ほんの些細な奇跡の始まり8
★北条 莉奈視点
何だかんだ人の気配が沢山するわね・・・。
にゃあ~ん、ゴロゴロ
「リアラおはよ~」
うにゃ~ん、ゴロゴロ
「キララもおはよ~ね」
二匹の子猫が甘えるように足をペロペロしてくるから、
「うふふ、こらくすぐったいわよ!」
足をペロペロされて、甘噛みされるとくすぐったくって、笑いが止まらない。
「やだ~、くすぐったいから~」
二匹に遊ばれて久しく笑ってなかったから、お腹が痛くなるほど笑ってしまい。腹筋が痛くなってしまったのには困ったわ。
「おはようございますお嬢様」
8時過ぎた頃、七奈美さんが入って来たわ。
「おはよう七奈美さん」
「おはようございます。随分と楽しげな笑い声が聞こえてましたが・・・」
にゃあ~ん、うにゃ~ん♪
「あらあら、可愛い」
だらしない顔をしてる七奈美さんに思わず笑ってしまう。
「この子達が、足をペロペロして甘噛みするからくすぐったくって、困ってしまいましたわ」
「・・・・・・・・・えっ、お嬢様・・・、くすぐったかったのですか?」
「ええ、も~うリアラてばペロペロするんだもん、キララは甘噛みするし笑い声が止まらなくなったわよ~」
クスクス笑いながら説明すると、七奈美さんの顔を見て首を傾げていた。
「ほっ、本当に・・・、足に感覚が」
七奈美さんの顔がとても真剣だったから、虚を突かれたけども、
「・・・あっ」
莉奈も忘れていた。自分の下半身は麻痺をしていて感覚がほとんどなかった筈なのだから、
「お嬢様、確かに感覚があったのですね?」
「ええ、七奈美さん間違いなく」
「そうですか、とりあえず御手洗いに行きましょう」
「はい、お願いいたしますわ」
下半身に感覚が無いと、大小をしたことも分からないので、朝お手伝いさんが支度をしてくれるのですが、旅先ですので七奈美さんにお願いしていますの最初は恥ずかしいことだと落ち込みましたが、今では何とか慣れて来ましたもの。
でも・・・。
リアラに足をペロペロされたらくすぐったい感覚が間違いなくありました。
キララが甘噛みしたら、何となく優しくカミカミされてるのが分かったのです。
こんなこと・・・・。
今まで無かったのに。
どうしてかしら、栗栖さんの・・・、
まさかね。