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ほんの些細な奇跡の始まり

  


 ゆっくりお茶うけを食べてた栗栖にメールが届いた。


「あっ、ようやくか、六美伯母さん、伯父さん裏に到着したようなんで、行ってきますね!」

「はい。栗栖はん気張りやす~」

「はあ~い、行ってきます」 


 気の抜けた栗栖の返事に苦笑で返し、何だかんだ言いつつも急ぐ姿に微笑んでで見送っていた。










☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





 道場の前を通ると威勢の言い掛け声が聞こえる。竹刀で打ち合う音が響いて来たので、今は打ち合い稽古をやってるようだ。


 そのまま別邸の方に向かうと数人の内弟子のご家族が掃除をしていたので、今日来るお客さんが、数日泊まって行くようだと頭の隅に入れておく。


 そのまま別邸の前は道場の厨になっていて、良く夏休み辺りになると業者が配達に来てくれるが、荷運びは弟子の仕事になるので、

 みんなでワイワイ流れ作業をやるんだけどね。


 そこを抜けると裏手になる。主に駐車場があるんだけどその先にある山々は朝の稽古で走るコースになっていた。


 そんな裏手の駐車場に伯父さんのちょっと近寄り難いばんと、二台の高級車が停まっていた。

 

「おっ、栗栖済まんが手伝え」

「了解でーす」


 伯父さんのバンの後ろが開くと驚きの改造が成されていた。


「おお~、バリアフリー搭載とか、見た目に反する優しい車にきっと警察官は動揺するね~」

「だろ~、絶対止められるからな~、中を見て驚く顔が見たいんだ」


 警察官にははた迷惑な一般人であるが、受けは言い筈だ。

 最近この辺りの住民も高齢化してきている。伯父さんのバリアフリー搭載車は、近所の人のことも考えての改造だろうね~。


「それから栗栖、こちらはお客様だ。うちの遠縁で北条家の当主兼光さんだ」

「はじめまして方城栗栖です!」

「・・・はじめまして北条兼光だ(ほほ~う、確かにゲームのアバターと違って好青年だな、顔立ちも美少年系とは意表を突かれた)」


 流石に一乃辰を見てから心配があったのだが、嬉しい誤算である。


「栗栖、そちらのお嬢さんを運ぶから手伝え」

「うす。力仕事なら任せてよ~」


 朗らかに笑いながら、車からギミックで駐車場に降りた綺麗な女の子が不安そうな顔をしてたので、


「はじめまして僕は方城栗栖です!、栗栖と呼んでね。こうみえて鍛えてるので体力には自信あるんだ、心配しないでね」

「・・・・はい(//リアル栗栖さんって、イケメンです!)」

「・・・・・・(姉さん・・)」


 栗栖の知らない所で、同じクリスタル商会に所属してるクランメンバーに会ってるとは、栗栖だけ知らない話であった。


 さて、この出会がほんの些細な奇跡を起こすのだが、それに気付くのは先の話になる。





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