サハギン湖賊と激突2
★ヒナタ視点
せっかく湖の優雅な遊覧船を楽しもうと思ってたのに・・・、
いきなり湖賊の襲撃とか、流石はクリス君!。
とか変な感心をしていたら。
クリス君の様子が激変していた。
「1」
「0、俺様に続け!?」
急に口調まで変わってたからビックリです。
「「うおおお!」きゃ!」
慌てまくって、ヒタチと飛んだわよ。
「オラ!」
クリス君はまるで本物の戦士のようにそのままサハギンに突っ込み。剛剣のごとくロングソードでアビリティを放っていた。
「うわあ~」
ズガン!?
その瞬間、私達の乗ってた小舟が湖賊船の横っ腹に突っ込んでいた。
その衝撃で危うく湖に落ちるところをヒタチが支えてくれて、心底ほっとしたわよ。
「二人とも!、この船はもうすぐ沈む。隣の船に飛べ!」
「うっ、はい」
「ええ~、はあ~、了解しよ」
特攻して道を作るクリス君の後ろを慌ててついて行ったのであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
★ヒタチ視点
なんだなんだ!、クリスがおかしい。めちゃくちゃ強くて派手に暴れまわるのは、爽快アクションの戦国〇〇の武将のようだった。
「なんなんだよ。クリス強すぎだろ」
「人が変わりすぎ!」
「だよな、だよな!、さっき俺様とか叫んでたし。なんやんだよ、意味がわかんねえ」
まだクランメンバーは俺、または俺様モードのクリスをみたことがないようであった。
普段はせいぜい俺と僕を使い分けてるだけだが、
俺様モードは、いわゆる中二病が発祥とかではなく、普段押さえ込んでいる武術家の本能が爆発するハイテンション状態のことだ。
年に何回かお兄が暴走した!、と、ベッキーが慌てる状態のことを指す。
武術家に取ってリミット、またはリミッターと呼ばれるのを自分で外す修行がある。
普段、人間は筋力の力を10%ほどしか使っていないと言われている。
リミッターを外して本来のパワーを使えばすぐに自分のパワーに負けて、骨折は当たり前だし、下手をすると内蔵破裂を起こすこともある。
なので武人はリミッターを外した状態を維持できるように身体を鍛える。
普段使われていない筋肉を鍛え。リミッターを外した時に身体の負担を軽くするのが武道と言われている道を示すが、元は仙術の思想である。
「よし!、この船はこの俺様が貰った!、テメーら他の船もおいて行け!」
「なんだか凄いことしてるぞ」
「襲ってきた湖賊を逆に襲って船を奪う・・・、ハハハハハ、なんか凄いねクリス君って」
ヒナタ、ヒタチの顔が引きっていたのはある意味仕方ないことであろうか、