表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
945/1032

ほんの些細な奇跡の始まり9

 




 朝、伯母さんからじいちゃんに呼ばれてると聞いて、じいちゃんの住まいである洋室に向かった。  


 それはそうと、朝の鍛練が終わって汗を流したらなんだか、別邸で騒ぎがあったようだけど何かあったのかな?、


 まあ~、五美も一緒だし。変な事にはなってないだろうしね。

 

「じいちゃん、栗栖だけど」

『うむ、入って来なさい』


 こうしてじいちゃんの部屋に入るのは、じいちゃんに弟子入りした時と、

 飛鳥井流の蹴鞠を学ぶことを決めた時以来だから・・・、中学に上がって直ぐの頃かな。


「失礼します」

「うむ」


 じいちゃんと差し向かいでこうして、二人だけで顔お合わすのは結構久しぶりかもな、

 ここ最近は東京で新しい道場を開いた内弟子のために忙しいと聞いていたからね。こっちに戻ってくれば弟子の指導で忙しいが、今日はシルバーウィークだし。平日の午後みたいに、県警の道場に指導しにでることもないからね。


「・・・栗栖、一つ聞きたいことがあるのだが、式神を知っておるかの?」

「・・・・・?、式神って何」


 不思議そうに首を傾げる栗栖に、厳しい顔をしていたじいちゃんが安堵の吐息を吐いていた。


(ふむ、栗栖ではないか、しかしあの子猫達にかかっていた強い霊気は栗栖の物であったが、ああも霊気がきれいに消えておったしの・・・、気にはかかるが、何かしらの力か加護をあの娘に与えるため使われたかの?)


 そう考えれば理解出きるか・・・、

 一先ず。孫が仙人、陰陽師になってた訳ではないと知り安堵する。


(それにしても、栗栖は随分と呼吸法を物にしておるな、ならば来年の夏は京に行かせるべきかの~)


「うむ、先に言っておくがの来年の話になるが、飛鳥井本家から、栗栖が呼吸法を身に付けたのであれば修行しにくるよう言われておる。それゆえ来年の夏は二週間ほど、あちらに向かうと了解しておくがよい」

「・・・えーと、豪雪師匠の所だよね?」

「うむ、おそらく色々と知らぬこともあろうが、まあ~、世の中には不思議なこともあるのだとそう心得とけ。よいな」

「・・・あっ、はい」


 あまり理解は出来ないけど、あの豪快な豪雪さんとまた会えるのは嬉しい限りである。来年の夏が楽しみかな~。


 栗栖が退出して、東は深くため息を吐いていた。


「まさか、家から裏の才能があるものが生まれるとは、あの子も数奇な奇縁を持つゆえ心配ではあるが、あれは不思議とそういう力を持った存在に好かれるから、悪いことにはならんだろう」


 栗栖が知らないところで、なんだかよく分からない付属がある模様です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ