9月からバイト再開です。
学校が終わってからの二時間、部活の変わりに学校側から認められてるバイトが幾つかある。その一つが、
「あっ、栗栖先生だ~!」
たったたたたた、弾丸の勢いで抱きつかれる。
上目遣いする姿は実にあざといね。流石は女の子だ。
「こんにちわ真奈美ちゃん、元気にしてたかな~?」
「うん!、してたよ~、あのねあのね」
一生懸命におはなししてくれる真奈美ちゃんとその妹の黄南美ちゃんがハイハイして、
「あう~、おにいたん」
なんか呼んでいた。
「あらあらみんな栗栖お兄さんが来てくれて大喜びね、うふふ」
「あっ、先生またお願いいたします」
「こちらこそよろしくね」
あっ、ちなみにこの二人は担任の睦宮先生のお子さんである。
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子供達とたくさん遊んだからか気持ちが安らいだ気がした。昔から子供は穢れ無き者といい赤ん坊の鳴き声は、邪を払い、呪いを浄化すると言われてます。
僕も伯父さんやセレナ姉さんのトコでバイトしてきたので世の中が世知辛いこと知ってます。
なので精神的に疲れてる時に子供達と遊ぶと気持ちがリフレッシュするような楽しい気分になってるので、このバイトは楽しみにしていた。
睦宮先生にはわるいけど、先生と違い子供達は可愛いからね~。まあ~、ここだけの話です。
「ただいま~」
「わふ♪」
「にぁ~ん♪」
珍しいことにラブリンがお出迎えしてくれた。
「あっ、さんちゃんもお出迎えしてくれたんだね」
「みあ~ん♪、ゴロゴロ」
喉を鳴らしながら、僕の足に優しくちょんちょんしてきた。
ヤバイ、可愛すぎる。
「しょ、しょうがないな~」
さんちゃんを抱っこして肩に乗せる。ラブリンの頭を撫でながらリビングに向かった。
どうしたって?。
それはもちろん二匹と遊んだよ思う存分ね。
「お兄!、ズルイ」
なんて言われてもこればかりはちょっと譲れなかったよ悪いなベッキーwww。
こうして何時もの1日が終わろうとしていた。
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『にゃびっと火曜日の釜島で~す。本日もよろしくお願いいたします~』
『いよ~、ポンポン』
『ヒールゴーゴー、ザクゼットの宮島で~す』
お昼の番組を見ていた母さんは、
「あら、栗栖が買ってた株ずいぶん値上がりしてるわね~、うふふ一緒に買っといて良かったわ~、流石は私の子供ね♪」
ちゃっかり息子のスマホ経歴を見れるアプリから、栗栖がこっそり自分のお小遣いで株を購入してるのを知っていた。
だから自分のお小遣いから買ってみたのだが、
「まあ~、冬の旅行代は余裕ね」
どうやらかなり儲けたようであった。
「それよりお兄ちゃんのアカウントからのお金よね~」
かなりの金額が栗栖の新しい口座に入金されていた。
「お兄ちゃんには悪いけど個人事業主にしときましょうね。そうそう個人会社も立ち上げとかないと税金が大変なことになるわね~」
栗栖の知らない所で、色々とお金が動いているようだった。