湖の町フラン5
★ヒナタ視点
うちのクラマスことクリス君が所有する小型船を古ぼけた桟橋に出していた。
「おお~、小型の船も持ってたんだなクリス君は」
「まあね。前のイベント相棒の島で必要になると思って買ってみたんだよ」
「へえ~、それで?、使ったのかな?」
「ああ、お陰様でココナを見つけた訳だけどね」
「おお~、ココナちゃん!、クリス君ナイスwww」
「おお~、そのお陰でヒナタはいつもご機嫌だから~、クリスナイスだ!」
「もお~、ヒタチってば調子良いんだから」
仕方ないわね~、そう言わんばかりだけども二人の会話を聞いてると独特の雰囲気と言うかな、気安い空気とでも言うのが流れていた。
これが幼なじみってやつですかね~。
なんと言うか、長年連れそう夫婦のようなって感じです。
「さあ~、二人とも乗って、湖の町フランでログ登録したら次はドワーフ王国か、国境の町プレハを目指す事になると思うからさ」
「へえ~、ドワーフ王国か楽しみ」
「インスタントダンジョンのある国境の町プレハも面白そうだな」
二人が船に乗ったので、ゆっくりとスピードを上げて、桟橋から離れ。一気にスピードを上げてフランを目指した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『緊急イベント、サハギン湖賊を撃退せよ』
もうフランに近づいて来たなって所でいきなりワールドアナウンスが流れた。
「・・・・うわあ~、クリス君がまた変なの引いた~」
「おお~、流石はクリスだぜ!」
いやいやそれは何だか嫌な信頼なのですが、反論できないのが悲し所です。
そうこうしてるうちに、内海の波の無い湖専用の平船が五隻こちらに向かって迫って来ていた。
「向こうの船に飛び乗って戦おうか」
「おう!、任せとけ」
「了解~」
二人ともやる気満々である。何だかんだいいながら楽しげなのでこっちとしては助かるよ。
ヒュヒュヒュ、ガツガツガツ
「うひゃ~、矢がスゲー飛んでくるんだけど」
「大丈夫だ。この魔導船には矢、魔法を防ぐ魔法防御が付いてるから大丈夫」
「こわ、凄く怖いんだけど」
「ヒナタも動画撮っとけ後で編集してクラン掲示板で載せようぜ」
「エヘヘヘ、了解~」
まあ、確かに凄い迫力ではあるし、僕も分かっていても怖いしね。
ヒュヒュヒュ、ヒュヒュヒュ、ガガガガガガガガガガ。
チュドーン、
今度はファイヤーボールが飛んできた。
「怖い、でも凄いね。臨場感がパナイ」
「これはバズル予感!」
二人の目が円になってるような気がした。
多分、気のせいだといいな~。