ほんの些細な奇跡の始まり4
★キララ、リアラ視点
ぼくたちきょうだは、ある日、とてもせまい袋の中に入れられて、捨てられていた。
暑くて、怖くて、お腹かが空いて、僕たちは一生懸命鳴いていた。
そこを一人の人間が助けてくれた。
ご飯を食べさせてくれて、愛してくれた温かな日溜まりのような優しい人間は、私達に家と居場所をくれたの!。
今では僕のことキララ、妹のことリアラと呼んでくれる大好きなご主人にも会わせてくれた優しい人間。
凄く感謝してるのよ!。
それに兄弟の一匹が、お兄さんの家で飼われる事になって、少し寂しいけど・・・、
あの子は、お兄さんが大好きですものきっと幸せにしてくれるわね。
にぁ~ん
(キララ、お兄さん来てるけど挨拶する?)
うにゃ~ん
(そうね。行きましょうか)
そうして、本家で飼われるようになったやんちゃな姉妹子猫達は、スタコラとお兄さんこと栗栖の元にとことこ進むのであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
にゃ~ん、にゃあ~ん、
栗栖が取り敢えず別邸の玄関にいると、虎影の子猫と、茶とが不思議な模様となっているキララとリアラがとことこ走って来てくれた。
「キララ、リアラ久しぶ~り」
にゃ~ん、うにゃ~ん♪
ゴロゴロ、ゴロゴロ二匹が僕の足にまとわり付いていたのだが、急遽登山ならぬ僕の足から登って来て両肩に乗って来た。
ここの遠慮無さはさんちゃんの兄弟ぽいよね~。
うにゃ~んにゃあ~ん。
なんかを一生懸命喋ってる気がしたので、
「さんちゃんなら元気だよ~、最近はルンバライダーにはまっていてね。リビングを楽しそうにルンバに乗ってるよ」
にぁ~ん
ちょっと呆れたような、ため息混じりの鳴き声を出すから、
なんと言うか、さんちゃん達兄弟は少し頭の良い猫だな~。
そんな軽く考える栗栖であるが、
普通の子猫が、兄弟の近況を聞いてきたり、そんな子猫と普通に話してる時点で、ちょっと可笑しいなくらいは思えと思う作者であった。
「栗栖様・・・」
先ほどお世話と護衛の女性が出て来て、僕を見て固まる。
僕と言うか子猫達を見てかな、
「この子達は本家で飼われてるキララ、リアラ姉妹だよ~、お嬢様は子猫は大丈夫かな?」
僕の声に、ようやく我に戻って、
「だっ、大丈夫でございます」
「そっか、えーとお姉さん良かったら抱いてみる?」
「いいんですかー!」
食い気味の返答に気圧されながらも、お気楽で女の子大好きな姉妹は早速、お姉さんの元にとことこ、
にぁ~ん、うにゃ~ん
甘えた声をあげなり、お姉さんはメロメロである。
お姉さんは動物好きらしいね。