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ほんの些細な奇跡の始まり2





★北条 莉央視点

  




 まさか・・・


リアルで栗栖さんと会うとはね。

 しかも、遠縁とはね。


不思議な(えにし)を感じさせる出来事だ。


「・・・・・・・(僕は、どうしたら・・・)」


 不安ではない、多分僕は、困惑してるんだと思う・・・。


(いったい父さんは何を考えてるんだか・・・)


「よし、栗栖しっかり支えろよ」

「任せてよ~」

「「せ~の~」」


 一乃辰と栗栖はバイト先でも力仕事をよくするので、下手な引っ越し業者よりも手早く異動するのになれていたりする。

 そのため車椅子の上で不安そうな顔をする前にあっという間に上まで運ばれていた。


「おお~、一乃辰君、それに栗栖君も随分と手慣れてるんですね!」


 感心する兼光さんに、


「ガハハハハ、こいつはうちの仕事の手伝いに来てるが、その他に親戚にモデルがいてね。中には身体障害者のモデルがいましてね。わりとこういうの慣れてるんだぜ!、


 こいつの母方の妹が世界的モデルをやっていてな~、こいつはその業界でも有名な凄腕マネージャー栗栖と言えばめちゃくちゃモデルの業界だと有名だぞ!」

「伯父さーん、そう言うのはオフレコでお願いします~よ~、それでなくてもバレたらあっちこっちの芸能事務所からオファーが酷いんだからさ~、


 僕は高校生だってのに~」

「ほほ~う、それは知らなかった」


 何故か父さんの目がギラギラと光ったような気がした。

 まさか、ね・・・。









☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




 

★北条 莉央視点




 うそ!、うそ、うそー!、


 クラマス、あの大きい頼り概のある赤熊族の変わり種な青年じゃなくて、


(イケメンだったなんて・・・・、でも一乃辰さんと栗栖君を足して割るとクリスさんかも・・・)


 案外、良い感をしてる莉奈であるが、さっきからおすまししているが、内面では暴走一歩手前である。


「お嬢様(お手洗いは)」

「お願いいたしますわ」

「旦那様、お嬢様のお化粧直しを行いたいのですが」

「ふむ、栗栖君お願いできるかね?」

「はい。別邸はこちらになります」 

 

 本家の裏手は石畳になっていて、あの階段さえ上がれば、車椅子でも楽に異動することが出来る。

 また別邸はバリアフリーの作りになっていて、内弟子の祖父母が泊まりたい時に使う目的がある。

 またバリアフリーの温泉が備え付けされているので、怪我をしたプロの格闘家に貸し出すこともあるそうだ。


「お化粧室は、車椅子でそのまま玄関を入り右手にあります。専用の温泉もありますから安心してね」

「これはご丁寧にありがとうございます方城栗栖様」

「あっ、栗栖でいいですよ、お嬢様とさっきの彼、僕と変わらない気がしたので」

「承知いたしました」


 黒服着てる女性はお嬢様の護衛兼身の回りの世話役かな~、多分、うちの三段くらいの腕前はありそう、

 左の脇下に多分特殊警棒を携帯してるかな?、


 対人にも慣れてる感じだけど、僕より弱いかな~。


 そんなこと考えながら観察されていたとは、お嬢様である莉奈も、そのお付きの女性も思っていないだろうが、

 九州はその昔、修羅の国と呼ばれるほどの血の気の多い人間しかいない。

 争い、戦い、相手を喰らってでも生きてきた地であったこと忘れてはいけない。




 


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