メインストーリー新しい炭鉱を探す方法10
『鉱山候補地』
★セオ・バイナーズ視点
最近の姉さんは機嫌がいい。
うん、理由は分かってるからいいことだと僕も思うよ。
ここは僕ら姉弟にとってリアルを忘れさせてくれる最高の場所だ。
父さん達には感謝しかないかな~、
僕は姉さんの為に姉さんの前以外では、殆んど喋ることもしなくなっていた。
今度父さんにお礼をいいたい。
そう思えたのも姉さんが明るくなってきたからそう思える余裕が出来たからだ。
変な出会いであったが、クリス君と出合ったは良かったと思えたのは、多分僕だけではないだろね。
「セオ!、行くわよ」
「はい、姉さん」
こうして姉弟は楽しげにゲームを楽しむことにした。
★★★★★★★★★★★★
今日は、サニアお嬢様からの手紙がクランに届いた。なんでもベルゲンで行っている炭鉱探索のことを耳にしたとかで、『お父様からお話がございます』とのこと、うん、ワイゲン公爵は僕の寄り親であるし、サニアお嬢様は僕が仕える方になるのだから、呼ばれたら出向くのが基本であるため、伝令を出したら即日ワイゲン城に登場するよう馬車が出迎えにきたので逃げることも出来ないようであった。
「ある晴れた昼下がり~、子牛を乗せてゆく~、ドナドナドナ~ドオナ~」
気分はそんな感じです。
『ワイゲン城・ワイゲン公爵』
★ワイゲン公爵視点
ここのところ王都のことで苦労していたためすっかり妻には苦労を掛けてしまった。
サニアにも寂しい思いをさせたと反省する日々であった。
執事長「旦那様、やはり商会長のクリス様はクランメンバーだけ連れて、ベルゲンでなにやら行っているとのことで調べさせました」
「ほほ~う、わざわざ商会をあの【女傑】に丸投げとはな、乗っ取りが怖くないのかあやつは?」
ワイゲン公爵から見てもかなり遣り手である支店長であるクロエに本店を任せ、自由にさせる怖さをまるで気にもしないのが気になる所だ。
「私どもには分かりませぬが、少なくとも船長を任せられてますお二方は商会長のクリス様を裏切る可能性はないと断言できますな」
「ほほ~う、お前がそこまで言うからにはクリスは人心掌握に優れた人物とも言えるではないか?」
「いえ、どうもそうでは無いようでございます」
そこから二人の船長について調べたことが伝えられ、ワイゲン公爵は眼を見張る。
「なんと【スペクター】のボスを船長に据えたのか」
唖然とした公爵閣下に執事長もやや呆れた顔である。
普通の貴族では考えもしない一手であった。
「それからベルゲン公爵閣下が、クリスタル商会に援助金を出したと影から報告がありました」
「・・・・・そうか!、鉱山か」
これは寄り親であるワイゲン公爵としては話を聞かねばならないこととなったのであった。