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悪意の襲撃




『東京某所・会場』





 ブランドの秋冬物発表会は恙無く始まった。


 華やかな表舞台。裏方ではまさに戦場の様相である。

 マネージメントスタッフまで駆り出されての衣装の変更では、 

 その際素モデルが肌を晒して見られようが、モデル達は殺気立ち、表の舞台とは違う淡々と自分たちを着飾ることに命を掛けていた。


 この一瞬こそ、彼女達の命を賭けた戦場だからだ。

 スポットライトを燦然と浴びて45mほどの舞台であるランウェイをただ歩くこと。

 しかし歩くことのなんと難しいことか、

美しく均整の取れたプロポーション、それを維持する努力もここに立つために日々節制と身体のメンテナンスを欠かさなかった結果をまんべんなく発揮する。


 この場はチーフデザイナーの一年近い苦痛の中でデザイナー達を叱咤激励して産み出させた商品である。秋冬コレクションのプロモーター、ブランドのCEOが表舞台にたって喝采を浴びる。

 これこそが世界的にうちのブランドの新商品であると発表して、なおかつ世界中のセレブを招いての一種のショーとして魅せるのだ。


 女性の美しくなるという欲望を刺激して満足させるために・・・・・。


 これこそが女の戦場、華やかなであるが故に、冷徹までに美を追求してきた求道者、それがモデルという職業である。






━━━━━━━━━━━━





★アッキー視点





 先日、私たちはとある一流のマネージャーとであった。

 今までグループ活動してきた私たちのマネージャーが、子供のお遊びに思えるほど一流のマネージャーは違っていた。


 いかに私たちが仕事だけに打ち込めるか考え抜いたサポートの数々、衣装の細部にまで気を付けてくれたし。

 準備不足と分かると彼が所属してるモデル『セレナ』さんの使っていないヒール、ブーツ、化粧品の数々を準備すると、まず私たちに足湯を使うように言われて困惑する。


「モデルはいかに足をキレイに魅せるのも仕事だ。最低限そのケアをするのもマネージメントスタッフの仕事になる。多少時間が押しても自分たちを磨く為ならば、プロモーターも文句は言わない。彼等には彼等の拘りがあるからだ。プロのモデルとして入り口に立ったのなら覚えておきなさい、美しくなるための努力をしないものはここではゴミ以下の価値もないことをね」


 恐ろしいまでの現実、私たちは身近なアイドルをコンセプトにそれなりの競争から弾かれ、それでもアイドルになることが諦めなくてようやく小さな劇場からアイドルになった苦労人だと思ってた。


 でも彼は、そんなことやって普通であると言うのだ。私たちアイドルの世界も厳しいけれど、モデルの世界も厳しい事が分かった。

 昨日、一流のマネージャーがどれ程凄いのか嫌ってほど理解したし、


 『セレナ』さんが一流のモデルとなるのに相当な努力を重ねていたことが理解出来た。


今日、私たちは日本の有名人としてゲスト出演出来たのはある意味幸運だったのだと、これはチャンスなんだとあのマネージャーは言葉を発せず教えてくれた気がした。


「アッキー頑張ろうね」 

「うん!」


 こうして荒波の芸能界を小さな小舟が出港しようとしていた。



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