閑話・貴族のお仕事後
『ワイゲン城・執務室』
クリスは深く一礼するが、ワイゲン公爵は目を見張っていた。
(こやつは、この短時間で鉱山四つも見付けておったのか!、通りで余裕を見せるわけよの~)
胸中では様々な強風が吹き荒れる中で、クリスがもたらした情報はかなりの武器にもなり得た。
(恐らくベルゲンにはドワーフ王国のことすら告げておらぬであろうな、こやつの商会では少しずつミスリル、属性金属等少しずつ買い集めておったな)
「そなたの商会に幾らか預ける任せたぞクリス?」
「はっ、承知しております」
ワイゲン公爵家の為にもクリスタル商会と同じくしておけと言うことであった。
「━━━時にクリスよ。我が娘サニアが、何処かの騎士が最近顔を見せぬ物で拗ねておる如何したものかの~」
ここでチクリと意趣返しをしてみたのである。
「そう言えばサニア様はまだ我が商会本店にご案内しておりませんでしたね。よろしければお買い物など楽しまれては如何でしょうか?、無論掛かる費用は私共が負担いたします」
にこやかに笑って申し入れしてきた。
「ふん、よかろう(食えん奴だ。こうして娘には特別な計らいをすぐに打診する当たり)」
「よかろう数日中に本店に手紙を送る」
「はい!、お嬢様の到着を楽しみにお待ち致します」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(〃´o`)=3~めんどくさい貴族のやり取りは、自動で動くからあれだけど、アドリブも疲れたよ~。
(まあ~、クロエに丸投げしとけば嬉々として何とかしてくれそうだけど、連絡はしないとね)
今やクリスタル商会は王国有数の大商会となりつつあった。
「うし、クロエに丸投げだな~」
お気楽に言っているが、とうのクロエは女性である自分に支店長から本店を任せられることとなり鼻息荒くクリスに感謝してたりするが、そんなことクリスが知るよしもないのであった。
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★ワイゲン公爵視点
「ふう~、まさかそんな情報を得ているとはな・・・、相変わらず驚かせてくれるやつであるなクフフフフフ」
しかも、ここのところうるさいハエどもがやれ我が家にサニア姫をとぴーちく、ぱーちくと鬱陶しくて叶わない。
そのせいか奥も外にでれず昨日もなじられたばかりであった。
そこにクリスから本店での買い物をと申し出てくれたのだ。
(あそこは貴族の婦人に人気であったな、しかも買い物の代金を気にせずとも出すと言質まで我に渡してきおった・・・、ほほ~う、なるほどそう言うことか!)
ワイゲン公爵はまたしても、クリスにしてやられたと久しぶりに楽しげな笑い声を上げていた。
さて、ワイゲン公爵が誤解したのはさておき、クリスが思ったのは多少金を使っても以前ワイゲン公爵から、貸倉庫の事があったのでその事を気にしてクロエに投げただけであったとは思っていないだろう。