ほんの些細な奇跡の始まり5
★近藤 七奈美視点
かっ、可愛すぎるだろー!。
近藤七奈美28歳は、極度のモフモフ好きであった。
フワフワで人好きする子猫なんて、最高でーす!。
だらしない顔をして子猫にデレデレな七奈美を見て、同僚の伊丹が呆れた顔で咳をする。
「ゴホン、お嬢様は大丈夫であったか?」
「あっ、はっ!、伊丹隊長大丈夫でした!」
慌てて取り繕う七奈美さんの顔を、二匹が交互に舐める。
「//・・・」
再びデレデレした顔をする部下である七奈美に、伊丹と呼ばれた警護隊長が再びため息を吐いていた。
こうして締まらないながら、リアルで北条姉弟が、ゲーム世界とは関係なく栗栖と遭遇した。ファーストコンタクトは終わりを告げるが、
その日、七奈美と仲良くなった子猫の姉妹キララ、リアラと莉奈とも仲良くなって、近い歳の五美とも猫を通じて友達となれたのは、北条姉弟にとってこれから始まる些細な奇跡の始まりを告げる物であった。
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★方城 一乃辰視点
どうもよくわからねえな、こいつらの目的は何だ?、
少なくともうちじゃないことは確かだ。
彼奴らそろって見てやがるのは栗栖のことだが・・・、
ちっ、栗栖が目をつけられたんなら芸能界かと思ったが、北条家は医療、精密機械メーカーの企業グループだろ、意味が分からね。
少し気に入らねえが、悪意は感じねえしよ。
親父、こいつは俺の手には余るぞ、せめてお袋が居たら違ったんだがな~。
次期、方城家当主としても可愛い甥っ子がなんと無く関連してるとは、予感したが理由が分からず、
遠縁の北条兼光と妻香住をサングス越しにうろんげな眼差しで見ていた。
北条夫妻の目的は果たして・・・。
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『第七陣リリース開始します。カウントダウン』
『10』
『9』
『8』
『7』
『6』
『5』
『4』
『3』
『2』
『1』
『0』
『リリース開始します』
シルバーウィークということもあり、世間様では旅行、秋とは言えないが行楽シーズンである。
モンスター・イン・エンドアースの正式リリースも七回目となり、恒例の始まりの町では新規プレイヤーで賑わいを見せていた。
こうした新規プレイヤーを獲得するべく多くのクランが、勧誘を行うのもある意味風物詩であろうか。
残念ながら人気クラン、大手クランはそうした新人勧誘を行っていないので、この場には居なかったりする。