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ワイゲン公爵御令嬢の騎士2





『ワイゲン城・客間』




 クリスは貴族と言う生き物とそれを采配する上位貴族の執事長のことをあまり理解していなかった。


 そのためセバレス執事長にあれよあれよと言う間にクリスタル商会のパトロンとなられた訳だが、クリスもそれなりに駆け引きは経験者であったが、

 下手な小国の宰相並の手腕を持っていたセバレス執事長には終始押されぎみとなった物だ。


 代わりに、ワイゲン公爵閣下の正騎士となって男爵でありながら、ワイゲン公爵家の家紋の入ったナイフがかしされた。


(これって、囲い込みだよね?、他の上位貴族から横やりされないように)


 疲れはてたクリスが退出したのを馬車まで見送り、セバレス執事長は満面の笑みを浮かべていた。









 

★★★★★★★★★★★★




 

★セバレス執事長視点



 クリス様がお帰りになられたのを見送り、少しやり過ぎたかと思った物だが、いやはやなかなか面白かったですな~、あの者であれば旦那様では些か荷が重いでしょうね。


 先の内戦時に、ワイゲン公爵はクリスにやり込められたのであった。

 その事をきっちりとのしを付けてドワーフ王国の秘密と言う、莫大な利益を生み出す債権を手に入れる事が出来た。


 セバレスとしはそれはそれ、これはこれであった。公爵家ほどの大家ともなれば舐められてはいけないのでその辺りを込めて、色々とクリスタル商会のパトロンとなったのだが・・・。


「まさか湖の町フランへの航路運営をするからそちらに投資しないかと、言って来るとは・・・、ふふふ。クリス様は実に面白いお方ですな~、相手としても好敵手でございますし」


 もしもこのまま手柄を上げて行けば、年内に子爵、下手をすれば伯爵となることも夢ではなくなるであろうと、セバレスは確信していた。


「失礼致します。セバレス様鑑定結果が出ました」

「ご苦労様です」


 密偵の黒服を着ていた配下が、報告書をおいて退出していた。


「ふふふ。流石はクリス様ですね~、お嬢様にこのような希少な魔導具をお贈りになるとは」


 それに・・・。


 当たり障りなくワイゲン公爵家にプレゼントするものとして男爵として不可もなしと。


★高級ワイン

★高級お菓子


 を贈答品として出している辺り、その辺の愚かな貴族とは一変させる気の使い方である。

 流石は今をときめく大商会長であった。実に心憎い。


「さて、旦那様に報告せねばなりませんな~」


 ここ最近のクリスの活躍は、ワイゲン公爵閣下としても鼻が高く、またクリスを騎士にしたお嬢様であるサニアお嬢様の株がうなぎ登りであった。


 そのため国内外からお見合いの話が後をたたなくなっていたのだ。

   








 

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