど、ネットアイドルとしては」
やり手アプリ社長の手腕を遺憾なく発揮する母、それに目を輝かせる妹達、
(きっと、拙者はこのまま妹達のマネージャーであるかノシ、仕方ないイカ・・・)
何処か遠い目をするイカホこと中であった。
こうして年末には人気ネットアイドルEK4としてデビューすることになるのだが、それはまた別の話であった。