フルダイブのメンテナンス終了からのお手紙
夕飯の後、宿題を済ませてからフルダイブのデータを新しくアップデートしたこと、前回までのデータを運営側が持っていったことが書かれた説明書を読んでいた。
それから内戦イベント放映で僕、サミエル姐さん、セリシア姐さんは運営側から出演料が貰えるようだ。今のところその金額は1日単位10万とのこと、
その他僕のクラン、クリスタル商会専用チャンネルが開設されることになって、イベント以外の最近やってるメインストーリーなんかも放映されるので御了承くださいと契約書が送られてきていた。
母さん曰く問題ないようなので署名、捺印を済ませる。一応タブレットに保存して明日にでも郵送かな~。
『キャアアア、可愛い♪』
『さんちゃんすごいよ!、可愛い♪』
母さんとベッキーの声が二階まで聞こえて来たよ。
多分ルンバライダーをやらせてるんだろうな~。
猫飼ってる人は一度はやらせたい行動だよな~、
「まあ~あとで写メ見せて貰うんだから、母さん達のこと言えないんだけどね」
栗栖だってさんちゃんの可愛い姿はみたいのであった。
━━━━━━━━━━━━
栗栖様ようこそいらっしゃいました。
アップデートによって新たにリアルでのトレースレベルが上がりました。
それによりリアルの能力がダイレクトに使えるようになりました。
またこの世界での戦闘記録はリアルに反映される可能性もありますので、
リアルでの戦闘はお控え下さい。
それでは栗栖様、エンドアースの世界をお楽しみ下さいませ。
エンドアースにログインしました。
なんだか長々と説明があったな~、今のっていわゆる身体障害者に身体を使わせることを脳に覚えさせれるために開発したって奴だよな?、
リアルに反映されるってことは六道の技もエンドアースで鍛練出来るってことか、
「ヤバイな、絶対じいちゃんと飛鳥ばあちゃん飛び付くぞ」
更なる混乱を予感したクリスであるが、
その予感はさほど遠くない未来に身に染みることになるのだが・・・、
それはまた別の話。
「パパ!、起きたなの!」
「うにゃ~ん♪」
「ココナ、ミズリーおはよ」
「おはよなの!」
ニッコリと向日葵のような笑みにクリスの不安は取りあえず消えていた。
「さて、ココナ、パパじゃないがプライベートアイランドで少し遊ぼうか」
「むう~、パパは意地悪なの!、でも大好きなの!」
ココナに抱きつかれ胸の辺りにグリグリと自分の匂いを擦り付けるような行動をした。
暫く好きにさせとくとようやく満足したのか、満面の笑顔で、
「パパ、行くなの!」
「はいはい」
苦笑しながらも手を繋いでプライベートアイランドへ飛ぶ扉へ向かった。