チームケモナーの冒険2
『海辺の町ランガ』
クリスタル商会の船は三隻が登録されている。
二隻は大型交易船であり、近隣諸国に交易のため交互に15日周期で航海していた。
もっともプレイヤーであるクリスはそこまで細かく設定していないので、優秀なクロエに丸投げしたので、商人プレイから解放されたのだが、
今度は貴族プレイが始まったとたん。
ピンポイントでベルゲンに行ったら。メインストーリーを引き当てるなど、
相変わらずの変な引きを持っていた。
今回、チームケモナーとしては、
親友三人と夏休みに遊びに行けなかったことと、新しく仲間になったシオンさんとで、夏休みに行けなかった海の遊びならぬ冒険をすることに決まったのだった。
とは言っても、メインは釣りしてBP稼ぎであったが・・・。
★★★★★★★★★★★★
『死突ランサー』
ウータンの竿に凄まじい引きがあったと思ったら漁船ごと引っ張られそうな勢いである。
「くううう!、凄い引き」
「僕が手伝うムス~」
ウータンの腰を掴んで腰を落としたミィー。
「ふう~ありがとう、少し楽になった」
「任せる。ウータン頑張る」
「了解~」
「あっ、こっちも来たわね」
『突っ張りマグロ』
「おっと、ガツンと来るなかなかの引きね」
因みにどちらも漁師なら一度は上げたいと願う高額レアな大魚のモンスターであった。
海のモンスターの討伐方法には二つある。水陸両用モンスターは上げてからバトルが待っているが、海の中だけしか能力がないと釣り上げる方が安全に倒せるから、普通な魚だけでなくレアな大魚を釣り上げると一気にBPが手に入るので、
クリスはクランのプレイヤーなら使えるようにしておいてくれていたりする。
ウータン、ヨッシー、ミィーの三人とサミエル、セリシア姐さん達とでたまに釣りを楽しむことがあるので、結構助かってたりした。
エンドアースのレベル、スキル、ステータスを上げるにはどうしてもBPが大切になってくるので、通常よりも稼げる海の釣りはウータン達の密かな楽しみになっていたのだ。
「・・・・・くっ、クオオオオ!、それ!?」
シオンさんが一気に突っ張りマグロを釣り上げていた。
『突っ張りマグロ45』
報酬
★BP450をパーティーメンバー全員
★230000ゴールド
「「「「「おお~!?、凄い」にゃ!」ですわね」」」
「くっ、キツイ、みんな手伝って」
「「「「了解」」」」
なかなか大変な思いをして、
『死突ランサー』
報酬
★BP750パーティーメンバー全員
★950000ゴールド
MVP
☆ウータン
★魚ターランス
※魚ターランス、水性モンスターに攻撃力230%アップ、【貫通】【水魔法無効】
「なんかレアドロップした~」
「おめでとうウータン」
「ありがとう」
「見た目可愛く無いけどね~」
「ムス~、海なら無敵の兎ウータン爆誕の予感」
「それは面白いにゃ~」
「打倒イカ娘とか?」
適当な感じで思わずベッキーが謂うと。ウータン、ヨッシー、ミィーがハッとした顔をする。
「「「ありかも」にゃ!」楽しみ」
「ええ~!?、本気かい」
何故かシオンは嫌な予感を覚えていた。
残念ながらその予感は当たることになるのだが、それはまた別の話である。