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ほんの些細な奇跡の始まり6



★キララ、リアラ視点




 二匹の子猫は深夜、別邸で寝泊まりする女の子北条莉奈とこの家の長女である方城五美がなかよく、布団を並べて眠っていた。

 

 二匹も二人の真ん中で丸まっていたが、何かに呼ばれて目が覚めた。


『もし・・・、もし・・・、そこの猫又さん達』

『・・・なんにゃ~、私達は眠いのにゃ~』

『申し訳ないのですが・・・、貴方の主には申し訳ありませんが、その霊力を使わせて頂けませんか?』

『それに私達は猫又じゃないにゃ、霊力?、それは栗栖お兄さんの力のことかにゃ~、好きにするにゃ』

『えっ?、猫又じゃないのですか?、それ程の霊力を貴方に与えた者が主のようですから、

 私は貴方達が、式神かと思いましたが・・・、申し訳ありません。が、その霊力は勝手に使わせて戴きますわね』


 キララ、リアラが莉奈の上にふわりと浮いていた。黒髪の美しいお姫様が浮いていた。

 北条家に連なる守護霊である鶴姫は、二匹を守るように与えられていた霊力を糸を集めるように救い上げ。

 そっと・・・。


莉奈の足に与えると消えていた。 


『フフフ、これでもしかしたら・・・』

『もう、眠いにゃあ~ん』

『お休みにゃあ~ん』


 二匹は仲良く、くっついて寝息をたてていた。お姫様の守護霊はにこやかな笑みを残して消えていた。


 その日の出来事を知るものはいない。


 ただ・・・。


何かしらの不思議な事が起きた事だけは確かであろう・・・。 










☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆






『04:56』



 本家で寝ていた栗栖は、人の起きる気配によって目が覚めた。


「よし、頑張るか・・・」


 本家に泊まると言うことは、方城家本家で六道の鍛練を行うことを意味する。


「栗栖兄、おはよ~」

「五美か、おはよ~、別邸のお嬢様、莉奈さんだっけ大丈夫そうか?」

「うん!、キララとリアラのお陰でね~」

「ふう~ん、そっか」

「そっちの莉央君はどうなの?」

「相変わらずだんまりだよ。ふう~、よっぽど心に深い傷を抱えてるんだよな~、じいさんま無茶を言うもんだぜ・・・」


 栗栖が本家に呼ばれた理由は、栗栖の蹴鞠の師こと飛鳥井豪雪に関わっている。

 飛鳥井は蹴鞠で有名であるが、もう一つ裏で有名なのがイズナ使いであろうか、


 元は動物の式神を使って、朝廷内の警邏を裏で行う仕事、または裏で御上に仇をなす公家を呪殺をひっそりと行っていた裏の顔を持っていたのであった。

 栗栖には蹴鞠の他、縁戚と言うこともありイズナの基礎を学ばされていた。


 だからか動物には好かれやすい。

 もっとも基礎しか学ばされて無いので、ちょっとした感は強いことと動物に好かれること以外は、特に何もなかったので、この頃の栗栖も歩く時、走る時に基礎の呼吸法を実践するだけで、どんな効果があるのかは全く知らない栗栖は、


 呼吸法をやりながら、六道の鍛練を積むのであった。



 

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