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閑話・貴族のお仕事前





『ワイゲン城・執務室』





執事長『旦那様、クリス様が参りました』

「ふむ、少し待たせておけ」

『承知いたしました』


 貴族とは不便な物よ、寄り親とはいえ・・・。

 同じ貴族になったからには、貴族の格を示さなければならないのだ。

 これが戦場ならば・・・、

 もう少し簡略化出きるが、クリスは貴族とはいえ下級貴族の男爵でしかない。


 我ワイゲン公爵家は王家の分家にあたる。

 それゆえ格に合わせた対応と言うものがあるのだ。







  



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 




 ワイゲン城に到着したら、城門ではなく城の方に通された。

 そこでログが流れた訳だうん、確かに貴族めんどくさいね。 

 今から気が重いわ~。



 使用人に客間に案内されて暫く待たされる。

ここはログ通り『貴族の格を示さなければならない』とかの意味ぽいな、


 ほどなくして執事長が出迎えにきたのでその後に続き向かったのは、謁見の間ではなくワイゲン公爵閣下の執務室であった。


(内々の話で済ませる気かな?)


 内戦時に、僕のクリスタル商会は貴族でありながら。王都近くに新しく出来た町に商会の土地を得ていた。

 まあ~、はっきり言えばワイゲン公爵閣下が僕に言質を取られ大きな金を得る機会を失った訳である。

 別に面子を汚した訳ではないのでワイゲン公爵閣下に文句を言われる筋合いはないが、

 出る杭は打たれるとも言うし、恐らく僕らの行動を情報機関が探ってる可能性があったりするか?、


 そうなると・・・。


(あっ、ドワーフ王国って一応近隣諸国に当たるんだよね?、しかも武器、鉄の輸出入で酒を輸入していたはずである)


 そこに今回のメインストーリーの主役はドワーフである。

 現在ドワーフ王国では幻想素材であるミスリル等が年々採れなくなっているという情報は、ワイゲン公爵閣下も知らないはずであった。

 一応、クロエには知らせてあるので他国から輸入させているようでそれなりの量を溜め込んでいた。










☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




  

★ワイゲン公爵視点




「良くきたクリス卿」

「はっ!、お久しぶりでございます、またこうしてご尊顔を拝し嬉しく思っておりました」

「ふむそうであるか、風の噂ではベルゲン嶺でなにやら、山師のようなことを請け負うておるとか?」


 おっといきなりの先制パンチ炸裂か、


「いえいえ、元々、商人と言う山師崩れでございます。たいして元々と代わり映えは致しませぬよ」


 今度はクリスのカウンター、ヒヤリとしたが上手くかわす物よと苦々しい目をクリスに向けた。


「ふむ、では何か?、山師崩れだから山師の仕事をしているだけと、ソナタは言い張るのか?」


 おっとここで、伝家の宝刀をぬく構えを仄めかせた。


「ご冗談を。まさかワイゲン公爵閣下ほどの方が、あの隣国のこと知らぬはずはございますまい」


 ここでプレイヤーならではの情報を仄めかせた!、

ワイゲン公爵の眉間に皺が寄る。


(ふむ、隣国の情勢をこやつが掴んでいて動いている?、)


改めてクリスタル商会の最近の交易内容を思い出す。


「ドワーフ王国か!」

「流石は閣下ご明察でございます。かの国は現在ミスリルが不足していると各国に炭鉱夫を派遣しているようですね」


(なんてことだ!。それが真実だとすれば近年ドワーフ王国からミスリルの武具が手に入りにくいのも・・・)


「その方が山師の仕事をしているのはまさか・・・」

「以前、ベルゲン閣下からも顔を出すように言われてましたので、我が商会が儲かり、なおかつベルゲン閣下に恩を売れるかもしれませんし。まあ我が国に多少の税を増やせれば国王陛下も覚えめでたく思いましてね~」


 ニッコリさも当然と笑う寄り子の男爵であり、娘サニアの騎士はさも当然のことのように、とんでもない情報(バクダン)を寄越しただけでなく、ベルゲン公爵を通じて、ワイゲン公爵家からクリスを派遣したという秘密裏の準備と言う名前の貸しを作って方針であったと見破る。 

 

「(なるほどの~、中々の傑物であるか)」


 先の内戦で疲弊している国庫に、税金(あめ)と言う実を示して来るとは、もしもこのまま鉱山を発見すれば、クリスはさらに何かしらの実績を出すと言うことである。


「(こやつは抜け目がないと言うか、何処からドワーフ王国の情報を得ていたのだ?、内戦後の忙しい合間に既に動き出すとか、腰が軽いにも程があろう)さようであったか、我が勤勉たるその方に代わって陛下にお伝えするゆえクリスよその方、内密にしておけ良いな?」

「承知しております。まだ鉄鉱山3つ、銀鉱山一つしか見付けれておりませぬ。これでは報告するまでもないと我が身の不甲斐なさを嘆くばかりでございます」


 クリスは深く一礼するが、ワイゲン公爵は目を見張っていた。


(こやつ!、この短時間で鉱山四つも見付けておったのか!、通りで余裕を見せる訳よの~)


 そのふてぶてしさが頼もしく、また面白い男と縁を繋いだと喜ぶべきか悩ましベルゲン公爵閣下であった。




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