湖賊から、平船四隻を強奪した
「おら!?、この船四隻は、俺様が貰ったぞー!?」
それから暴れに暴れてサハギン湖賊を湖に叩き落とすと、四隻の平船を繋いでそのまま出発したクリスの後ろで、疲れ果てた二人は、虚ろな目でクランのメンバーに『クリス君暴走する』とメールしていた。
すると珍しくベッキーが慌ててメールの返信が届いて、
『誰か死に戻りとかしなかった?、二人とも大丈夫だった、お兄の鬼無双が始まると終わるまで止まらないから、放置してね!、下手に止めると殺られるから気を付けてね~』
やたらと物騒な文面に二人とも顔を見合わせていた。
「よし、このことは忘れよう」
「賛成」
二人とも正しい行動を取っていたと後々分かることになるのだが、その事件は先の話であった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まもなく湖の町フランに到着するころ、多くの兵士の姿がちらほらと見えてきたのだ。
N・兵士「ん?、その方達は人間であるな?」
「はい、僕はクリスタル商会長のクリスと申します」
ここで俺様ではなく自動で身体と言葉が動き出したことから、すぐにクエストだと気づいた。
『隠しクエスト湖賊を殲滅せよまたは、沈めよをクリアしました』
報酬
★湖のダンジョン入場許可
★50万ゴールド
★BP200
MVP
★クリス
報酬
★湖賊の平船四隻
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「「はあ~、なんだか疲れた」よ~」
二人してため息を吐いていた。
N・兵士「おお~、貴殿があのクリス卿であったか!、よくぞ湖賊どもを退治してくれた礼を述べる」
「「「おお~、湖賊を退治してくれた」」」
N・船頭「これで安心してまた、対岸の桟橋まで渡し船を再開出来る!、感謝いたします」
『クリスタル商会の活躍により【湖の町フラン】への定期船が再開されるようになった』
と、ここでワールドアナウンスがプレイヤーに知らされた。
「なるほど、こう言う隠しクエストもあったのか・・・」
クリスはすっかり元通りになっていた安定の通常モードである。
「あっ、そろそろお昼だし、ログを登録したら解散しようか」
「うん、そうだね~」
「私もお腹空いた気がするし、ログ登録したらログアウトするよ」
「あっ、お昼こっちこいよヒナタ母さんがお昼用意してるからさ」
「本当~!、叔母さんの御飯美味しから行く!、お昼は何かな~」
「唐揚げとナスの揚げ浸しだってさ、もう秋ナスが美味しい季節だからだってさ」
「やった~、唐揚げ、唐揚げ、おナスさん~または♪」
二人ともすっかりお昼御飯モードポイ。
僕としてもしっかりお昼は取りたいので、平船四隻はそのままクロエに丸投げにしようと決めたクリスであった。
━━━━━━━━━━━━
栗栖様、お疲れ様です。お昼をしっかり食べて休憩下さい。
エンドアースからログアウトしました。