栗栖の遠い~。親戚姉弟さんと出会った~3
★北条 莉奈視点
博多に到着したら、出迎えの車が待っていた。それもちょっと危なそうな改造車だったので、お父様が平気な顔で近付いて行くので驚いていた。
パワーウインドが降りてくと、案の定と言うかとても堅気の方とは思えない強面、がたいの良いいかにも暴力が仕事だと言われたら納得してしまいましたわ、
「莉央・・・、大丈夫?」
「・・・・・・・」
頷いてはいますがちょっと怯えてしまいますわね。ああも見た目が怖いと。
黒塗りの改造車からアンカーを出して固定するギミックを動かしたら、後ろが空くと車椅子でそのまま乗れるように特殊改造されていました。
これにはビックリです。
「ようこそ。博多へ」
にっかり笑うとおっさん臭い男の笑みですが、子供のような笑みですわ~、少しだけ、ほんの少しだけ好印象になりました。
「車椅子のまんま乗れるから、狭いが隣に誰か座ってくれ」
「これは一乃辰さん、心遣い感謝します」
「なあ~に、いいってことよ。本邸にバリアフリーは無いからよ。別邸まで異動するのに。うちの甥っ子も呼んであるから、楽しみにしとけよ。
俺や弟と違って栗栖は男前だからな!、驚くなよわははははは」
見た目、そっちの人にしか見えないのですが、笑うと人懐こい笑顔になるのですわね。
そうですかこの方が我が北条家の遠い親戚になる方城家の方ですのね。
「・・・・・・栗栖さん」
トクトク、鼓動が早くなっていくような不思議な高揚を感じます。
「・・・・・・・・」
「大丈夫ですわ莉央」
こうして私達は、方城家の本邸へと、向かうため長崎に向かうことになりました。
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★方城 六美(近衛六美)視点
なんやお義父様が悩んではりますな~、とてもめことでやんわりと気にしております所です~。
どうやら遠縁の北条家からわざわざシルバーウィークにくるなんて、よっぽどのことですな~。
どちらにしても甥っ子の栗栖さんに縁があるようですが、あの子と関わりがあるんですやろか、相変わらず不思議な縁をお引きですね~、栗栖さんは、
あまり理解できないのですが、やれやれうちの人が出迎えに出かけるのですから。うちとも何かと関係があるのでしょうね~。
古い家には沢山のしがらみが存在する。
六美の実家である近衛家とてしがらみは存在するのだ。
戦国の世から続く名家ほど顕著であろう、
その危険さも・・・。
「鬼が出るか蛇かでるかですね~、くわばらくわばら、ウフフフ♪」
そこは名家の才媛とまで言わしめた才女は艶然と微笑んでいた。